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私が買わずんば誰が読む、と言われている気がしたので(一体誰に?)札幌の山の名店『秀岳荘』に電話して取り寄せた(梱包が●●丁寧で料金ボーンで驚いた)。
手にして読んで一気に引き込まれたか、と言われたら、、、、。
私事であるが、日高山脈には人一倍思い入れがある。特に数多流下する渓谷群には。
私が日高山脈に係ったのは大学山岳部入部の1990年6月から北の地を去る1999年9月までの10年にも満たない期間で、その関わり方にも随分な斑がある。
沢登りの足跡は実質1998年と翌1999年に絞られる。今思い返しても、私にとっての宝モノの二年間である、日高(ヒダカ)は。
困難な直登沢の計画を立案し実行に移すと、その源頭部に「札幌教育大学WV部OB 島田」という日付入りの色褪せた赤布(デポ旗)をちょくちょくお見掛けして、同種同類嗜好の沢仲間が居ることに心温かくしたものだった。1999年には札幌の社会人山岳会の方々(沢好きの殿平氏他だったと記憶する)と飲む機会もあって、このまだ見ぬ「島田氏」情報を仕入れようと試みたものの、薄ぼんやりとした情報しか得られなかった(当時は今のようにネットで検索なんて時代でもなかったのだ)。いつの日か山中でバッタリお逢いする機会もあろうかと思っていたけれど、それは訪れることなく私は北海道を去り、また日高を去った。
その後、岳人誌のクロニクル欄に中部日高の直登沢やマニアックな支稜踏破の記録を投稿されるの見て「ああ、この方だったか」と改めて認識した。
また後年、服部ブンショウ氏が例の日高山脈サバイバル遡下降縦走の際に島田氏とバッタリ会った話を聞かせてくれたことがあり、あの方はまだ登り続けているか、と深く感心した。
それら集積が、今回の本だ。
読めば、後の伴侶となる内藤和子氏との上級直登沢の遡行(1980.8のピリカ南面は好記録)や、積雪期縦走が、懐かしの秀岳荘オリジナル赤ヤッケで成されている。ワンゲル部の後輩達との山行や、「命を賭けて行くか」のサシビチャリ川ルベツネ山北面直登沢単独(大滝は左岸を捲いている!)と、決して仲間に恵まれた環境でないにもかかわらず、自らの強い意思の元で日高山行を塗り重ねている。
一回り以上も年上の、それも校長まで勤められた方が上梓した御本にとやかく言う筋合いも無いけれど、一言。
私家版で編集自由なのだから、カッチリした成功山行のみの掲載ではなく、失敗山行を重ねた上での過程こそが貴くそんな記録を読みたがるのは私だけか。「(だから)成功山行にロクなものは無いんや」の和田城志氏の名言もある。それらを整えるのはまた別の大変さはあると理解はするのだが。
【それを思うと、日比野和美氏の「百山百渓」は一山行に見開き一ページで遡行図、記録(紀行)文と、探究する側としては体裁が良かった。】
また、山頂縛りの記録掲載形態のために致し方ないのだろうが、ならば山行記録と時系列掲載の登山一覧、そしてルート図を関連付ける索引は欲しかった。多少なり土地勘がある私にしても、あっちこっちした上でようやく関連が判明する位だった。
苦言は以上として、好ましかった点を以下に。
遡行図はカッチリと素晴らしい。
自筆スケッチも流石に味わいあって本に花添えている。
写真もキッチリ収めてある。自撮り写真がチョト怖い【P.7,9,52,207】。
目次に続く日高山脈概念図のページをめくった次頁足跡図が圧巻!
1995年以降の40才辺りからは夏冬問わず、主に単独でボリュームある長期山行を成してみえる。禿げみに、いや励みになる。
ロンゲ気味の若き日から白髪交じりの中年を経て、現在「皆伐後、造林未済地」状態まで、約40年間で成した記録の集大成のこの厚みよ!
彼女(後年の妻)との二人日高なんて、最高だ。その奥方、、、、、。
「無名」の登山家の、貴い記録集。
最後に。この方も以前の日記に書いた「アップザイレン」氏だったことが正直、嬉しい。
http://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-110263
おお、Mr.アップザイレン氏。この本はまだ品切れなのでしょうか。
最近まで品切れだったけれど、数日前に秀岳荘のサイトでは買えるようになってました。チェキラ!
yoneyamaさんもあんだけ行っているんだから「買わねば」人です。
面白そうな本の紹介をありがとうござます。
たった今秀岳荘に注文しました。
送料込みで3,600円でした。
borav64m様
「macchann90が言っていることと内容違(ちゃ)うやんけ」ということでしたら私が責任を持って買い取りますのでご安心下さい。
貴殿の仰る通りに「アレ」は恥ずかしい買い物ではないと私も思います(先週私も親に頼まれて買ったところなので)。
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