この週刊情報を出し始めて、足かけ3週間になりました。今日、2日早めに情報を出したのは、現地から今日昼に、少なからず心配な情報が伝えられたためです。(東電と、保安院が記者会見で発表)
私は、人間が現場に近寄れないほどのレベルに放射能が上がって、手の打ちようがなくなる段階がくるのか、その前に抑えられるのかが、成否の見極めだと書いてきました。
24日の被ばく事故は、その最初のきびしい兆しでした。
今日27日のNHK13時すぎのニュースで、これまでよりさらに格段に高い放射能が確認されたとのことです。濃度は、24日の被ばく事故の700ミリシーベルトの、さらに1000倍です。1秒もそこにいることができない値。測定した人はすぐ2号機のタービン建屋から退避したとのことです。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110327/t10014928251000.html
この濃度の数字を聞いて、核燃料と原子炉の状態にまで想像をめぐらし、今後の可能性を考える人は、まだごく一部かもしれません。ここには、いまの、原発問題をめぐる情報の出され方、その影響が、現われているように思います。
測定ミスか、あるいは感度設定の勘違いであってほしいと、私も思いたい。
しかし現実です。現場に人間が近づけなくなる、その最初の厳しい段階が始まったようです。
次の段階は、建屋からもいままでよりも格段に高い放射能が漏れ出して、外から水をかけることも危険になることです。
そのときは、敷地からの要員の退避も、段階的に始まるでしょう。
ただ、手の打ちようがなくなっても、2号機の原子炉圧力容器本体が、すぐに爆発などを起こすのか、蒸気を激しく噴き上げて濃い放射能を継続してまき散らす程度になるのか、いまのペースでじわじわと周囲を広域に汚染し続けるのか、そこはわかりません。
それと、手が打てなくなるまでに、まだ時間はまだ残されている可能性もあります。
現場の今後の放射能レベルの上がり方次第で。
2号機の格納容器はすでに一部が壊れています。しかし、現在の発生熱量は膨大ですから、外からの注水が停止すれば、少なくとも原子炉は壊れます。爆発的にでなくとも、これまでよりずっと強い放射能が拡散されるおそれがあります。
今日以降、さらに2、3日をみれば、推移がよりいっそう明瞭になると思います。
漏れ出ている量によっても、まだ時間はある可能性もあります。
最終的に立ち寄れなくなる前に、世界中の知見を総動員して、何かよい手だてをと思います。
今後のNHKなどの報道を、注視していただきたいです。
放射能レベルが、この2日、現場の建屋ではぐんぐん上がっています。この進行が指標。
建屋についに人が近づけなくなり、見るべき作業ができなくなってきたときが、お手上げの指標です。
一発逆転の奇跡は、やはりこなかったのかと、感じています。
しかし、まだすべての手が打たれつくしたわけでもないと思います。
いまのままでは、厳しいことだけは確かです。
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28日未明までに、東電は2度の訂正会見をおこないました。
2号機タービン建屋の、大量のたまり水の放射能は、1000ミリシーベルト〜数千ミリシーベルトに、訂正されました。
それなら、お手上げまでちょっと猶予ができたと思います。
原子炉部分のなんらかの破壊はあっても、まだ核燃料そのものの多量の漏出にまでは、すすんでいません。
しかし、建屋が危うい状況になっているのは、確かです。
放射能VS人間の作業の、対峙の状況は続きます。
どこかの段階で自然に落ち着くとは、いかないのでしょうか。
熱的に不安定で、運転停止後も放射性崩壊熱が拡散のエネルギーを生み出し続ける。
それが核燃料です。
tanigawaさん こんばんわ。
「原発はコントロールできている」「チェルノブイリとは違う」など言うメディアがありますが 半信半疑でした。今は作業員の方々の頑張りに賭けるしかないですが
また その行為を応援しようとの声 もちろん応援してますが 反面 そんな危険な終わりが見えない作業に
いつまでも従事させていいのかと思いながら日々を
過ごしてます。質問なんですが
・このまま 良い方向(冷却が順調にいった場合)にな って冷却ができて 廃炉にする場合どんな方法が
あるのか?
・反対に放射能濃度が上がって放棄せざるおえなくなっ た場合は どうなるのか?
なんだか「3人の作業員の被曝」にしても 事前に
東電がその危険を察知していたにも関わらず伝えない
体質 「屋内退避→自主避難」になって どうぞ勝手に逃げてくださいの政府の無策 この時期糾弾してる場合じゃないとの声も聞こえてきますが もっと言いたいです。
原発一基がメルトダウン、連鎖反応ですべて同時、
関東壊滅、
永遠に高濃度の放射能を出し続け関東壊滅を言いたいのか?
この日記でいらぬパニックが起こらなければ良いのだが
その時は日本経済は破綻し、凄まじい事になるだろう。
kidekiさん。
私は事実にもとづいて、これまでも、いまも、書いてきました。
私が指摘してきた予測は、国際標準の当たり前のことばかりです。
残念なことに、それらは1、2日の間をおいて、これまでのところ、事実で裏付けられてきています。
いま起こっていることが、何を意味するのか?
それが今後、何をもたらすのか?
それを避けるために、何がかぎか?
避けられない場合の可能性も考慮して、どういう用意と心構えをするのか?
登山だったら、気象警報や非常用装備の備えなどを通じて、みなさん、当たり前にすすめてきていることです。
パニックは、情報や備えがないもとで、起こります。
自然災害でも、人災でも、要は、同じです。
ところが、事、原発についてのことになると、日本では「大本営発表」に縛られるかたが、あまりにも多いのですね。
これまた、情報が欠けており、また自分で情報を判断できないからでしょう。
私の上記の書き込みは、大きな幅を見た予測をしています。きわめて控えめに書いております。冷却がもしも失敗し、放射能が飛散する場合でも、飛散の仕方は一気の爆発型だけでなく、さまざまな態様が想定されます。その際、長期に及ぶことは確かですが。
日本学術会議の、先日の声明を読まれて、いまの深刻な情報管理の行き過ぎを、いっしょに考えていただきたいです。
「第2に、未曾有の災害に直面して国民が覚える不安感は、直面するリスクに関する正確な情報が、必ずしも的確に伝達されていないことに起因することが少なくありません。たとえ深刻な情報であっても―むしろ深刻な情報であればあるほど―正確に国民に伝えられるべきものです。そうであればこそ、事態の深刻さを冷静に踏まえた適切な行動を求める呼びかけは、人々を動かす力となるものだと思います。放射性物質の漏出問題はその適例であります。」
現場とことの重大さを知る日本中の方々が、現状の防災対策と後手後手の活動を、憂えています。
miccyanさんへ。
>このまま 良い方向(冷却が順調にいった場合)にな って冷却ができて 廃炉にする場合どんな方法が
あるのか?
>反対に放射能濃度が上がって放棄せざるおえなくなっ た場合は どうなるのか?
私は、報道関係の仕事をしていた80年代初めの時期に、福井、福島などで原発下請け労働者の方がたに、お話を伺ったことがありました。
当時は作業中の吸収被ばく線量は、レム、という単位で測られていた時代でした。
彼らは、危険な被ばく環境で、十分な管理体制もとられずに、危うい後始末などをさせられてきました。
親方のもとで、その上に、中請け、元請け、そして関西電力がその上に立つ雇用関係ですから、健康を害しても、切られるだけの位置です。
原子力発電が安全だというのは、こういう人々の存在を初めから除外した議論です。彼らがいて初めて、原発は運転も事故対策も行えている。
その彼らが、危ういと思うのは、胸のポケット線量計が鳴りだすとき。しばしば無理な作業を強いられることはありますが、やはり被ばく線量管理は、原発の作業現場の基本中の基本です。
実は今回の事故の今後をめぐって、アメリカの原子力規制委員長が、まさに同じ人間と放射能の対峙を基準にして今後の鍵を見たてていたので、さすがに現場を知る見方は違うと思ったわけでした。
その目で見ると、電源復旧の先の建屋内の作業を、放射能との関係で見ない議論は、現実離れしすぎです。
作業をする側の人間の、その目から見て、いまの福島の事故の成否も、やはり結局は、現場の人間と放射線との対峙の条件で決まってきます。
人間の作業が難しくなる段階に、放射能が強まれば、基本的には勝負あり。これは、いろはの、い、です。
ましてそこが、冷却水の循環の中心舞台になるタービン建屋だったら、なおさらです。
おそらく1カ月先でも、2号機は難しいでしょう。
その点で、ご質問の2つめは、日々、その段階にちかづいており、遠隔操作で何ができるのかを、すでに立場のある方は、考えておられると思います。
熱を除きつづけながら封じ込める。
そんな名案があるのか、と思います。
1つめの質問。
わずかな可能性を生かすことができて、冷却水の循環ができるようなれば、全体をさらに外郭から封ずるための、原子炉建屋などの再構築、封じ込め対策がとられ、3年後ぐらいには、内部の核燃料の処理策が始まると思います。被覆が壊れていますから、通常の使用済みの処理とは比較にならないくらいの困難さがあります。
圧力容器が残っているものは、それごと封かん、冷却保存になるケースも考えられます。
費用も膨大になるでしょう。
tanigawaさん こんばんは。ここで言うべきかどうか、今の風潮で原子炉で命懸けで
復旧作業にあたってるのだから 国や電力会社の発表を受け入れるべき まるで 第二次大戦の大本営発表を信じ 異議を鋏め
ない空気のもと破滅へのみちをたどったところとおなじ空気を感じてます。
miccyanさんへ
ただいま、東京電力が、「問題の測定値は核種の半減期からの計算ミスでした。しかし、1000ミリシーベルト(時間当たり)を大きく上回る」と訂正会見をしました。
即座に測定者が退避したことは、否定されていません。
私の情報は、このようなことがあっても、少しも揺るぎません。放射能と生身の人間との対峙は続きます。
こういう災害のときは、考えや主義をさておいて、みんなで力をあわせなければなりません。
そのことを、事実の認識や専門家の総結集という点で阻むのが、いまの情報管理の在り方と思います。
いろいろなご意見があっても、力をあわせてともに考える態度で、話し合い、備えあっていきたいと思います。
tanigawaこんばんは
私も原発問題の先行きを懸念しており、東電・政府・メディア発表の情報の信憑性については疑問を持っていますが、いくつか、日記にお書きになられている推論について、考えを書かせてください。
まず、空間線量が1Svを超えたという報道は建屋の地下に溜まった水面近くからです。
これは、恐らく何日も前から発生していた事態で、最近になって特に悪化した状況では無いと考えています。
もちろん計測器が1Sv/hまでしか計測出来なかった為、実際は何Sv/hなのかは分かりません。5Sv/hかもしれないし、もしかしたら10Sv/hかもしれません。
環境中に漏れ出した放射性物質の濃度が一番濃かったと推察される時期は2011/3/15の午前9時〜10時頃で、3号機号周辺で10時に400mSv/h(ニュースから)、その1時間前の午前9時に約1km離れた正門前で、11.93mSv/h(同10時15分は8.837mSv/h)
それ以降、敷地境界付近では、徐々に下がり、直近では0.13mSv/h付近で安定してます。
http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/stat/data/fukushima1.csv
もちろん、建屋の地下にたまった水付近で報道された強烈な放射線量は安全な線量ではなく、最も楽観的に1Sv/hと見ても5時間浴び続ければ、生存は不可能と言われるレベルです。
この事は、建屋地下での作業が事実上不可能な事態を現している事には変わりませんが、原発敷地境界付近で観測されている放射線量の推移から判断すると、外部に放出されている放射線量が増えている訳では無いと思います。
恐らく、これまで建屋に入って放射線を計測しておらず、ECCS復旧作業の為にやむを得ず建屋に入り計測した結果、想像以上の(衝撃的な)放射線量だった事が分かりそれが報道に乗ったため、事態が悪化しているという印象を受ける人が多く出てきたのだと思います。
もちろん、原発の状況は予断を許せる状況では無く、今後も放射性物質の拡散は続くでしょう。(恐らく1ヶ月〜数ヶ月間は放出が続き、土壌・食物・水の汚染は続くと思います)
また、私は原子炉の痛み具合(水の循環系の熱や地震の振動による破損)から、引き続き冷却の必要な一部または全ての原子炉のECCSの復旧は不可能だと思っています。
それでも、敷地境界線付近の放射線量の変化から、原子炉から漏れている放射性物質の量は増えておらず、引き続きこれまでの方法でベント作業(ドライベントやウェットベント)は可能なのでは無いかと考えています。
つまり、事態は長期化し、引き続き放射性物質を撒き散らすが、放射線量の増加によって作業員がこれまで以上に近づけなくなり、放水作業もベント作業も出来ない、全く手がつけられない状態になり、これまでの状態とは異なる、重篤な放射性物質の放出は無いのでは無いかと思っています。
また、放射線被曝について「ただちに健康に被害は無い」について、も書かれていましたが、今、私が知っている「いつか健康に被害が出る」一番、低い値は、100mSvの被曝で将来何らかのガンになる確率が0.5%上昇するという統計です。
http://twitter.com/#!/team_nakagawa/status/47940468209750016
DNAには修復機能があるので、累積10年で100mSVの被曝をしても、恐らく0.5%にはならないでしょう。
どれくらいの期間内に100mSvの被曝をすると統計上健康に被害が確認出来るレベルになるのかは、残念ながらまだ参考情報を知りませんので、上記DNA修復機能の話は私の推測です。
http://twitter.com/#!/team_nakagawa/status/47954896305143808
内部被曝の場合も、BqをSvに換算し、リスクを計算すれば良いと思います。
もちろん、I-131は甲状腺に集まりやすく、甲状腺はダメージを受けやすいため単純計算は出来ませんが、Bqと被曝線量の計算については多くの識者から情報が出されていると思います。
他の、被曝量と、健康リスクの関連は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)物理学科のBen Monreal教授が公開し、日本の物理学者や研究者が翻訳した以下のドキュメントの14ページに、1Sv(先の100mSvで0.5%の量の10倍)の被曝時の発ガンリスクについての情報が掲載されています。
http://ribf.riken.jp/~koji/monreal.pdf
こちらによると、1Svの被曝で以下のガンのリスク上昇があるそうです。
白血病 0.03%
乳がん 0.07%
甲状腺癌 0.016%
肺がん 0.04%
胃がん 0.05%
結腸がん 0.02%
こちらは合計すると、0.26%にしかならないため、先の100mSvで0.5%より低く、統計に矛盾があるように思いますが、他のガンが入っていない為なのか、統計の取り方や、サンプルが異なるのかは不明です。
どちらにしても、「ただちじゃない健康被害」の危険の閾値は100mSvの短期間の累積被曝あたりを基準に考えておいた方が良さそうだと考えています。
放射線被曝については、今国民の大きな関心事になっているので、今後さらに何mSvで具体的にどんな被害が発生する統計が取れているか?の情報が公開されて行くと思いますので引き続き、情報集収を行って行くのが良いでしょう。
因みに私は、福島原発で発生する最悪の事態を「格納容器の爆発」(圧力調整失敗)と、使用済み核燃料溶融による連続火災だと思っています。
格納容器の爆発については、コアキャッチャが核燃料を吸着するので、チェルノブイリ程の深刻な放射性物質拡散は発生しないと考えています。(チェルノブイリは、臨界状態のままの核燃料と黒鉛が燃え続け、高温のままの超高レベル放射性物質が成層圏までまき上げられた。当然中性子線も直接外部に放射された)
どちらにしても、格納容器の爆発と使用済み核燃料の火災が発生した場合は今よりずっと多くの放射性物質が撒き散らされる可能性があるので、風向きによっては東京にも割と高いレベルの放射性物質が降り注ぐと考えています。(それでも健康被害が出るか出ないかはわからない)
その場合は、すぐに風呂に水を張りありったけの容器に水を詰め、3週間目張りして家に籠城後、東京を脱出する予定です。
その時は、東京脱出はパニックになっていて、交通機関の利用は不可能なはずなので、マスクとビニールカッパを着用して、自転車で西方面に脱出し、自転車が使用不能になった時点で徒歩で関西方面まで移動予定です。
こちらの準備で、既に1週間分の食料・ガス・クッカーとテント・シュラフ着替え等はパッキングしてあります。(1週間移動すれば、自転車+徒歩で300kmは移動可能と計算し、放射性物質濃度の相当低い地点に移動出来ると考えているため)
追記
追記ですが、少し前に、原発の作業員の被曝限度量が250mSvに引き上げられましたが、これは将来健康に被害が出る値と考えられます。先の100mSvで0.5%が事実だとすると、もっと悪い結果になるでしょう。
恐らく、作業員はこの事故が終息した後も、将来に渡ってガンや白血病のリスクに怯えながら、生きていく事になり、一部の人は発病しなくて済んだはずの遺伝子損傷に起因する病気になり、本来生きたはずの年齢よりも早く死亡するでしょう。
まさに、命がけの作業ですね。むしろ何年か分の寿命と、将来発病して失うQOL(生活の質)を差し出して作業をしてくれていると思います。
仮に、今回の作業で「ただちに健康に影響」が出なかったとしても、我々国民の為に実際に彼らを殺しているという事です。
事態が終息したら、作業員および家族に生涯にわたって手厚い補償を行うべきだと思います。
deep--blue さん、以下に10時すぎに追加しました。
>空間線量が1Svを超えたという報道は建屋の地下に溜まった水面近くからです。
これは、恐らく何日も前から発生していた事態で、最近になって特に悪化した状況では無いと考えています。
もちろん計測器が1Sv/hまでしか計測出来なかった為、実際は何Sv/hなのかは分かりません。5Sv/hかもしれないし、もしかしたら10Sv/hかもしれません。
1)私が現時点で問題にしているのは、冷却機器が集中し、そこで人間が修理・復旧をすすめるタービン建屋です。主要装置は、水たまりがある地下にあります。
そこで作業できないレベルの放射能が検知されました。
ここの汚染は、危機回避の作業の全局にかかわっています。ここで人間が作業をできる環境がつくられねば、安定冷却への道は開けません。
2)私が次の段階で問題になるとしているのが、今度は原子炉建屋、タービン建屋内そのものが、全面的に人が立ち入れなくなる。
3)ついで建屋に近寄れなくなる、放射能レベルの上昇です。
あなたが上げているのは、建屋付近の戸外のデータであって、問題がエスカレーションした場合の、3)の場合の指標になる場所です。
このデータはいまのところ強く心配するデータは示していません。
しかし、東電が昨日昼前に発表したデータでは、原子炉とその配管系統からの、核分裂生成物の大量の漏出を示唆するものでした。
最初に発表されたデータのままなら、世界中の原子力関係者が、危機を感じたはずです。現に日本では各方面が大騒ぎになりました。
昨日に発表されたデータについては、私も計測ミスであってほしいと、当初から書き込んでいますが、9時前に訂正されて、3ケタ下がりました。
それが1000ミリシーベルトのオーダーに訂正されたことで、外部への漏出レベルの上昇には、猶予が生まれました。
2)の段階への移行は、すでに原子炉建屋もタービン建屋も、活動範囲はあやうくなっています。
3)の段階への移行は、大量漏出が不明確になったため、予測の範囲です。圧力容器や格納容器の破壊がすすむなどの問題が起これば、そこへすすみます。また、燃料棒プールでの問題が拡大しても、3)の前段階にすすむ可能性はあります。拡散は現場では押さえ込まれておらず、真水に切り替えられたために、放射能を減じる作用もある放水量・注入量についても、注目しておきたいと思います。
発表の訂正で、若干の猶予が与えられたというべきと、思います。
いずれにしても、現在の放射能の拡散の長期化は数カ月単位で避けられません。
2つめの被ばく線量と人体への影響ですが、大人と乳幼児では、結果はまったくといっていいほど、異なります。それを見ない議論は、標準的でなものではありません。乳幼児では非常に顕著にあらわれます。
また、年間制限の数倍、数十倍を被ばくした場合の長期的な影響については、まだ未解明です。
影響はない、というのは、根拠がありません。
>今、私が知っている「いつか健康に被害が出る」一番、低い値は、100mSvの被曝で将来何らかのガンになる確率が0.5%上昇するという統計です。
これは影響はもっと大きいというご意見もあるかもしれませんが、いまのところ、もっとも基本的なデータの一つです。
現実に置き換えて考えると、100万人が比較的短期間に100ミリシーベルトを被爆すると、5000人の癌患者が新たに生まれることになります。(子どもではこの割合ははるかに高くなる。)
もっと浴びた場合は、浴びた線量に対して増加分が少ない場合はそれに比例して、影響を受ける割合は増大します。桁が違うほどの被曝だと、指数関数的といっていいくらいに、上がるという見方もあります。
100万人が100ミリシーベルトかそれ以上の被曝を受けるというのは、条件では約10マイクロシーベルトの環境の屋外に、1年間いることに相当します。すでに福島県では40キロ圏で、この値を前後する状況になっています。100〜数十マイクロシーベルトが恒常化するという地域も出ている。
私は、すでにお子さんがそこにい続けるのは、本来きびしいと見ています。
関東圏が、その値の被曝にさらされるのは、圧力容器、格納容器が壊れた場合です。
たとえば、今回の事故についてのアメリカ原子力規制委員会の最悪シナリオの場合、80キロ圏で約100ミリシーベルトの被曝を受けるとされ、これをもとにアメリカ人の避難が勧告されました。(データは日本学術会議の緊急集会で公表。3月18日)
甲状腺線量は、480ミリシーベルトです。
東京の200キロ圏でも、数十ミリシーベルトとなります。
途方もない被害となるし、その10分の1でも、水を絶たれた東京には住めません。
より弱い値で長期に被ばくするケースは、まだ先進国でトレースできるようなデータそのものが、生みだされていません。上の件の疫学調査を含めて、福島が最初の機会となるかもしれません。
抑え込みに成功してほしいと思うのは、こうした現実があるからです。
追加ですが、私は、上に示した原子力規制委員会の予測が、悪い方に的中しても、逃げません。
まず私の仕事は、この場でとどまってやりとげることを、ますます迫られます。
そして、おそらくですが、その最悪ケースでも、東京で健康に影響を受ける人は、子どもに集中し、大人では一定の比率にしかなりません。
私は56歳。
いつでもやるべきことを、やりつづけてきました。
「被曝の宝くじ」で当たりを引いても、それまでのことです。
それよりか、多くのお子さんにその被害が広がらないように、ここでできる限りのことをしたいと思います。被災する北関東、東北との連携もあります。
医療を担っているカミさんも、持ち場を離れるつもりはありません。だからなおさら、動きません。
放射能は、大人の場合、程度次第ですが、戦争の空襲の被害のような、面的な殺戮とは違います。見えないし、すぐには現れない。
東京ならば屋内退避や、服装、マスクなど、様ざまな対応で被曝は何分の1かにとどめられます。私が当初お知らせしていた、現場の風向きも、このごろはNHKも状況に応じて流すようになりました。
福島の事故は、かなりの持久戦になります。
水の用意は賛成です。PETボトル入りの購入は、乳幼児のおられる家庭に必要です。
次の降雨が来る前に、水道水を密閉容器に汲んでおけば、2週間で放射性ヨウ素は4分の1以下になります。
風呂水(一度加熱した水)や、密閉しない容器では、塩素が抜けて日持ちがしません。
今度は東京は、水道の浄水場では雨の日には、川から取水するのを止めるそうです。
28日夕、また信じがたい情報。
今度は建屋から海岸方向に75m延びた大きなトレンチ(内径4m×3m)に、いっぱいいっぱいに、1000ミリシーベルトの汚水がたまり、海へ流れ出しそうとのこと。
3号機だけでなく、1、2号機のトレンチにも汚水がたまっている。
いまのところ、核種の分析から、原子炉内の冷却水が漏れてきたと見られる。
これからは、冷却水をそそぐ程度を加減する。
「朝日」は、圧力容器が、3機とも損傷があるとしています。
これで、真水作戦は、水漏れを気にしながらの作業になりました。
いろいろ起こっていますが、私の基準は変わりません。
こんどは、どこまで、人間の作業が困難になってくるのか、こないのか、です。
建屋の外にも、問題は広がり出しました。
もう現場でできる作業量を、はるかに超える難題がつぎつぎと起こっているのではないでしょうか。
作業にあたっている方々は、1日2食、非常食のような食事で、雑魚寝だそうです。
原子炉が、どこで、どのくらい壊れているのかが心配です。それによっては、安定した冷却運転がいよいよ難しくなるからです。
水を循環できなくなっているほどの事が起こっていないことを祈るしかありません。
それにしても記者会見の発表の、なんと、実感から外れた内容でしょう。
tanigawaさん
お返事ありがとうございます。
先の、2つの投稿については、何点か情報があるので、調べた上でまた書きます。(少し時間がかかりますので遅くなってしまうと思います)
最後の、本日夕刻に入って来たニュースについて、先にコメントさせてください。
最後のニュースは別に驚くべき内容ではありません。
海から高濃度の放射性物質が検出されたという事実、海水の注入を行っているのに、燃料棒が何度も露出しているというニュースを鑑みれば、当然の結果と言えると思います。
私も、2週間前から注入した水は放射性物質を含み、そのままどこかに漏れているものと思っていました。
放射性物質の濃度が、原子炉内の循環水より高濃度なのも、燃料の溶融・破損と、注入水の蒸発による濃縮効果を考えれば納得出来る内容です。
個人的には、東電・保安院はその事実を認識しながら海に流れて行くのを黙殺していたのだと思っています。
溜まった水は、どこかに排出しながら注水作業をするしか無いでしょうね。
循環系に戻すと言っているようですが、漏れている状態で戻しても余計濃縮してそれが漏れるだけだと思います。
それも、圧力の調整と冷却のバランスを見ながらの難しい作業になると思いますが、最悪、海に垂れ流しながらの注水になるでしょう。
その場合、海の汚染については、ある程度は仕方がない事だと思います。
近い距離での漁業は不可能になるでしょうが、海は空気に比べ質量が莫大に大きいので、放射線濃度はすぐに薄まると考えています。
今後は、燃料棒の溶融が進まない程度に水を注入しながら、その排水を海に垂れ流すような形で数ヶ月その作業を行う事になるのでは無いかなと思います。
海洋生物への影響は今後、科学者が計算する事になるでしょう。(世界的に批判は浴びることになると思いますが)
追記
タービン建屋のたまり水についてですが、
http://www.asahi.com/national/gallery_e/view_photo.html?national-pg/0328/TKY201103270268.jpg
上記断面図が正しいとすると、たまり水はどこから漏れてどうやって建屋底部に溜まったんでしょうね?
水の循環系が、復水器→原子炉のみで、図の上では蒸気のみをタービン建屋に戻す事になっているようですが、図以外にも水の循環系があるんでしょうかね。
または、格納容器破損によりサプレッションチェンバー上あたりまで建屋内部が水浸しになっていて、破損した建屋のコンクリの隙間部分を通して、水が漏出して同一水面な状態になっているんでしょうか。
東電や担当者が、注水量・予測蒸発水量・圧力容器内水量の差し引き計算をしているのか、していないのか、謎です。
もし、計算しているのであれば、注水水量中、何tの水が漏出しているのか予測が付きますね。
deep--blue さんへ。
すみませんが、私は自分で確認できたり、また濃厚な可能性で今後の予測をできること以外は、記述するのはなかなか難しいです。
放水、注入水がいずれ海を汚染することは、すでに8日前に書いています。
いまは、現場が作業員の工面が次第にむずかしくなって、また同時並行の事故対応が、構内のより大規模なエリアに拡大して、かなり混乱していると思います。データ計測ミスが9時間も訂正されなかったこと、またその間に現場に与えた強烈な数値の衝撃が、尾を引いていると思います。
「1000ミリシーベルト以上」の、「以上」という値を明確にすることは、あらゆる作業の大前提なのですが、それもこの36時間、なされていません。
つまり、相手(いまのミッション)がとてつもなく大きすぎて、その機器もなく、タンクもなく、作業がまったく止まっているというのが現状です。
事態は現場でも部分的にしかつかめていないでしょう。
しかし、大きな飛散にすすむ前に、まだ神様は人間にこんなに時間を与え続けています。
その時間をいまはまだ生かせていない。
昨日からいよいよアメリカの原子力規制委員長が日本に乗り込んで、特別チームを仕切るようです。
報道もいっせいに緊迫しています。作業する人間と放射能とのたたかいが、いよいよ焦点になってきました。
しかし相手は膨大です。
私なら、大型ポンプ、発電機、ホース、そして汚染水をためる小型タンカーなどを、すぐに現場に送ります。
現場はいつも、最悪を想定して、二重、三重のミッションを併行して用意すべきなのですが、この間、延々と、「戦力の逐次投入」(ガダルカナル方式)で、順番に、次の用意なく、カードを切っています。
さきほど、次の提案を政府対策本部に上げました。
だめもと、です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いま一番、大事な復旧現場はタービン建屋ですが、高い放射能のたまり水が、その現場と、トレンチを埋めています。
総量は今ある分だけでも数千トンになります。この水を出さねば、安定した冷却体制にすすむ作業ができません。
また、建屋外に冷却体制を臨時に構築することが可能な場合でも、汚水は除かないと、海や現場の汚染が広がります。
いま政府が言っている「土留め」の柵では、あふれた汚水が周辺の放射能レベルを上げて、建屋周辺の作業条件をさらに狭めてしまいます。
中型、小型のタンカーを使って、これらの汚水を船のタンクに収容しつつ、除染や冷却水注入作業をするのはどうでしょうか。
タンカーならば、揮発油もとじ込める密閉性があります。六ヶ所村処理施設へ移送できますし、何よりも大きな容量を積めます。鋼鉄製で強度もあります。積載後は、曳航。
現場の港湾施設は、中規模の船ならば横付けできる条件があると思います。キャスクも積み出ししていますので。
ホース、ポンプ、発電機も必要ですが、タンカーのポンプ側からもある程度、吸い込みや吐き出しの機能はあると思います。
週刊 情報 2 のコメントに、
野菜の測定値は洗ったものだった
を追加しました。
野菜には表面に放射性物質が付いており、洗えば落ちる、とテレビなどで伝えられ、実験結果までNHKで放送していました。
でも、各地の測定データを出すときは、洗わないと測定できないため、洗うように厚生労働省が求めているんだそうです。
もちろん、洗えば落ちます。
しかし、発表された基準値超えのデータは、すでに洗ったもの。やはり、基準厳守で、しっかり洗って食べないといけないことになります。
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-18462
昨日(29日)、朝8時すぎに「タンカー派遣」のことを書き、昼に実際に官邸宛にメールしました。
すると、今朝30日の報道では、対策本部は一昨日の晩から、タンカーの手を検討していたんだそうです。
急派してください。
土留めは、事態を悪化させます。
建屋を布状のものでおおって、放射能の飛散を防ぐ手も考えているとの事。硝子繊維でしょうか。
大型テントのようなものですね。
逐次投入でなく、次のより本格的な手を講じながら、今日一日を生かしてほしいです。
tanigawaさん、遅くなりましたが、最初に2つ投稿された分のお返事です。(長いですが)
>deep--blue さん、以下に10時すぎに追加しました。
>>空間線量が1Svを超えたという報道は建屋の地下に溜まった水面近くからです。
これは、恐らく何日も前から発生していた事態で、最近になって特に悪化した状況では無いと考えています。
もちろん計測器が1Sv/hまでしか計測出来なかった為、実際は何Sv/hなのかは分かりません。5Sv/hかもしれないし、もしかしたら10Sv/hかもしれません。
>1)私が現時点で問題にしているのは、冷却機器が集中し、そこで人間が修理・復旧をすすめるタービン建屋です。主要装置は、水たまりがある地下にあります。
> そこで作業できないレベルの放射能が検知されました。
> ここの汚染は、危機回避の作業の全局にかかわっています。ここで人間が作業をできる環境がつくられねば、安定冷却への道は開けません。
>2)私が次の段階で問題になるとしているのが、今度は原子炉建屋、タービン建屋内そのものが、全面的に人が立ち入れなくなる。
>3)ついで建屋に近寄れなくなる、放射能レベルの上昇です。
> あなたが上げているのは、建屋付近の戸外のデータであって、問題がエスカレーションした場合の、3)の場合の指標になる場所です。
> このデータはいまのところ強く心配するデータは示していません。
> しかし、東電が昨日昼前に発表したデータでは、原子炉とその配管系統からの、核分裂生成物の大量の漏出を示唆するものでした。
> 最初に発表されたデータのままなら、世界中の原子力関係者が、危機を感じたはずです。現に日本では各方面が大騒ぎになりました。
> 昨日に発表されたデータについては、私も計測ミスであってほしいと、当初から書き込んでいますが、9時前に訂正されて、3ケタ下がりました。
> それが1000ミリシーベルトのオーダーに訂正されたことで、外部への漏出レベルの上昇には、猶予が生まれました。
> 2)の段階への移行は、すでに原子炉建屋もタービン建屋も、活動範囲はあやうくなっています。
> 3)の段階への移行は、大量漏出が不明確になったため、予測の範囲です。圧力容器や格納容器の破壊がすすむなどの問題が起これば、そこへすすみます。また、燃料棒プールでの問題が拡大しても、3)の前段階にすすむ可能性はあります。拡散は現場では押さえ込まれておらず、真水に切り替えられたために、放射能を減じる作用もある放水量・注入量についても、注目しておきたいと思います。
> 発表の訂正で、若干の猶予が与えられたというべきと、思います。
> いずれにしても、現在の放射能の拡散の長期化は数カ月単位で避けられません。
<現状認識ついて>
tanigawaさんの見解は、徐々に汚染範囲が広がり、復旧対象設備に段々近づけなくなるのでは無いか?という事だと思います。
→事態は深刻化して、もっと危険な状況になる。
私の見解は、「復旧対象施設に近づいて行ったら、実は想定以上に汚染されていて、復旧作業が出来ない、かつ、汚染範囲は広がらないであろう。」です。
→事態は既に深刻だが、深刻であるという事が判明しただけで、これ以上は危険な状況にならない。
<今後の見通しについて:冷却編>
今後も、水を注入して、原子炉から漏れて来る汚水をなんとかしながら、気の長い作業を続けて行くしか無いと思っています。
もし、tanigawaさんの案のタンカーに汚水を処分するなら、25万トンクラスのタンカーを使うと、1500トンの排水を170回分という事になりますね。半年に一隻くらいの計算でしょうか。
(福島原発沖に何トンまでのタンカーが入れるのかにもよりますが)
その後、その膨大な放射性物質を含んだ排水をどうやって、処理するのか?という問題が残りますね。
だから、それに触れずに海に垂れ流したんだと思います。もし、汚水の事に触れると、世論が海への流出を許さなくなり、緊急性の高い冷却に手が回らなくなりますからね。
ECCSが復旧すればかなり幸運でしょうが、原子炉から水がダダ漏れしている状況では、修復は不可能だと思っています。
→汚水の処理については、フランスの支援が得られる可能性がありそうですね。
・原発汚染水除去を支援 仏核燃料会社トップ訪日へ
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033001000014.html
→因みに、1号機建屋のたまり水ですが、原子炉から水が漏れているのであれば、また漏れて、いくら作業を行っても減らないと思っていましたが、減りましたね。。
また、漏れて元に戻らなければいいですが。
・保安院、1号機建屋のたまり水「40センチから20センチに」 2011/3/30 11:19
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381949EE1E2E2E4E08DE1E2E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;at=DGXZZO0195579008122009000000
<今後の見通しについて:放射性物質編>
放射性物質は、I131は減り続けるので現状より少しずつ改善しながら、引き続き撒き散らされ続けると思います。
後は土壌中に蓄積されるCs137の除去に膨大な費用がかかるでしょうね。
→冷却に年単位というニュースが出ていましたね。これは大前研一氏が指摘していた通りになりそうです。
・汚染水回収へ全力 福島第1原発、安全委「炉冷却に年単位」
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011033090020221.html
<被曝線量について>
> 2つめの被ばく線量と人体への影響ですが、大人と乳幼児では、結果はまったくといっていいほど、異なります。それを見ない議論は、標準的でなものではありません。乳幼児では非常に顕著にあらわれます。
乳児と成人の放射性物質摂取による内部被曝の被曝線量の評価については、以下の資料で今の所具体的に計算方法が提示されています。
「東大病院放射線治療チーム【「放射能(Bq:ベクレル)」から「被ばく量(Sv:シーベルト)」への変換について】」
http://www.u-tokyo-rad.jp/data/bqsvhenkan2.pdf
乳児と大人では、リスク係数が大体10倍ほど違うようです。
外部被曝についての、乳児と大人のリスク係数については、まだ参考情報を見つけていません。
> また、年間制限の数倍、数十倍を被ばくした場合の長期的な影響については、まだ未解明です。
> 影響はない、というのは、根拠がありません。
こちらについては、現在出ている統計情報しかありませんが、今まで見た統計情報では、統計上上昇は見られないという研究結果しかありません。
もちろん、リスクが0では無いでしょう。放射線は高いよりは低い方がDNAの損傷確率が下がります。
重要なのは、「影響がある」「影響がない」ではなく、値がどの程度で何が起こっているのか?という科学的な数値を提示し、リスクを各自が判断する事です。
「影響がない」「安全である」については、誰も責任を取りません。だから、科学的・客観的なデータが必要で、政府・研究機関・メディアはそれを正確に開示する必要があると思っています。
>>今、私が知っている「いつか健康に被害が出る」一番、低い値は、100mSvの被曝で将来何らかのガンになる確率が0.5%上昇するという統計です。
> これは影響はもっと大きいというご意見もあるかもしれませんが、いまのところ、もっとも基本的なデータの一つです。
> 現実に置き換えて考えると、100万人が比較的短期間に100ミリシーベルトを被爆すると、5000人の癌患者が新たに生まれることになります。(子どもではこの割合ははるかに高くなる。)
> もっと浴びた場合は、浴びた線量に対して増加分が少ない場合はそれに比例して、影響を受ける割合は増大します。桁が違うほどの被曝だと、指数関数的といっていいくらいに、上がるという見方もあります。
> 100万人が100ミリシーベルトかそれ以上の被曝を受けるというのは、条件では約10マイクロシーベルトの環境の屋外に、1年間いることに相当します。すでに福島県では40キロ圏で、この値を前後する状況になっています。100〜数十マイクロシーベルトが恒常化するという地域も出ている。
> 私は、すでにお子さんがそこにい続けるのは、本来きびしいと見ています。
100mSvの累積被曝は、短時間で被曝した数値と思っています。
1年かけて、被曝した場合のリスク係数は低いと考えられますが、累積被曝期間に対するリスク係数の変化量の統計がどこかにあるのであれば、出して欲しいですね。(政府やメディアなどの仕事)
被曝線量とガンのリスク係数の増加関係、被曝の累積速度とガンのリスク係数の増加関係、内部被曝と被曝線量との関係(こちらは出ている)、これらの統計データを世界中の研究機関から集め開示する必要があると考えています。
それらと、各地の放射線量の変化、飲食物と空気の放射線量を総合して初めて、何処にどれくらい居て、何をどれくらい食べて飲んで暮らしていたら、何がどれくらいの確率で発生するのか?の判断が出来るようになると思います。
> 関東圏が、その値の被曝にさらされるのは、圧力容器、格納容器が壊れた場合です。
> たとえば、今回の事故についてのアメリカ原子力規制委員会の最悪シナリオの場合、80キロ圏で約100ミリシーベルトの被曝を受けるとされ、これをもとにアメリカ人の避難が勧告されました。(データは日本学術会議の緊急集会で公表。3月18日)
> 甲状腺線量は、480ミリシーベルトです。
福島の放射線量の分布は、同心円状ではありません。
文科省が公開を渋っていたSPEEDIによると、特に原発の北西方向に強い放射線量の分布予想がされていて、米軍の実測結果もSPEEDIの予測にかなり近い分布になっています。
http://plixi.com/p/86877081
これを見ると一部の地域(北西)の避難区域の設定の見積が甘い事がわかります。
> 東京の200キロ圏でも、数十ミリシーベルトとなります。
> 途方もない被害となるし、その10分の1でも、水を絶たれた東京には住めません。
> より弱い値で長期に被ばくするケースは、まだ先進国でトレースできるようなデータそのものが、生みだされていません。上の件の疫学調査を含めて、福島が最初の機会となるかもしれません。
> 抑え込みに成功してほしいと思うのは、こうした現実があるからです。
正直、今回の原発の放射線の影響が実際にわかるのは何十年も後になると思います。
チェルノブイリでの統計はあるようですが、事故発生当時が社会主義国だった事もあって、どこまで信憑性のあるデータかはわかりません。
(因みに、その信憑性の無いチェルノブイリで統計上有意な被害が確認されたのは小児の甲状腺癌だけだったようです。つまりCs137の影響は確認されなかった)
福島の場合、短期的には、小児の甲状腺癌の発症率で、統計が取られるでしょうが、それ以外の部分は、がんのリスクファクターが多すぎて、統計上の影響が判明するのに時間がかかると思います。
喫煙率の減少や、ピロリ菌やHPVの駆除、化学物質の規制強化によるガン発生率の低下などと相殺されて、リスクが上昇したのかどうかも解からなくなるかもしれませんね。
>追加ですが、私は、上に示した原子力規制委員会の予測が、悪い方に的中しても、逃げません。
> まず私の仕事は、この場でとどまってやりとげることを、ますます迫られます。
> そして、おそらくですが、その最悪ケースでも、東京で健康に影響を受ける人は、子どもに集中し、大人では一定の比率にしかなりません。
> 私は56歳。
> いつでもやるべきことを、やりつづけてきました。
> 「被曝の宝くじ」で当たりを引いても、それまでのことです。
私は40ですが、妻がいて子供はこれからなので「逃げる」事についてはご理解ください ^^;
> それよりか、多くのお子さんにその被害が広がらないように、ここでできる限りのことをしたいと思います。被災する北関東、東北との連携もあります。
> 医療を担っているカミさんも、持ち場を離れるつもりはありません。だからなおさら、動きません。
> 放射能は、大人の場合、程度次第ですが、戦争の空襲の被害のような、面的な殺戮とは違います。見えないし、すぐには現れない。
> 東京ならば屋内退避や、服装、マスクなど、様ざまな対応で被曝は何分の1かにとどめられます。私が当初お知らせしていた、現場の風向きも、このごろはNHKも状況に応じて流すようになりました。
> 福島の事故は、かなりの持久戦になります。
こちらは、事故発生当初から、情報収集を行い、放射性物質についての情報が殆ど無かったので、濡れマスク着用、入室前のチリ落としなどの対応をしていました。
今は、問題無いレベルだという判断で、あまりやっていませんが。
正直、こういう情報を、一市民が独自に集め、先手を打って対策を取らざるをえない状況に非常にストレスを感じています。
放射性物質拡散の情報は、日頃登山前に調べる風向き情報と、ドイツの拡散予測のデータを参考にしていました。
http://weather-gpv.info/
http://www.spiegel.de/panorama/bild-751072-192707.html
> 水の用意は賛成です。PETボトル入りの購入は、乳幼児のおられる家庭に必要です。
> 次の降雨が来る前に、水道水を密閉容器に汲んでおけば、2週間で放射性ヨウ素は4分の1以下になります。
> 風呂水(一度加熱した水)や、密閉しない容器では、塩素が抜けて日持ちがしません。
水の確保は、深刻な放射性物質放出のニュースが出てから、すぐにするつもりです。時間差で水が汚染されるのは明白なので。
風呂水は、長持ちするよう、最低温度で注水しています。
> 今度は東京は、水道の浄水場では雨の日には、川から取水するのを止めるそうです。
これは、いい判断ですね。
野菜に付着した放射性物質に関して
野菜に付着したI131などの放射性物質は、洗えば減少はしますが、結構残るそうなので、洗ったほうがいいですが、洗えば安心という物でも無いようです。
これは、TBSの番組内で実際に今回の事故で汚染された規制値以上のほうれん草を入手して、実験を行っていました。
洗わない>洗う>お湯で洗う>茹でる
の順に残留放射性物質の量が減っていくそうです。
それでも、規制値を大幅に超えたホウレン草が、規制値以下にはなりませんでした。
deep--blueさんへ。
今後の見通しは、まだかなり幅があります。いずれ見通せる段階がくるでしょうが、楽観論をいう段階ではまだないと思います。
アメリカの原子力規制委員会が同心円上の被ばくの予測をしているのは、日本のシミュレーションのように、風速、地形などのデータを取り入れていないからです。つまり2つのシミュレーションは性格が異なります。
ただそのために、逆に、同心円は平均的な被害予測が見てとれるものとなっていて、遠距離についても応用が効きます。
>→冷却に年単位というニュースが出ていましたね。これは大前研一氏が指摘していた通りになりそうです。
これは誰がというよりも、臨界停止後の原子炉のごく基本的なデータです。
建屋内のプールに入れて水冷する時間をいれて、全体で冷却には3年あまりかかります。
今回のように事故を起こした原発では、核燃料部分を動かすことができるまでには、5年かかるというのが、私がお聞きしている専門家の見立てです。
現地は長く、この破砕された「死の灰」とお付き合いすることを強いられます。
お子さんがおられると、確かに最悪の場合は、悩みますね。そういう事態にならないように、現在のとりくみで良い方にすすむことを願っています。
野菜の件は、放射能が落ちるというのは当然のことですが、問題は、「だから、基準以下と測定されたものは、大丈夫」という単純なことでなくなってくることです。
洗う前に400ベクレル
洗った後、測定して240ベクレル
これでも出荷できてしまう。
ところが消費者は、NHKの説明を聞いていると、
洗う前に240ベクレル、
家で洗えば、4割落ちて、144ベクレル、
だから、基準よりずっと少ない放射能を口に入れている、
と誤解してしまうということです。
実際は、洗って144ベクレルになるのではなく、240ベクレルにしかならない。買ったものは、実は洗う前の400ベクレルのものだということです。
これはミスリードです。
基準は、洗ったあとの測定値にたいして、のものですから。
別件ですが、それにしても、また「戦力の逐次投入」です。
一号機の復水器が4日以上かけていっぱいになってしまたので、次の移し場所をこれから考えるというのですから。
初めから受けるタンクが足りないのはわかっているのですから、早く小型タンカーを集めればいいのです。
判断が遅い。先ざきの手をうたず、立ち止まってしまている。
tanigawaさん、こんにちは
低レベル放射線の生物影響については、米国科学アカデミーの委員会がだしている報告書があるそうです。
http://www.ieer.org/comments/beir/index.html
(プレスリリースとプレゼン資料はネットでも見ることができます。)
この報告書の存在をわたしは小出裕章さんの『原子力の専門家が原発に反対するわけ』の講演をyoutubeで見て知りました。
小出裕章さんによると報告書の一番大切な結論は
「利用できる生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、委員会は以下の結論に達した。被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、しきい値はない。最小値の被曝でもっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある」
ということだそうです。
このリスクをどう受け入れるかはtanigawaさんもおっしゃっているように、個人の判断に委ねられるべきものだとわたしも思います。
koizさんへ
全米科学アカデミーの委員会の報告は、一定の低線量を浴びた場合でも、その影響を無視できるものではない、という論拠として、用いられてきたものですね。
私は、この前のスレッドでしたか、年100ミリシーベルトを100万人が浴びると、5000人のがん患者が生まれる(0.5%)、それは浴びた量に比例して増大する、という、現在の一般的な影響を紹介しました。
野菜や、飲み水の「毎日食べたら」「毎日飲んだら」という基準値は、その10分の1かそれ以下で設定されています。(年間)
しかし、10ミリシーベルトだから、発がん率は、しきい値以下になって、ゼロかというと、実はぜんぜん違う。
この10ミリシーベルトでも、少ないなりに、がんを患う人はでることになります。
90ミリシーベルトで、発がんがゼロで、100ミリシーベルトで急に5000人のがん患者が生まれるわけではない。
調査研究はいろいろありますが、10ミリシーベルトでも、100万人当り、数百人のがん患者が生まれることが、ICRPなど国際的な公的機関が依拠する研究には、見られます。
だから、しきい値がこのレベルにはないことは、もしくは、少なくとも、しきい値がない可能性を無視できないことは、国際的な常識になっています。
もう一つ、全米科学アカデミーの報告にもありますが、子どもには5〜10倍の範囲で、発がん確率が上がります。
野菜の基準も、実は大事なんですよね。
(以上のことは、まだすべてが、未確定要素があり、上にも下にも、基準は変動しうる、ことですが。)
ですから、私自身は次のように考えています。
第一。健康のための検査(レントゲンなど〕を別にすれば、被ばくは、少ないに超したことはない。
浴びたらその分だけ、「被ばくの宝くじ」の当選確率があがるから。
第二。子どもには最低でも、大人の10分の1以下の基準で、被ばくから守る義務を、大人はもっている。
孫と若ヨメさんは、最悪の場合の避難先を、すでに決めています。
第三。年に100ミリシーベルト程度を被ばくするレベルの場合は、私自身は逃げる価値よりも、東京で仕事をつづけ、活動する価値を選択する。(アメリカ原子力規制委員会の福島原発最悪シナリオの、80キロ圏の予想データでは、1年より短い期間で99ミリシーベルトを被ばくする。くわばら、くわばら。)
第四。この限度をできるだけ生かすためにも、神経質にならない範囲で、的確な外部被ばく、内部被ばく対策を、目下はおこなう。
とくに水道水、野菜は、データが高いときは、気をつけたい。
先ほど、郡山市の友人T君に、次の連絡をおくりました。
/////////////////////////////////////////
T君へ。
1)4月2日、4号機の原子炉建屋に、地下の入り口付近で100ミリシーベルト(毎時)以上のたまり水が確認された。1〜3号機の建屋も点検するというが、これでタービン建屋、原子炉建屋、ともに当分、立ち入れない。原子炉を冷やす「残留熱除去系」の冷却系統を立ち上げるのが当面の最大の焦点だが、内部のポンプや配管の故障確認どころか、立ち入ることさえできない。私の悪化の場合の基準が、また一つ、進行してしまいそう。
2)南相馬市の姪夫婦が、姉たちの応援を得て、昨日午後から夜までかかって、一時帰宅。原発から24キロ地点。乗用車3台に、伊那の避難先で使う物品などを運んだ。長引くし、汚染がより悪くなる可能性もあり、運ぶならいまのうち、という判断。避難先で衣類などがないと長期生活ができない。今日は伊那へ移動する。
3)日立のH君は、その後の情報なし。被災と介護でご家族もたいへんなので、こちらからは連絡はとらない。
4)現場は一見すると小康状態に見える。が、昨日、原子力委員会の経験者らが出した訴えの発表会見では、核燃料の溶融がすすみ圧力容器の底が抜ける可能性を話していた。今朝、「読売」も伝えた。農家の支援・連係活動は、ニュースに注意してすすめてほしい。
5)いまだに「パニック神話」をいうマスコミがいる。福島市でさえだれもパニックなど起していないのに。問題はむしろ基本的な情報が少なすぎること。
tanigawaさんへ
タンカーについては、現場の港には入港出来ないという事で、メガフロートをタンク代わりに導入するそうですね。
また、汚水については、相変わらずダダ漏れのようで、漏出防止に努めているようですが、事態は好転せずという状況のようです。
1つ気になる情報が、格納容器の水素爆発のリスクが出てきたので、窒素注入をするというニュースです。
格納容器は元々窒素で満たされているため、水素爆発は発生しないという前提でしたが、格納容器の密閉性が確保出来ていない状況では、内部で発生した水素と外部から侵入する酸素と反応する可能性、または、内部で発生する酸素と水素が反応する可能性が出てきたのでは無いかと思います。
窒素注入作業が滞り無く、行けばいいですが、現場の破壊の進んだ状況を考えると、果たしてうまく行くのか、疑問の残る所です。
3号機建屋の爆発の映像を見ると、水素爆発のエネルギーは相当高く、密閉性の十分確保出来ていない格納容器で、水素爆発が発生した場合、配管部分や、破損の進んだ部分に爆圧が集中し、格納容器の大規模な破壊が発生しないか心配されるところです。
deep--blueさんへ
災害のときは、そこで打つ手はあらゆる立場の違いを超えて、知恵を集めることが必要と思ってきました。
そしてその点で、原子力や放射線の研究・専門家の方がた、そして世界の機関からも、日本の情報が閉鎖的なことに批判と不信が出ています。
今度の放射能汚染水問題も、私は9日前に、問題になるとよ書いてきました。
あれだけの、通常と違う放水をして、発生する蒸気量と計算があわないのですから、海へ流れているのは、当たり前です。
タンカー問題は迅速さと、先手先手の対応の問題です。4日前に派遣していたら、今の垂れ流しはすぐに対応できたと思います。
圧力容器内部で、核燃料はどうなっているか? 水素の発生はどれだけ想定されるか? この件は、推進の立場の方ですが、「電気新聞」(3月18日付)に石川さんが書いている内容が、私は参考になりました。(週刊情報の1号で一部紹介)
それによると、水素の発生と燃料の溶融は、水面から上に出た部分だけでなく、水中での被覆管の酸化反応によっても起こる。しかも、水中でありながら、水が入り込めない空隙が燃料棒と燃料そのものに生まれ、そこは2000度ほどの高温になりうる、とのことです。
また、昨日、都内でのシンポジウムで、東京工大の研究者は、強い放射線で水が分解され、水素が発生している可能性があること(これはごく基本的な水素発生メカニズム)も指摘していました。
その水素が圧力容器のなかで不断に生み出されるので、反応性が弱い窒素ガスを注ぎ込んで、外部に水素を押し出す。
たぶん、いまの作業はこのことを目的にしたものだと、推測!します。
これとは別に、一昨日、原子量委員会の元委員らのアピールでは、水素爆発よりも、高温の燃料による圧力容器の「底抜け」を心配しています。
このケースの場合は、格納容器下部の水に落下するなどの条件で起こる水蒸気爆発が心配されます。
いずれも数割の危険性を脱していない。
この心配がある限り、30キロ圏は解除されない。
首都圏だって、まだ安心はできません。
昨日の補足です。
ひび割れのトレンチの流水箇所を、ふさぐ作業がおこなわれていますが、止めてあふれる汚染水をどうするのか、いまだに手を打たず、今日も挑むそうです。
4つの原子炉建屋に、それぞれ毎時数トンを注入して、その排水ルートの有力な一つになっているのが、このひび割れ箇所です。
数メートル上流でふさいだら、当然にも、その現場一帯には、数分と滞在できない放射能汚水が広くあふれ出します。
まずタンカーを急派し、次いで、大型浮体構造物(内部に1万トンの容量)などを急派する手がまだ打たれていない。
あふれさせたら、海水くみ上げポンプ付近の作業環境がきびしくなります。
段取りを考えた冷静な対応ができなくなっているのでしょうか。すでに大量の汚水が建屋で「発見」されて、10日めになります。
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