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去年の夏、その浜から国見温泉に湯治にきていたおじさんから、「まつも」をいただいたことは、震災後の日記で報告しました。
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-18379
もうだいぶ落ち着いた時期と思い、国見温泉の若おかみ様から情報もいただいて、消息をたずねてきました。
おじさんのお名前が見つかった避難所に、事情を話してみたけれど、「もうここにはおられない」と。係りの方に、私の連絡先を伝えました。
おじさんのご住所の地域は、海と川に近くて、津波の被害をあらためて心配しました。
田老漁協の方にも問い合わせをしようと思っていたところ、昨日朝、ご本人のおじさん(まつも、の、おじさんとさせていただきます)から、お電話をいただきました。
カミさんが出ると、国見温泉でお会いしたときと同じ、やさしい声。
まつものおじさんは、家を流され、「妻と、孫1人をなくした」と話しました。
カミさんは、もう次の言葉がありませんでした。
去年の温泉では、おじさん一人だったので、ご家族のことを伺ったのは初めてでした。
「温泉には行ったけど、細かいことはもういろいろ思い出せないんです」と話されていました。
「そんなわかめのことぐらいで、覚えていてくれて、連絡をいただいて、うれしいです。仮設住宅を申し込んだけど、これからどうなるか」
そうおじさんは、話していました。
おじさんは甘いものが好きでした。カミさんが「何か送らせてください」というと、
「もう、こんなふうに連絡をもらっただけで十分です。ありがたい」と何度も話されていました。
田老の一帯では、950隻の漁船のうち、使えるのは50隻しかない、というニュースも伝わっています。
船のことまではお伺いすることはできませんでしたが、まつものおじさんもお仕事を再開するのは大変と思います。
ただ漁協は、さっそく名物のわかめの養殖の再開へ、相談を始めていると伝えられています。
まつものおじさん、いまはおつらいと思います。でも三陸の海は豊穣の海です。
なるたけ早く、また海に出られる日がくることを願っています。
(この件で御心配いただいた、国見温泉・石塚旅館様に感謝申し上げます。)
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