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(写真) 表土を削って、5つの穴に埋めて、放射能は1ケタ下
がったものの、戸外に毎日出ると年間1ミリシーベルト余りの被
ばくを、これだけで受ける危険あり。
それでも山を隔てた避難対象地域にくらべれば、1〜2桁も低
い値だ。
夫の転任で山形へ移った姪夫婦と2人の子どもは、里帰りも瞬
間的。
*その福島から、名産の桃の人気薄が伝えられてきた。価格は
2、3割低い、それでも都会の家庭からは契約農家にキャンセ
ルが入る。お中元の時期なのに。
*農水省は乳牛に牧草を与えないよう、情報と指導をすすめて
きた。16都県の牧草の放射能測定もしてきた。
ところが、田んぼでそのまま立ち枯れにしてきた稲わらにつ
いては、なんの対策もなしできた。
原発から80キロ、150キロと離れた茨城、栃木、群馬、
福島、宮城、山形などの稲わらを、宮城県などの飼料の業者が
買い集め、全国へ出荷。6万とか7万ベクレルにセシウムが濃
縮されたのは、土壌から「水とともにセシウムを吸っては乾燥
濃縮」というプロセスを繰り返したかららしい。
もっとも遠くは岩手県の稲わらまで。セシウム、恐るべし。
*汚染牛は、全国の40余県に広がる勢い。うち出荷停止は目下
4県。
全県で、出荷する全頭の放射能検査を始めると、農水省。たが、
機器も体制もなく、牛は市場に出にくくなる。
*肉牛は、出荷前に計画的に太らせ、脂肪をつける。突然、出
荷停止と言われても、今度は体調をもどすまでいったん痩せさ
せる手をうつことになる。時期を逸した肉牛を誰がどんな値
段で買うのか?
「国が全頭を買い取るべきだ」と肉牛農家は言う。
*酪農では、北海道から10トン車にいっぱいの干草を買うと、
100万円前後の出費になる。数十頭の乳牛は1週間そこらで
この干し草を食い尽くす。
いまは真夏。牧草ならば目の前の牧草地に茂っているのに、
乳牛も外に出せないし、茂った草も食べさせられない。
わざわざ乾し草を買わねば牛が死ぬ。
*そこで次の心配は、稲わらではなく、稲と米そのものになる。
おそらく、セシウムの「吸い上げ、濃縮」効果は、3、4月
の田んぼほどでなくとも、田植え後の水稲にも確実に起こって
いる。
問題はその程度。測ってみないと、わからない。
農水省は、刈り取り前と、出荷時の、市町村単位の放射能検
査を打ち上げたが、ここでもまた問題は、機器がない。体制もな
い。
*いま、「新米はいらない。古米がほしい」と都会から契約農
家に、注文が殺到し始めている。
最初の測定結果によっては、あわてる消費者もでる。それに、
子どもに基準前後のコメは避けたい気持ちもわかる。
米は主食。おかずと違って、毎日毎日、一定量を体に取り込
む。他の農作物と同等の程度の暫定基準とはいかない。どう
するのか? おまけにセシウムは半減期が長いので、田の土
壌を入れ替えない限り、同じ事態は毎年続く。
そういえば、山用のアルファ米も品薄。一過性の問題でな
くなる可能性もあり。
*米とくれば、日本酒もだ。福島も隣県も名産地。現在の工程
では、セシウムは除けない。吸着材などを使えば、味・香り
もそこなうだろうし。
いずれにしても、夏以降は「コメ」が騒々しくなりそう。
*正直言って、自分の見方の甘さを思い知ったのが、栃木県の
森の枯葉の汚染だった。
山から取った落ち葉を「腐葉土」に加工した肥料が、2万ベ
クレル台の汚染。セシウムおそるべし。
東北南部と北関東では今年以降の秋に収穫する野生のキノコ
(とくに地面に生えるもの)は、しばらくの期間、見るだけにし
た方がいいかもしれない。判断は、自分の年齢、子どもをこれか
らつくるかどうかなどの事情等々に委ねるしかないが。
*一方で、原発をめぐる政治と人間のうごめきは、この4週間
近くも、悲しすぎるものだった。
佐賀県知事が、「やらせメール作戦」の発端だったり・・・。
「泥棒を捕まえてみれば、保安院」だったり。
首相は「脱原発」を「個人的見解」にトーンダウンさせたう
えで、「当分は減原発でゆく」方向転換を是としてしまった。
*事故の現場では――。
廃墟となった建屋にカバーをかけるのを急いでいるのは、名
目はともかく、対応が進展していることを印象づけることにな
るだろう。
が、いざ、建屋の内部に入ろうとしてデータを取ったら、
5000ミリシーベルトの測定器があっという間に振り切れ
た。
人は7000ミリを一度に浴びると、急性症状が出て短期間で
死亡する。現場はこの値をはるかに上回る可能性。
この「原発情報」で最初から書いてきた困難に、まだ事故対策
は向き合っていない。建屋内を調べようと2階にすすんだのは、
ロボットだった。
ほんとうに高いレベルなのは、核燃料に近づく地下部分。
汚染水は運よく回収がすすんだとしても、今後は手を付けら
れない高濃度になる。
計算では、原子炉の「死の灰」(総放射能量)の、まだわず
かに0・01%の桁しか、外部には出ていない。
*一方で、海の側から、施設全体を地下水脈もふくめて遮断す
る工事が、動こうとしている。
中身に当分、手を付けられな以上、この対策は大事と思う。
結局、このまま遠巻きに原子炉を囲んで、20年、30年と
いう時間の経過を待つのが、実際の対策になる可能性が強い。
「汚染した農地、宅地ごと、政府は買い上げて、元どおりに
してほしい」。避難した住民が求めたこの方向で、代替地を用
意するしか、根本的な対策はないと思う。
*さて、今回書いた分の総コストは、いったい、どれくらいに
上るのか?
いま国会で成立しようという補償法は、基本的に、電気料金
のかなりの値上げと、増税とで、これをまかなう。
もちろん、補償対象は、ひどく制限されている。
しかし、使用済み核燃料の処理費用として電気料金から積み
立ててきた分は18兆円が大銀行にある。同貯蔵費用も2兆円
の貯金がある。電力会社と親銀行は、再処理ができず行き詰まって
いるこのお金を、生かさないつもりか?
事故究明も、補償もせずに、運転再開なんてやはりおかしい。
こんばんは
前に、遠まわしに言葉を選びましてお伝えしたつもりでしたが・・・お住まいが福島県でもないのに多くを語らないでいただけませんか?
とても博識なのは存じております。
けれども、実際お住まいな訳でもなく、新聞・メディア・情報誌等々より収集された情報をお話されているだけですよね。
専門職との事ですが、放射能や畜産農業の分野でいらっしゃるのですか?
違うのでしたら、遠慮をなさっていただきたいです。
悪気はないのでしょうが、少し、配慮が足りない内容に感じました。
突然、すみませんでした。
ご無礼な物言いをお許し願います。
chixtuchi さんへ
今度の事故の放射能の被災地は、福島県内だけではありません。直接の放射能飛散を通じても、食物を通じても、首都圏をふくめてはるかに広域の人びとが、大なり小なり被ばくしています。
また、個人的にも福島県に縁のある方、なくても知人友人がいる方、さまざまな方々が福島県を含む被災地に気持ちを向けています。
私自身が親戚や友人がいる福島のことを書き続けるのは、当たり前のことです。
また、あなたの年齢は存じ上げませんが、私にとっては福島の原発は1号機の設置のときから、身近に運動を感じ、参加してきた問題であり、社会人になってからも、現地市町村の人びとと交流を重ねてきました。
事故があって、にわかに福島の原発をふくむ原発問題を書いているのではありません。
専門職か否かで、書くことの可否が決まるかというのも、受け取りかねます。むしろ多くの方々がもっとフリーに考え、書いていくべき問題と私は思います。
あなたが、どのようなご意見からお話しされているのかは、今回も文面からは読み取れません。
ただ、お書きになったような、出身地、現住所、専門家か否か、データのソースなどの事柄を基準に、書くことの善し悪しをおっしゃっているのだとしたら、自分が良しとする条件の人以外は、「物を言うな」ということと、同趣旨に陥ってしまいます。
また、私のこの情報は、身うちのものを含めて、福島の友人たちも読んでいます。
ヤマレコ内にも被災者がおり、その方とも交流している情報です。
ソースと内容は、独自に確認できるものを検討して揚げています。
事実と異なる点があれば、ご指摘いただければ有難いです。
もしも風評被害を拡大するから書くな、ということであれば、福島県の農業者団体などのいまの意見と行動にも、そぐわないものとなります。
被害を黙っていても、事は悪くなるばかりです。
先日の東京での、福島県の農協団体の行動と主張は、切々たるものがありました。
・・・と書いてきましたが、あなたは全国紙とか、様々なマスコミ報道とか、雑誌やテレビの論説などにまで、出身とか現住所などを基準に、上のようなご注文をなさっておられるのでしょうか? 正直申し上げて、地元の方の意見としても、現地の実情を書くな、言うなというのは、なにかかなり違和感があります。
しかもこの場は、あなたがそこまで気にかけるほどの影響力をもっているわけでもありません。
主張はもっとはっきり書くべきです。
そのうえで相互の意見もわかり、理解もすすむと思います。
tanigawa 様
ご無礼をお許しくださいませ。
別に反論しているわけでも、原発問題を話すなとは一言も言っておりません。実情ならばいくらでもお話いただいて結構です。
隠すものなど何もございません、迷惑を被ってる側ですので。
私が感じたのは、以下の一文です。
>東北南部と北関東では今年以降の秋に収穫する野生のキノコ
(とくに地面に生えるもの)は、しばらくの期間、見るだけにし
た方がいいかもしれない。判断は、自分の年齢、子どもをこれか
らつくるかどうかなどの事情等々に委ねるしかないが。
その前文で、お米についてもお話されていますよね。おっしゃるとおりだと思います。
しかし、一定量を体に取り込むお米だけに限らず、毎日毎日、野菜・果物等は県外産のものを選んで食していても、どこまで内部被爆や積算量を抑えられているのかわかりません。事実、遠方の岩手県被災松でさえ検出されたわけですし、今現在も空間高線量の問題があります。
お好きな野性のキノコについて、何気なく判断基準をお書きになったのかもしれませんが・・・
内部被爆すると、生殖器に蓄積するという話も存じております。将来、親になれるのか、未来ある子供たちの心の中に少なからず存在する問題です。その可能性を隠すつもりはありませんが、軽はずみにお書きになるのもどうかと思いました。
子供たちも見ています、テレビ等でも同様の心配を泣きながら訴えている子供の姿も見てきました。
以前私にコメントしていただきました内容も振り返らせていただきます。
>避難対象地域の外、とくに吾妻、安達太良連峰から、磐梯、甲子、那須のラインから以西ならば、ぜんぜんだいじょうぶです。
ちゃんと人が暮らしていますから。
その際にご返答いたしましたが、その以東でも老若男女問わず、今現在も暮らしております。死の町にはなっていません。
福島の親たちは、どの地域よりも敏感に子供たちを少しでも放射能問題から守ろうとして、県外に長期避難旅行に出たり、食に気を付け送り迎えや除染活動をしています。
>しかもこの場は、あなたがそこまで気にかけるほどの影響力をもっているわけでもありません。
影響力の問題ではありません。
山の話だけでなく、日常の何気ない出来事を書き込み共有する楽しいコミュニティの場だと思っております。
再三申し上げますが、別に反論しているわけでも、原発問題を話すなとは一言も言っておりません。
言い争いがしたい訳でもございません。
悪気ない何気ないお言葉なのでしょうが、少し配慮が足りないのでは・・・と感じましてコメントさせていただきました。
>その可能性を隠すつもりはありませんが、軽はずみにお書きになるのもどうかと思いました。
どこにも軽はずみなことは、書いていません。
野生のきのこからさえ、いまの食品の基準値を超える内部被ばくを受ける可能性は、現にありますから。
それをあえて食べるかどうかも、個々のご家族の判断になりますが、判断は、情報と可能性が提供されていなければ、そして国がもっち重視して測定と公開をせねば、明らかになりません。
そのことを指摘するなというあなたのご意見は、当事者のためにもならないし、安全軽視になります。
>その以東でも老若男女問わず、今現在も暮らしております。
これも同じですが、あなたの意見はこの件ではもっと、問題をはらみます。
中通り地方でさえ、実情では、ホットスポットが次々に確認されてきており、子どもたちからも内部被ばくは確認されています。
それがどの程度の影響となるかは、まだ誰も確定的なことを言えないのが現実です。
住民の方々が現に不安をかかえていたり、自主的に避難をされている方がいる現状で、そこの人びとが不安や実際の健康への脅威なしに「ちゃんと暮らしている」とは、言えません。
その以東で、いったいどれくらいの住民が避難されているのか、またもっとも放出が激しかったとき、その地域はどうであったのか、なぜその地域でも多くの県民が避難したのか、そのことに思いをはせないで、何事もなかったし、いまもないかのように言うことが、お気づきになっておられないのかもしれませんが、かなり異質な感じがします。
むしろ、肉牛の稲わら飼料の汚染などで、いま明らかになりつつあるのは、福島県にとどまらないはるかに広域の長期的な汚染ではないでしょうか。中通り以東どころか、県外産の稲わらまで、問題になって、出荷停止の被害が広がっています。
山へ登る人が不安になるのは当然ですし、その際に汚染の程度や避難の状況を考慮して、福島県内でも気にせずに登ることができるエリアはあること、しかし、飲み水、淡水魚、きのこ等にはこれまでと異なった心構えが必要なことなどをお伝えするのは、大事なことです。
あなたのように地域を限り、影響を限り、平静を訴える意見は、前回書いたように被害の中で運動している福島の農協などの方々から見ても、異質なものを感じます。
前回、事実と異なることがあったら、示してほしいとのべましたが、あなたが示した中身を見て、暗然とした気持ちになりました。
放射能と原発事故の被害を直視せず、情報も確認せず、危険性の可能性も見ずに、こんどの災害の実情をつかむことはできませんし、復興もできません。
事実から目をそらすあなたの意見では、農業も子どもも、守れません。
>原発問題を話すなとは一言も言っておりません。
では、この意見はどう受け止めればいいのでしょうか。
>>実際お住まいな訳でもなく、新聞・メディア・情報誌等々より収集された情報をお話されているだけですよね。
専門職との事ですが、放射能や畜産農業の分野でいらっしゃるのですか?
違うのでしたら、遠慮をなさっていただきたいです。
残念ながら、あなたの御意向にはそえません。
ヤマレコは、山と自然を愛して、そこで活動する人々の交流の場であるからこそ、原発と放射能の現実はしっかり見つめていかねばなりませんから。
もし自分の趣旨を言いたいのであれば、自分の日記で書かれてください。誰もあなたを規制しません。
私は、高校1年の集会参加の時から、福島の原発に反対してきた人間です。その私の日記の場で、あなたの趣旨を通そうとするのは、無理な要望です。
申し上げましたように、私の友人たちや親戚は、私の意見と認識を共有しています。
全国には原発をはねのけた県もあった。
なのになぜ、福島には集中立地だったのか?
いままでのそういう県民性を根本から見直さないと明日は開けません。
その大前提が被害の直視、被害の実相の全面的な調査と、そのすべてを補償させることです。
そこから目をそむけてはいけないと思います。
母子が不安を感じてきたのは、事故の最初の時から今に至るまで、正確な放射能と被ばくの情報が、国と東電とから伝えられてこなかったからです。
危険性を隠され、後で何度も、深刻な実態が当事者から追認されることほど、深刻な過ちはありません。
抗議されるのならば、政府にしてください。
ん〜、ご指摘ありがとうございます。
お勉強になります。
憤慨されているようで、申し訳ありませんでした。
私も、言葉に配慮が足りませんでした。
野生キノコによる内部被爆は、間違いなくあると思います。秋を目前に野生キノコの検査を開始したようです。
私も以東のホットスポット地内です。以前の平常時の約30倍ほどの放射線が測定されております。おっしゃるとおり、現状がどの程度の影響となるか、確定的なことがなく、不安を覚え、自主的に避難をされている方が多くいる現状の中、不安や実際の健康への脅威を抱えながら、被爆減少策と出来る限りの除染方法を試みながら日々生活しております。
実情から目をそらし、軽視している訳でもありません。
私たち大人にしてみれば、子供を作るか否かですが、子供たちにしてみたら、将来子供が産めるかどうかなのです。
教育するも守るのも諭すのも親の役目です、最悪の可能性を教えることも大事ですが、デリケートな話題に心に傷を負う子供もいるという現状をわかっていただきたかっただけでした。
この度は不快な思いをさせてしまったようで申し訳ありませんでした。
Tanigawa様のように、風化せず、問題を訴え続けていただけること有難く思います。
それでは失礼いたします。
chixtuchiさんへ
郷里のこれから、福島に暮らしている人の幸せを思う気持ちはいっしょだと思います。
意見や気持ちを交換するのも、そのためです。
私も、ご意見を頭においてやっていきます。
これからも、よろしく!
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