そのノカンゾウが、東京の中央線の通勤電車から、いまの時期だけ楽しめる場所があります。東京駅から30キロの位置にある、国分寺駅の前後です。
ここ数年がかりで中央線の三鷹―立川間は高架化工事がおこなわれて、線路は工事のたびに移設され、ついにはコンクリートの橋脚を電車が走るようになってしまいました。
そのため車窓からの草花の楽しみは、劇的に縮小しました。
実は山菜のコゴミも、武蔵境駅とか、東小金井駅の前後で、線路脇に群生しているところがあったのです。これも工事で消滅。
コゴミはいま、西国分寺駅と国分寺駅間の法面などに、わずかに残るだけです。
イタドリ、タラノキなども同じ運命をたどっています。
そんななかで、標高と地形の関係で線路と道路がもともと立体交差だった国分寺駅の前後は、今回の高架化工事を免れました。それでも、関連工事のため、線路脇の法面が一部掘削されて、ノカンゾウとヤブカンゾウの群生地は、今年は花が見られるかどうか、かなり心配な状況になっていました。
そして、先週の末ごろから、ノカンゾウはポツン、ポツンと開花を始めました。
なにしろ通勤特別快速電車です。混みます。
国分寺駅を出て加速する電車の車窓に、一瞬、姿を現すノカンゾウの鮮やかなオレンジ色。
土曜日は線路の北側が見える位置に、今朝は、車窓から線路の南側の斜面が見える位置に立って、群生地で花を探しました。北に10輪、南側には7輪ほど、咲き出していました。
工事のあおりで、3年ほど前に比べて、半分くらいの密度。
西国分寺駅側にも群生が見られたのですが、こちらは全滅してしまったようです。
八重咲き、花弁が縮れたヤブカンゾウも、数箇所に群生が見られたのですが、今年はまだ咲きません。
細身の花弁の曲線が美しいノカンゾウ。
私の地元、西多摩エリアでは、平井川沿いのエリアでも宅地造成で消えてしまいました。ヤブカンゾウはいっぱいあるのですけれど。
各地に山に出かけるときに意識的に探していますが、なかなか出会えないノカンゾウを、この短い時期は楽しんで眺めています。
(線路沿いの斜面は立ち入っての撮影はできないため、写真のノカンゾウは山梨県内で撮影したものです。)
こんにちは。
私も中央線利用者です。
ノカンゾウは全く気がつきませんでした。ワラビは気になっていたのですが・・。
明日の朝、気にしてみてみます。
でも最近は、携帯電話をいじってる時間が長いなぁ。
bluefinさんへ
朝の上りの東京行きの電車の方が、国分寺駅を出て加速しながら見えやすいです。
線路からのかけあがり(法面)の、緑の草原を見ていると、色が鮮やかですから、すぐわかります。
南側は、株はまばらですが、法面との距離があるので、「動体」相手でも見やすいです。
この一帯、ヤブカンゾウが混じっていないために、ノカンゾウの血統がまもられているのかもしれません。
都内ではかなり希少な生育地です。
私は、席に座れないときは、足首とふくらはぎの強化のために、両足ともつま先立ちして、新宿まで立っていきます。
その一瞬のやすらぎに、ノカンゾウの眺めを楽しんでいます。
今晩、帰りに国分寺駅の生育地を眺めてびっくり。
線路沿いの草むらの、無差別刈り払いがされて、線路北側の群落は、跡かたもなく消えていました。
南側は同時には見ることができないので、未確認ですが、残念なことです。
様子から見て、今日の出来事と思います。
そのかわり、西国分寺駅側に走り出した場所にある、北側の大きな法面では、数株、ノカンゾウが咲き始めていました。
刈り払いは、数年前にも、開花の時期にあったと記憶しています。
街中で、世代を重ね、生き続けるのはたいへんです。
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