山行記録のことです。
山の雑誌やガイドブックの場合は、ルートや記録の紹介の際に、難易度を記述やレベル表示で示してあったり、ルート上の注意箇所について、強調してあったりして、読者が安全面、体力面を読み取れるようにしてあります。
いまでは、個人のホームページで山の記録を紹介しているものから、山行を計画する情報を得ている人も多いと思います。個人のページの場合は、安全性や難易度の情報提示は、まちまちです。難なく下山できた山行であっても、ページの管理人の経験や登山傾向などから、そのルートの難易度を読みとる場合もあります。
そこで、「ヤマレコ」の場合です。
ここは様々な度合いの、いろいろな流儀の登山者・ハイカーが、記録を書き込み、交流しあったり、参考にしたりしています。一つの登山の記録でも、書いた人、参考にする人の、それぞれの山の登り方や経験によって、いろいろな受けとめ方が出てくると思います。
具体的には、冬の標高1500メートル以上の、雪のある山へ登っても、「ハイキング」と分類してアップしている記録が、かなり多くあります。登った人にとってはハイキングに違いないと思うのですが、これから登る参考にする初心者が見れば、その限られた経験のなかで難易度を受けとめる場合もあります。
また、これは一般的な想定の話ですが、過去に雪崩遭難が起きているルートから、冬の時期に登った記録があったとします。この場合は、そのルートを知らない人は多少の雪山の経験がたとえあっても、そのルートがこの時期に使ってもいいルートであると、受けとめる場合があります。
いま上げた2つのタイプの事例は、登山雑誌の場合は、ほとんどまちがいなく、気象や積雪の条件次第で大きな困難があることや、過去に事故例があることなど、読み手にわかる形で注記がされます。ルート全体がむずかしい場合は、熟達者向けであることが表示されます。
「ヤマレコ」のような記録のデータベース化の試みは、情報を得るうえでとても有益です。しかし、登山記録を扱うデータベースとしては、様々な経験と技量の人が使うことを考慮する必要が出てきます。
安全面の情報の提示という面からも、まだ改善の余地はあるように思います。それは、「ヤマレコ」が登山の世界のなかで、より社会的な存在に発展していくなかで、今後、いっそうはっきりと求められてくる面と思います。
少なくとも山の雑誌は、自分の存在、扱う記事についての自覚があり、安全面での読者への考慮が読み取れます。
個々の方の書きこみが基本なので、むずかしい面があります。
たとえば、とくに冬季の積雪条件での登山が、「ハイキング」として扱われてしまう件は、分類で改善できるように思います。
雪崩や滑落などの危険箇所の件などは、ルート上の注意箇所などの欄を設ける方法もあります。
コメントという形で、そういう面を指摘することも、また一つの方法と思います。
tanigawaさんのおっしゃる話題はかなり大きな話題だと思います。
こと、カテゴリーの話題に限って、感じたことを述べると、私も少々分類が粗いかなと思うことがあります。反面細かく細分化すればするほど、入力する手間が増えるので、使い勝手が減少するかと思うのです。
確かに1500Mを越える冬山でハイキングは"とても口笛を吹いて快適に山に登る"のとは違います。でも積雪期のPHにするのはあまりにレベルが違うような気がするのも確かです。
このようなレベル差が大きい部分には、その中間のレベル(どういう名前にするか議論が必要でしょうが)
を追加したほうがいいのではないかと思っています。
具体的にいうと、厳冬期と春の積雪のシーズンは明らかに違うので分けるとか、積雪量を入れるとかです。
他の方はどうでしょうか?
私も、自身の経験が少ないためか、カテゴリーの欄で、
積雪期なのか無雪期なのか、ハイキングなのかピークハントなのか、迷うことが多々あります。
また、単に記録を取るだけならローカルのパソコンに入れておけば言い訳で、ネットで公開するというのは、情報や感情をシェアしたい、またそれに対しての反応を期待して、という側面が大きいと思います。
当然、個々人の個性や経験が反映されるわけで、
同じ山にしても千差万別の意見・感想が出てくると思います。
今後、ヤマレコがどんどん発展して行き、社会的な影響力なども持ってくることと思いますが、
とりあえずの暫定的な処置として、
「ヤマレコについて」などのページで、
記録は個人のものであって、同じ山でも、時期、天候・気象などによって、また、個々人の技術、体力、経験などによっても、まったく違った様相を呈する旨を伝えたらよろしいのではないでしょうか。
matoyanさん。無理難題を押し付けてすみません。
tanigawaさん、こんばんは。
私の場合も真夏以外は分類に迷うことが多いです。
例えば今回の冬の上高地はハイキングとしましたが、場合によってはアイゼンも必要で気温もかなり下がり完全な冬山装備が必要で雪崩発生の判断も必要になりますので、これをハイキングというには無理があるとは思っていますが、かといって積雪期ピークハントではないし。
また、地元の太郎山1164mも冬は積雪が少しありますので冬は積雪期ピークハントになりますが、難易度安全度からいくと冬の上高地よりかなり安全です。ズック靴で登って来られる方も多くいます。
似た位の標高の地元の山、独鈷山1266mは積雪は太郎山と同じですが、結構険しく転落滑落の事故が時折起きていますし、冬はアイゼン必携の山です。
と、言うことで、結論は簡単には出せませんね。
1案)
みなさんのコメントを読んで思ったんですけれども、おそらく、記録を書き込む場合に、雪があっても諸条件に恵まれた山行だと、「積雪期ピークハント、縦走」 に入れるのは、こそばゆい、おもはゆい。
それで、「ハイキング」にくくっちゃうのではないでしょうか。
夏山の場合も、その傾向は若干あるかもしれません。
(結構、難度の高い記録も集めながらも、『新ハイキング』という雑誌もありますね。あれは記録を読めば、コースの難度がわかりますけれど。)
だから、ヤマレコでもともとは「登山道や道標が四季を通じて視界から失われずにあり、標高も低めで行程も数時間程度の行動」を「ハイキング」 と分類してほしいと思っているのだとすれば、それより難度と体力が増す山行は、「積雪期ピークハント、縦走」 に一括するのが、解決策の1つになると思います。
安全性にも考慮し、書き手より、受け手の立場にたった、区分けですね。
2案)
たとえば「雪山ハイキング」という新しい区分けを設定するのも案と思います。
この手のものだと、書き手も気安くジャンル指定できるかもしれません。
目的地(目標とする稜線部など)に積雪があり、夏道が埋もれるとルート判断を迫られる場合があったり、アイゼンなど雪に対応した装備がいる山行です。
3案)
以上とは別に、雪崩の危険などルート上の危険箇所の注意喚起や情報です。
これは、現在、「コース状況/その他周辺情報 」という欄が設定されています。この欄の紹介文のなかに「危険箇所等」の文言を一言いれる手があります。
ただ、書き手も読み手もその人の判断と受け取りですし、また、注意の特記がなければ安全というわけではない、という事情もあります。義務的に必ず書くのも変です。
結局は、山行のなかで必ず留意している登山の安全面の視点を生かして、必要な場合はフォローしておく(第三者のコメントも含めて)ということかなあ、と思います。
熟達者、ベテランの方は、ヤマレコで何もそこまで気にしなくとも、と思われる方も多いのではと想像しています。自分で調べ、自分で入念に準備するのが何よりの安全の基本という考えも、あります。
ただ、個人での入手は限度も経験の差もあります。また、夏冬問わず、案外、大事な安全情報が登山者に伝わらないことがあります。プラス思考をすれば、個人の範囲の情報収集で得られない、現場からの情報の蓄積も、プランニングの大きな応援になるように思います。
山の名前で検索したときに、ずらりと記録がならんで、その中に安全情報の面での記述があれば、そういう形で現場と備えを想像できると思います。
yan2さんへ
>でも積雪期のPHにするのはあまりにレベルが違うような気がするのも確かです。
記録を書く人が分類で戸惑うという面もあるのですが、その情報の受け手の人がどう思うかという面も考えたいということです。
安全にかかわることですから、こうと思った区分けに「プチっ」と。
>積雪量を入れるとかです。
これを書いて下さっている記録は、結構多くて、現場を想像できますね。
zunさんへ
>私も、自身の経験が少ないためか、カテゴリーの欄で、積雪期なのか無雪期なのか、ハイキングなのかピークハントなのか、迷うことが多々あります。
私のほかにも、けっこう分類で迷っている人が多いんだなと思いました。
書くときだけでなく、読むときも戸惑いませんか。行ったことのない山域だと、とくにそうです。
>matoyanさん。無理難題を押し付けてすみません。
私も勝手にこんな書き込みをして、申し訳ないと思っています。
急ぐことではないし、全体の傾向や流れをじっくり見極めて、よい解決策等をお願いします。
wakaさんへ
>私の場合も真夏以外は分類に迷うことが多いです。
ご紹介いただいた3例は、太郎山を除いて、なるほどみな私も迷いますね。でもその太郎山も他と比較すると、むずかしいですね。
たぶん、これらすべては、「積雪期ピークハント」に入れるのが、当初の考え方だったように感じます。
実は、年末から今月初旬にかけて、私の勤め先の先輩と後輩が2つの山域で遭難し、3人がなくなりました。勤務先も現場も遠方のためニュースの情報しかなく、具体的な事情がわかりません。今後のある方々だったのに、山で亡くなるというのは、ほんとうに悲しいことです。
いずれも気象条件が絡んでおり、後から、あれこれ思うことはあります。しかし、やはり、当事者が事態を把握しておくことは一番大事と感じています。
tanigawaさん、
>実は、年末から今月初旬にかけて、私の勤め先の先輩と後輩が2>つの山域で遭難し、3人がなくなりました。勤務先も現場も遠方>のためニュースの情報しかなく、具体的な事情がわかりません。>今後のある方々だったのに、山で亡くなるというのは、ほんとう>に悲しいことです。
本当に悲しいことですね。お亡くなられた方とご家族の方にお悔やみ申し上げます。
私も今年からヤマレコを使わせていただいていますが、いろいろ痒い所に配慮がされていて、喜んで使わせていただいていますが、安全面のガイドとしては使っていません。特に冬山の情報はガイドブックにあまり書かれていないので、Webで簡単に見れるのはいいのですが、みなさんが既にいろいろ書かれているように、様々なファクターが絡むので、あくまでもいろいろな情報を総合的に判断しないと駄目だと思います。
100点満点はおそらくとれないので、まずは区分の見直しをしてみる。それだけで不足だと感じたら、次の対応を打つというように
PDCAでやっていくしかないじゃないでしょうか?
議論、色々とありがとうございます。
山のグレードやジャンル分けについては、
書く人の主観に依存するので難しいですね。
まずは、tanigawaさんの2案と3案を
対応してみました。
ただ、すでに登録されてしまっているものを
「雪山ハイキング」に変更するのは
ユーザの皆さんにお任せすることになりますが…。
あともう1点。
記録の作成時に「ハイキング」が選択された
状態になっていたので、何も考えないで
決定ボタンを押すと「ハイキング」として
登録されるようになっていました。
対処として、記録作成時にはジャンル未選択の
状態にしておいて、ジャンルを選ばないと
記録を登録できないようにしてみました。
matoyanさん、さっそく対処してくださったんですね。昨晩はノドを腫らして熱が出てしまい、すぐに返事ができず、失礼いたしました。
今度の件は、登山の安全にかかわる件だけに、システムの面とともに、記録を書き込んだり、利用したりする、みなさんの側で、その都度、より的確な対応をしていくということが、大切なのではないかと思います。
また、雑誌や個人のサイトにくらべて、ヤマレコのデータベースは情報量が大きく包括性があります。一つの山のデータも、時期や気象条件、体力などの違いもふくめて、見比べることができます。
そして速報性もあります。安全・危険面の情報は、こういうデータベースの持ち味の一つになるのではないかと思ってみました。
私も、山行記録のアップはまだかなり残していますので、そういう視点も入れて、個人でできる努力をしていきたいと思います。
こんちは。
非常に大切なテーマだったので、自分なりに考えて、日記にしました。
是非、ご意見くださいな。
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