私の返信とあわせてアップします。
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はじめまして。
tanigawaさんのHP拝見させていただきました。まだ全て見尽くしてはおりませんが楽しみに拝見します。
メールをしたのは、山ブドウについてですが、自家製ピザ生地の発酵にドライイーストを使っていたのですが、天然酵母の存在を知り、干しブドウの酵母を育て使ってみたところ味の向上が見られましたので、じゃ自生の山ブドウでやってみたいと思い検索したものの「難しいよ」のえっへん!記事ばかりでがっかりしていたところ、tanigawaさんのHPを見つけました。
私、生まれが栃木県の那須で山ブドウでも山イチゴでもアケビでも、子供の頃には山にちょっと入ればどこにでもあったものですから、秩父の山に行ってみたところ・・何も無いんですね。栃木の那須は放射能で帰れなくなってしまいました。
不躾なお願いとは重々承知していますが、tanigawaさんが奥利根で採取した山ブドウの採取場所のヒントを教えていただけないでしょうか。どこの道からどっちの山に入るなど、差し支えない範囲でご教授いただければ幸いです。
よろしくお願いします。お返事お待ちします。
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Tさん、メールをいただきました。
ブドウの酵母で発酵させたピザ生地とは、初耳です。
私は、ピザは大好きで、この日曜日も食べにでかけたばかりでした。
比較的近い場所でピザがおいしい店は、神奈川県の津久井町にあり、とても満足して帰ってこれます。
ピザ生地は、酵母で発酵させて、あの、ふんわり感と香りを出しているんですね。
しかも、酵母にそこまでこだわるとは、尊敬の念を抱いてしまいます。
そのTさんにお返事するのに、帰りの電車でもちょっと悩んできました。
私は山菜でも、きのこでも、問い合わせにはおおざっぱな地域しかお伝えしない主義なんです。
それは資源涵養、保全という意味もあります。大事にして、おすそわけをいただく付き合いをすれば、山の幸は探索する者に、毎年、しっかり応えてくれるからです。
また、探索が初めてでも、その気になってフィールドを探索すれば、かならず前進があり、幸運な機会にも恵まれるものだからです。
ですから、私自身が一定のお付き合いをしてきて、いっしょに出かけて現場をともに体験できる方をのぞいては、具体的に特定できる紹介は、抑えてきました。
でもTさんが、山ブドウを求める気持ちはわかります。
どうするか、悩みました。
でも、やはり原則を貫くことにしました。
おおざっぱですが、頑張れば当たりをつけやすい発見方法をお伝えします。
私のサイトにも書きましたが、山ブドウのうち、その年の秋に実を付けるものは、20本に1本というぐらいの頻度で遭遇します。ですから、探索中に実を付けた山ブドウに出合う機会は、限られてきます。
そのうえに、大半の山ブドウの実は、樹木の高い位置に絡んでいたり、道路から離れた崖の向こうにあったりと、手が届く場所に生えているものは2割くらいしかありません。
ですから、50本とか100本とか、できるだけ多くの山ブドウのツルを探せば、それだけ山ブドウの実に会える確率は上がります。
登山をしていると、山ブドウの実は、場所によっては日に数回は出合います。
山ブドウは日当たりがいい位置を好みますので、これもその場所でどこを探すかの見当になります。
奥利根のエリアで、たくさんの山ブドウのツルに出合えるところは、林道や車道が谷筋に分け入ったところの、日当たりがいい側の斜面です。登山者が使う登山用の地図(奥利根は、「谷川岳」という登山地図)を使うと、目星がつきます。
とくに9月後半以後は、葉が濃い赤色〜赤ワイン色に真っ先に紅葉しますので、遠目にも良い目印になります。
なお、奥秩父もけっこう山ブドウを目にします。
Tさんは見当たらないとおっしゃっていますが、おそらく葛(クズ)が繁茂して山ブドウの繁殖エリアが脅かされている地域のことではないかと思います。
奥利根でも、温泉宿やダムがある標高あたりでは、山ブドウはクズに場所を侵食されて、ほとんど見当たりません。人里を離れた深山エリアでも、温暖化のもと、山ブドウは生息エリアを追われています。
クズが見当たらない標高まで林道等を上がると、山ブドウがいっぱい生えているエリアが、奥秩父にも、奥多摩にも、奥利根にもあります。
ご健闘と、幸運を祈ります。
tanigawa
tanigawaさん、Mikuniです。
お気持ちよーくわかります。どこかで聞いた話しですが、天然の舞茸の場所は誰にも教えないひとがいますよね。私のホームゲレンデはご承知のように丹沢ですが、丹沢でワラビに出会ったことは一箇所しかありません。まあ、普通の登山道しか歩きませんから。場所は大平です。昔昔ですが、高校の山岳部の頃必ず春にはワラビ取り山行がありました。大阪府と和歌山県の県境の山で日帰り。ワラビを取ってワラビ入りの五目飯、ワラビ味噌汁、ワラビおしたし、が定番メニューでした。最後にワラビを食べたのは記憶にありません、発ガン性があるとか! 全然気にしませんけど。
ワラビの採取記録は、17才の時、一日で六束取ったことがあります、本数にして300くらい?
すみません、山ぶどうの本題から外れまして。
こんばんは、tanigawaさん<(_ _)>。
実家が小さい山の土地を持っています(二束三文ですが…)。
少なからず、土地の所有者がいると思います。国の場合もありま
すが、その場合でもそれに関係する法律があると思います。山の
ものは父が言うには、「持ち主の人が大事にしているもんは手を
出してはいけない。茸や植えてあるものがはっきりとわかるもの
だったりは絶対にいけない。持ち主がいれば、その山は人が定期
的に入っている跡があるはずだ。そういう場所は避けた方が無難
だ。人の手が入っていない場所に関しては採り尽くさないように
自然から分けてもらうんだ。」とのことでした。まあ、自然を大
事にする心があれば、当然のことですね。
山菜や自然の果物は探すことに楽しみがありますから、自分で
探すよう勧められたtanigawaさんの懸命なご判断に拍手です(^O^)/。
自分は怖くて、茸には手を出せないので、春にタラの芽を中心
に捜索しています(^^ゞ。
Mikuniさん、こんばんは。
>お気持ちよーくわかります。
メールで依頼されてきた方が、とても真面目な方と感じたので、今回は悩みました。
山菜でも、山ぶどうでも、相手にする人が、その生物の保全にまで気持ちをめぐらせて相対するには、やはり一度一度の出合いを大事にすることだと、私は思っています。
初対面までに苦労したり、どうしたら出合えるのか、対象の1年を通しての生存のサイクルなどにまで、気持ちが向くようになると、山菜も食べるだけの対象ではなくなって来るように思っています。
丹沢と道志は、いろんな思い出があるエリアです。初物のワラビは無上のものですね。
sugibozuさん、個人の地主がいる場合、または国有林の場合など、ヤマレコでも法律上の問題が具体的なケースで語り合われたことがあり、私も勉強になりました。
個人の地主がいれば歴然としていますが、奥利根の一定のエリアでは、地元の県が体験学習の場として、ブナ林とのふれあいを奨励しているところもあります。
そういうところでも、法的に厳密にはは採集は許されておらず、実際上、節度ある採集が大目に見られている、という実態があります。
しかし、きのこを蹴飛ばしたり、よそから来て山菜を売るほど採集したりと、現地を再生不能に追い込むような場合もあります。
これにたいして、今回の問い合わせの方は、山ブドウから干しブドウを作り、「酵母」を得るというささやかな要望でした。
そうではあっても、いまの全体状況をよりよくするうえで、苦労の体験はやはり大切です。
大繁殖する葛に追われて、山ブドウのエリアはどんどん縮小しているように感じます。
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