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2012年08月16日 22:37山と原発全体に公開

引きつづく野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題

◆秋のきのこシーズンを前に、林野庁はホームページで、「野生きのこの採取にあたっての留意点」を掲示しました。
 「今年も野生きのこが発生する時期を迎えます。
 野生きのこを採りに行かれる皆様の健康のために、注意していただきたいことをまとめましたので、是非ご一読ください」と、林野庁は訴えています。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/tyuui.html

 このお知らせでは、放射能汚染の検査を実施している17都県を紹介しています。
 *17都県 : 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県。

 そして、野生きのこの「発生状況を確認しながら、すみやかに採取検査を行うこととしており、その検査の結果は、上記の都県と国のホームページで随時お知らせしています。」としています。


◆ この問題では昨秋に次の日記で状況をお知らせしました。
原発・野外活動情報16) 野生きのこのセシウム汚染と、菌根菌
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-24186

 そして17都県については、今年4月の私のヤマレコ日記で、
「原発・野外活動情報 22)地域ごとの山菜の放射能汚染度を知る手がかり」
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-33491
 をお知らせしました。

 そのなかで、
「汚染状況重点調査地域」に含まれる102市町村
 (うち、のうち、福島県外の65市町村も、放射線量が1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上の地域に該当する)
 を町村名や、山菜、淡水魚などの検査結果を含めて紹介しました。
 この今年春の時点で、
 年間被ばく線量1ミリシーベルト(空間線量率毎時0.23マイクロシーベルト)のエリアと、基準超えの山菜・農産物の出現の分布とは、一定の相関を見せていました。


◆ 今回、秋の野生きのこの対策をすすめるにあたって、林野庁が17都県を「監視」「測定」「対策」の対象に設定したのは、自治体としての自主的なとりくみがその基礎のあったことと併せて、妥当な活動だと思います。
 こういう活動では、「大方針」の裏付けとして、実際にどこまでの監視・測定・周知の体制がとられるのかが、大事でもあります。


◆ 野生きのこを含めたこの監視体制のなかで、きのこでは、栃木県日光市、真岡市、那須塩原市、益子町、那珂川町の野生きのこ(おそらくチチタケ)が、1キログラム当たり100ベクレルの基準を超えて、8月2日に出荷停止となりました。

 きのこ以外でも、福島県の阿武隈川の全域でウナギが出荷停止になり、会津、南会津地区の熊肉も出荷停止になっています。
 淡水魚は、福島と北関東の広域で、出荷や釣りの禁止が続いています。

 また、長野県佐久市の野生きのこについては、昨年10月に、
野生キノコのチャナメツムタケから、1キロあたり1320ベクレルの放射性セシウムが検出されて出荷停止が講じられたため、現時点では長野県のHPに、出荷自粛の掲示が出ています。
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/qa/seigennagano.html

 
◆ セシウムのうち137は半減期が30年ですから、山林の放射能が大きく下がるには長期の時間がかかります。
 福島県内のほか、とくに北関東エリアは、野生きのこへの影響は長期にわたる可能性があります。
 また、汚染は102市町村に一様に広がっているのではなく、最初の放射性物質の降下がまだら模様でしたし、時間がすぎるほどに局地的に滞留・濃縮されたり、風や雨水によって移動もします。
 湿地や河川・湖沼の底に長くとどまって、生態系を循環することもわかってきました。

 野生の生態系のなかで、きのこと放射性物質との相互作用、きのこへの放射能のとりこみの実態についても、いま、きのこ(菌類)研究者が調査をすすめています。

 もともと、福島原発事故が起こる前から、きのこの図鑑の記述や研究では、野生のきのこが特異的に放射性セシウムを吸収することが知られてきました。

 チェルノブイリの住民被ばくでも、
 牧草→ 牛→ 牛乳→ 子どもたち
 というメインルートのほかに、野生きのこが介在したルートも早くから指摘されてきました。
 
 日本の生態系のもとで、山野に降った放射性物質が、今後どのような移動や作用をするのか? その循環のなかで、野生のきのこは、どういう役割をし、人に影響を及ぼすのか? 生態系の汚染や、除染と同様に、未知の問題があります。
 予断を戒めてしっかり追跡し、記録に残し、防御に役立てることが大事ではないかと思います。


◆ さて、そこで、1キログラム当たり100ベクレルなどという基準は、どう考えればいいのか、というそもそもの問題があります。
 福島で農業コンサルタントの仕事をしている私の高校時代以来の友人は、先だって、電話でこんなことを言ってきました。

 「福島市の固定測定地点の線量は、新聞で報道されているように毎時0・7マイクロシーベルトまで下がってきた。でも、福島駅前の監視ポイントの電光表示は、いまでも0・9とか、1・0弱もある。1年に直すと、とんでもなく高くなる。」
 「避難した人、残る人、どちらにとってもきびしい状況だ」

 この値は、年間では、単純掛け算で8・76ミリシーベルト。戸外に半日で減らしても4ミリシーベルトにもなります。市の全域が除染対象レベルです。
 駅前ですから、除染はしますが、山野に囲まれた福島盆地では、チリがすぐに撹拌されて、値はちっとも下がりません。

 ちなみに私の実家は、駅から南に4キロ付近。3回自主除染をしましたが、去年5マイクロから2マイクロまで下がり、今は0・8。それ以下にもっていくのは難しくなっています。

 事故から1年半がたとうという県庁所在地の駅前で、いまだにこんなに高い値が続き、そこで20万を超す市民がくらしています。
 それでも福島市の値は、国が避難地域と定めた市町村にくらべれば、なをずっと低いのです。

 この問題を、今回は、きのこなどの食品の摂取や、大気中の汚染物質の吸入による内部被曝の面からも考えたい。
 事故直後の当時の私の日記で、100ミリシーベルトの基準の偽りについて指摘してきました。ここには、絶対安全圏などということは確かめようもない、未知の問題もあります。
 追って、コメントで書いていきます。
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コメント

放射性物質を体内にとりこむ内部被ばくは、極力最小をめざしたい
◆いまの福島の事故でも、ICRP(国際放射線防護委員会)の基準に沿って、いろいろな被ばくにかかわる基準が定められ、考え方が示されています。
 例えば、
 一般人の年間被ばく線量の上限 1ミリシーベルト。
 放射線業務者の年間の上限   50ミリシーベルト。
 緊急時 被ばく防護の目安  100ミリシーベルト。
 復旧時 同          20ミリシーベルト。
 帰還の線引き(避難地域)   20ミリシーベルト。
 などが、それです。
  
 これらの線引きには二重三重の問題点がはらまれています。
 大きな問題点は、「被ばくによって発がんなどの影響が現われるのは、100ミリシーベルト以上から」という大前提にたって、より低線量の被ばくは健康への影響がない、という考えで、事が決められていることです。
 100ミリシーベルト以下の低線量の被ばくは、切り捨てられる仕組みになっています。

 そのことと深くかかわって、同じ被ばくでも、体内にとりこまれた放射性物質による内部被ばくの影響を独自に検討しない見地で、基準が立てられてきたことは、基準とそれにもとづく対策とに、より大きな穴を残しています。

◆内部被ばくは、放射性元素(放射性原子)を体内にとりこんだときに起こります。放射性原子は、電離放射線を出して、別の放射性原子に変わる連鎖的な変化を続けます。このときに出る電離放射線は、強いエネルギーをもち、分子に衝突すると、分子内の化学結合を断ちます。
 しかも内部被ばくでは、放射性原子は接しているすぐそばの人体各部位の生体分子を構造を切断することになります。

 1000ベクレル分の放射性原子を含んだ食品からは、毎秒1000個の放射線が飛び出して、周囲の生体分子を壊しにかかります。
 その放射性原子が人体に存在する数週間とか数ヶ月に渡って、ずっとずっと。

 仮に毎秒1000個で3週間としても、壊変による減衰を無視すれば、
 合計181億個!
もの電離放射線が体内で放たれることになります。

 現在の食品基準のキロ当たり100ベクレルでも、安全と思って食べ続けて体内に1キロが常にとどまれば、3週間で18億個の放射線を、体内の細胞は浴びることになります。

 このとき結合が切断されるのは、体を形づくる分子だけでなく、細胞の働きをコントロールする遺伝子(DNA)もまた、電離放射線によって切断されます。
 DNAは、切断された部分の化学結合を修復する働きがあります。しかし、壊されすぎて修復不能となったDNAや、再結合の際に誤った位置で結合して、遺伝情報が誤記されるDNAも生まれてきます。
 DNAのこのような破壊は、細胞の癌化や未来の世代への遺伝的影響となって現われる危険を高めます。
 
 同じDNA破壊作用は体の外から満遍なく放射線を浴びる外部被ばくでも起こります。

 しかし、内部被ばくの場合は、
 *微量の放射性物質でも、体内で細胞の直近で電離放射線を放つことで、強いエネルギーと集中的な破壊力をもつ、
 *体内に取り込まれた放射性物質があるかぎり、切断・破壊が継続する、
 *特定の放射性原子は特定の臓器や骨などに集中してとどまり、局部に深刻な影響を与える、(放射性ヨウ素や、ストロンチウムなど)
 などの事情から、より少ない放射性物質によっても人体に大きな影響を及ぼす可能性があります。

◆ここまでの機構は、放射能の人体への影響について、どのような立場にある研究者であっても、大部分の研究者が認める基本的見地です。
 放射性物質を体に取り込む、あるいは吸い込むことによる内部被ばくの特別の怖さと防護の必要は、共通認識です。
 大きく意見が分かれるのは、内部被ばくのその影響の程度、見積もりです。
 これに関連して、外部被ばくであれ、内部被ばくであれ、体内の細胞の働きと遺伝をつかさどるDNAが破壊されたときの、DNA自身の修復能力をどのくらいに見積もるほかという問題もあります。

 放射能を体内にとりこめば、それがどんなにわずかであっても、取り込んだら取り込んだだけの、分子の破壊作用は起こります。
 しかし、その影響は、意見が分かれる。また未知の問題もある。でも、事はほんとは大きい。
 
 こうしたもとで、国際基準を示すはずのICRPは、内部被ばくの独自の基準を定めていません。
 それだけでなく、内部被ばくの影響そのものを考慮せずに戦後、ずっと走ってきている。
 それにもとづく国の事故対策でも、内部被ばく問題に特に焦点を当てた基準や対策はありません。食品の基準も、外部被ばくの基準である「100ミリシーベルト」から演繹し、あるいは内部被ばくの独特の怖さを見ない安全基準を示しているだけです。
 

◆なぜか?
 内部被ばくの影響について、世界でもっとも厳しいラインを提唱しているのは、欧州諸国の研究者らで構成される「欧州放射線リスク委員会」(ECRR)ですが、そのECRRの「2010年勧告」は、次のように書いています。
 「NCRP=アメリカの国家放射線防護審議会は、(内部被ばくを検討してきた)第二委員会の審議を即刻打ち切ってしまった。・・・これこそが放射線リスクのブラックボックスがまさに封印された瞬間であった。」
(2010 Recommendations of the ECRR――
The Health Effects of Exposure to Low Doses of Ionising Radiation
「放射線被ばくによる健康影響とリスク評価――欧州放射線リスク委員会2010年勧告」)

 この勧告書にある内部被ばくの影響の数値は、ちょっときつすぎるように個人的には思います。同じ被ばく線量でも、内部被ばくは、外部被ばくより2ケタ以上大きな影響を人体に与えるとしているからです。

 しかし、被ばくという問題の科学的な、そして被ばくさせられた側の立場にたった探究というのは、まだまだわかっていないことが多くあること、そして、そこには「核」をめぐる国々の事情があることを、思っている次第です。

 野生きのこを食べていいのかどうか、という単刀直入な問いへの直接の情報にはなりませんが、放射能を知るということがいかに大変かを感じます。
 そして、放射能はなるたけ体内には取り込まないようにしたい、というのも、やはり真実です。

 次は、年に数回だけはクリーンヒットといえる番組を作ってきたNHKスペシャルの、被ばく問題でのこの夏のGood Job! について書きます。
2012/8/17 12:35
NHKのGood Job! 「黒い雨〜活かされなかった被爆者調査」
 (8月6日(月)放送)

 それは長崎でより広域の被ばく問題の調査に参加していたある医師の、一つの疑問から始まりました。昨年9月26日のことです。
 何度要求しても存在しないとされてきた「リポート」を、アメリカのオークリッジ国立研究所のサイトで、発見したのです。

 リポートは「黒い雨」の人体に及ぼす急性期症状を分析したものでした。 広島7万5100件、長崎2万4900件分。当時、アメリカ占領軍が設けたABCC(原爆傷害調査委員会)が被爆者に聞き取り調査をしたデータをまとめたものでした。
 リポートには、広島の爆心地から1・6キロから数キロも離れた地点で黒い雨を浴びた236人に、発熱や嘔吐、下痢、血便、脱毛などの急性症状が高率で認められたと記述されていました。

 このデータは、ABCCと、放射線影響研究所(日米政府共同で設置)による共同の調査をまとめた「広島長崎の被爆者調査」の一部でした。50年以上にわたってその「存在」も「公開」も拒否されてきたものでした。

(実は私、tanigawaも1986年に、黒い雨の降雨地域の調査データをもとめて、広島の放射線影響研究所に出向き、「何も残っていない」「雨と被ばくの因果関係はわからない」と断られた体験者です。)

 昨年12月1日、このデータの手がかり発見した医師の本田孝也さん(長崎県保険医協会副会長)は、厚生労働省内で記者会見し、「黒い雨」によって被ばくした データ1万3000人分が広島の放射線影響研究所(放影研)に存在するとして、「被爆者のために直ちに公開を」と訴えました。
 なんとその直後に、存在しなかったはずの聞き取りデータが放射線影響研究所が保管していたとして、公開されました。

 本田医師ら多くの医師がこの問題に取り組んできたのは、「爆心地から2キロ以上離れた地域の住民の調査資料はない」という放影研などの態度のために、多くの被爆者が被ばくを裏づける公的な証拠なしに、困難な原爆症認定集団訴訟をすすめてきたからでした。
 それでもこの訴訟では、被爆者の訴えを裁判所が合計19回の判決の全てで基本的に認めてきました。(国とは2008年に和解・補償)
 それが、いまになってやっと、被ばくの実相を科学的につかむ資料が出てきたことになります。

 NHKスペシャルの後半で紹介されていましたが、この13000人分の被ばくデータは、福島原発事故の今後の対処のうえでも大事な意味をもつと見られています。
 それは、爆心地から2キロ以内、外部被ばく線量100ミリシーベルト以上(ABCCの勝手な見積もり)に限るとしてきた被爆者の線引きが、初めてデータにもとづく科学的な調査の検証に、これから立たされるからです。

 いまの福島の事故でも、ICRP(国際放射線防護委員会)の基準に沿って、いろいろな被ばくにかかわる基準が定められ、考え方が示されています。
 
 これらは何をもとに定められてきた基準なのかといえば、もっとも大量の、かつ各段階の被ばくデータが収集された広島、長崎の犠牲者、被爆者のものが、一番のよりどころでした。

 ところが、その原爆被ばくデータには、科学的な検討が避けられてきた、大きな欠落部分がありました。

(1)まず、直接の爆発時の放射線による瞬間的な被ばくだけを問題にして、2キロ以上を排除してきた。(ガンマ線や中性子線だけを考慮して、ベータ線の影響を評価してこなかった。)これでは、爆心地での残留放射能による中長期の外部被ばくや、広域に飛散・移動する放射性物質による、広域の住民の外部被ばくを考慮されません。

(2)爆心地でも、飛散地域でも、放射性物質を体内にとりこむことによる内部被曝は、まったく問題にされていません。

 このうち、とくに(2)の内部被曝は、その後の国際的な検討のなかでも議論が分かれ、内部被曝の独自の危険を考慮しない基準が、いまも通用させられている分野になってきました。
 NHK番組では、被ばくにたいしてこういう線引きがされた背景として、「原爆は狭い地域にごく瞬間的に影響を与える」兵器であること、犠牲者を拡大したり、長期にわたって放射能の被害を続ける兵器ではないことを「証明」するために、広島、長崎の影響調査がおこなわれたことを指摘していました。

 放射能の影響を全面的に明らかにするのではなく、「核」の効果を期待通りに証拠立てるために、放射能被曝の現実が最初から隠されたことを、番組はアメリカ現地取材と当時の調査メンバーの証言からも明らかにしていました。

 この問題が問われた原爆症認定訴訟では、全国の地裁・高裁で、原告被爆者側が国相手の行政訴訟で19連勝をし、国が原告全員の一括救済に合意しています。
 判決のうち、2011年12月の大阪地裁(山田明裁判長)では、

「誘導放射化物質及び放射線降下物を体内に取り込んだことによる内部被曝の可能性がないかどうかを十分に考慮する必要があるというべきであり、加えて、内部被曝による身体への影響には、 一時的な外部被曝とは異なる性質が有り得ることを念頭に置く必要があるというべきである」

としました。

 しかし、福島原発事故では、外部被曝の一部だけを取り上げた問題のICRPの基準にそって「復興」指針が立てられています。
 50ミリシーベルト以下のところへ住民も役場も一斉帰還させる方針も実施が進められて、住民のあいだに分断が進められています。

 子どもたちの継続的な健康調査のための国の制度をもとめる要望は、却下されました。県が自主的にこの制度を自力で開始しています。
 市町村長さんらは、全住民に被ばくと健康調査のための「手帳」と責任ある制度を設けることを求めていますが、国は答えていません。
 農家にたいしても、事故前の所得を無条件で補償する要望に答えずに、福島の果物や野菜、コメ、地酒、温泉と観光産業は、実害と風評被害の荒波にさらされ、買い叩かれています。
 除染の効果は限られていることは、体験からはっきりしています。
 「復興」どころか、いま避難している16万人と被ばくを心配するさらに多くの人びとが、郷里にもどることも、住み続けることもできなくなる可能性もあります。

 
 地震国日本で、次はどの地域が「フクシマ」になるかわかりません。
 繰り返さないための先決問題が、ヒロシマ、ナガサキの被爆の現実を根本的に再検討して、放射能から福島と汚染地域の人々をまもる新しい基準と健康管理制度をつくることだと思います。
 そのための全住民対象の科学的な健康調査と研究、医療面での支援体制が必要です。
 併行して、福島の住民と経済社会を放射能の被害から守る体制をとる真面目なとりくみを進めなければなりません。
 こうしたとりくみのなかで、地域社会が原発及び原発事故と共存できるのか否かも、いっそう明瞭になると思います。
 
2012/8/17 15:20
RE: 継続する野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題
tanigawaさま

詳細なレポ、ありがとうございます!

山レコ内だけでなく、世間に広く知らしめ、真剣にこの問題と向き合えればと思いますがはがゆいです。
2012/8/17 18:37
RE: 継続する野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題
 gogo1528さんへ。

 きのこなども具体例にして、全貌をまとまってつかまないとなかなか事情や独特の危険がつかみにくい問題なので、長く書いてしまいました。

 おつきあいいただいて、ありがとうございます。

 未解明な問題は、それとしてきちんとマークし、新しい知見と認識を得ながら、生命と健康をまもる問題に向き合って行くということが、放射能の問題ではとくに大事と思っています。
 怖いと思うだけではいけない。程度を見定めて、的確に備えるところまでいく必要があります。

 暗中模索という点では、先月の時点になって初めて、福島の三春町役場が、襲いかかる放射能の雲の最大レベルの時期を、懸命に見定めながら、住民にヨウ素剤を服用させるとりくみをしていたことを知りました。

 ヨウ素剤の件は、あの事故開始の2日目、ベント開放の措置が検討されていることが報道されたときに、ここのヤマレコ日記に私が書き込んだ問題でした。
 「放射能を放出するなら、住民にヨウ素剤の服用を!」と。

 独自に町の知恵を集め、情報を検討し、自主的にとりくんだ町があったことを知ったことは、感激でした。
 この町は原発から30キロ圏に一部がはいるかというところ。よくぞ、ヨウ素剤を気にかけていたものだと思いました。

 滝桜の三春町には、高校時代に野球部の練習試合で、この町の高校に出かけたことがありました。
2012/8/17 20:35
RE: 引きつづく野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題
解明されている事実や未解明な問題などいろいろありますが、放射能については様々な立場からの思惑もあり、なかなか真実必要な道が示されませんね。

何が大切なのかを順番つけて考えていかないと、問題山積みすぎて解決できないようです。
自治体の中には真摯に向き合おうとしているところもあるのですね!
人間としての良心にホッとします。

未来に生きる子供たちや若者に、負担を大きく残したくありません!

山、自然を愛し徘徊しておりますが、事故の後も一見以前と同じ景色が広がっています。

色も味もにおいも無い放射能。

つい、口にしてしまう水、顔をほころばせていただく山の恵み…

もし放射能に色がついていたら…悪夢です。
いや、どぎつい色がついていたら良かったのかもしれません!

わたしたちが享受したありがたい恵みを、次代をになう子供たちにも残したいです。
人間が自然を守るなんていうのは思い上がりに過ぎません。
自然に守られてやっと生きていけるのが私たちですものね。
2012/8/17 22:11
RE: 引きつづく野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題
『黒い雨』の降った地域を認めずにきた日本。
福島原発事故が起きた時に、私は、いや多くの広島と長崎の人は、放射性降下物について心を痛めていたと思います。
(現在も、放影研は認めない立場をとっていたように思います)

原爆当時を知る人達や、被爆体験を聞いてきた若者たちは、次に起こるであろう惨事を知っているのです。
千葉に住む私の同級生は事故後すぐに子供をつれて広島に帰ってきました。
「だって、被爆したくないもん」
知らないということは怖いことです。
特に放射能に関しては、大袈裟なくらい慎重になるべきです。
学校でもっとしっかり教えたら良いと思います。
『生き残る術を・・・』

tanigawaさん、いつも詳細な情報をありがとうございます。
2012/8/18 0:50
RE: 引きつづく野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題
 gogo1528さんへ

>解明されている事実や未解明な問題などいろいろありますが、放射能については様々な立場からの思惑もあり、なかなか真実必要な道が示されませんね。

 いま福島に強要されている基準は、年間100ミリシーベルトを下回ればよい、というICRPの考え方です。
 しかし、その中身をよく見ると、外部被ばくのみの基準であり、しかも100ミリの被ばくでも、0・5%の人に発がんが現われる。

 0・5パーセントは、1万人ならば50人、10万人の被ばくならば500人ですから、これはけっして小さくない。0・5という数字のまやかしです。

 しかも、この考え方では、より低線量の被ばくの確率的影響は「足切り」にされている。
 実は、原爆でも原発事故でも、100ミリの被ばくの背後には、数ミリ〜数十ミリという線量の被ばくを受けた、ずっと多くの人びとがいます。
 そこには、より小さな確率がかかるけれども、母数の人口が大きいだけにより大きな犠牲者が出る可能性がある。

 (さらに、事故が最悪の経過をたどった場合、政府やアメリカNRCのシナリオでは、首都圏の数百万人にこの前後の被ばくの危険が及ぶと想定されました。)

 ですから、現時点で、放射能問題でかなり「安全神話」にたつ側の議論にそくしても、事故でも大丈夫とはとてもいえないのが事実です。

 そのうえ、今回問題にしてきた「穴」「盲点」が、この被ばく問題にはあります。
 真摯にこの問題に向き合えば、子どもたちの健康診断や住民の「被ばくと健康管理の手帳」などの制度は、国がおこない、継続的な監視と手だてをとるべきものだと、思っています。

 その際に、内部被ばくの危険性についても、そもそも国際的にも確固たるデータはないのですから、科学的にも真摯に向き合って、解明と手だてを考えてゆくべきです。
 
 福島県は健康管理については、前向きに進もうとしています。市町村もがんばっている。
 全国の応援・支援の目がそこに向けられることを願っています。
2012/8/18 7:23
RE: 引きつづく野生きのこの放射能汚染と、内部被曝問題
 mantenmomoさんへ。

 「黒い雨」の問題では、この夏に向かって大きな動きが続いてきたので、きっと、気にかけておられたろうな、と思ってきました。

 今度の資料公開は、まだ一部です。
 私が1986年に追究したときは、放射線影響研究所の研究者で、戦後を通じて黒い雨による被ばくの聞き取り調査をされて、亡くなられた研究者のことも、調べました。
 彼の資料も、まだ全貌は出ていないと思います。

 ヒロシマ、ナガサキのこれらの本当の被ばくの姿を土台にして、フクシマの支援や解明もすすめようという動きがあることは、大事な点だと思います。

 若い研究者、医師らががんばっていることも。
2012/8/18 7:29
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