このレベルはきっと今年最後の増水だろうと思い、眺めた。
今年一番の増水振りだった。ガンガーだか、ユーフラテスだか、三江併流だかを思い出す。
これで汚された河原もキレイサッパリとすることだろう。
腕組みして見る自身を客観的に俯瞰するに、どうしてもラズウェル細木「酒のほそ道」第一巻第一話を想起してしまう。
増水した川へ様子見に行った老人が、流されてしまう。
流されてしまう危険をも顧みず、それを押しても見に出かけてしまうその性。
わかるんだよなあ、その気持ち。
という話。
俺も判る。
その流れの直ぐ傍に立ってみる。流されたら、それこそ一巻の終わりだろう。
この濁世に、いや濁流に引き込まれてしまうような心理の人も今の時代なら居たりするのだろうことを想像してみる。
だがしかし、私は引き込まれない。
流されない。
きょうは僕も増水の川を何分も飽きずに見ていました。増水の川はいろいろなことを考えて、とてもおもしろいです。みんなちっとも立ち止まって見てくれない。車ばっかりじゃ無理かも。
昨夕、段取り不足の家内のお陰で、買い物袋をぶら下げて川向うからこちらまで、三キロほど歩く機会を得ました。一日に何千と通るであろう車に満ちた橋から、増水した川を眺める暇人はどうやら私だけのようでした。
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