始めてなので会員にもなってみた。十何年振りのことだ。
ナヌ〜、今日日旧作なら一週間100円!とな。
アイカツ(挨拶活動、ではなくアイドル活動とのこと)とハイキュー(排球)と「破戒」とを借りた。
映画鑑賞の私の今の関心は邦画にしか無い。何故だかは私にも判らない。
「破戒」;いましめを破ること。特に宗教で、戒律を破ること。
島崎藤村原作、市川崑監督作品の1962年版。
主演は市川雷蔵で「ぼんち」に続く作品とある(これも不思議と印象に残る映画であった)。37歳、ガンで亡くなった夭折の俳優で、何とも艶めかしい男である。
正直な所、恥ずかしながら被差別部落に材をとった作品とは知らずに観てしまった。
個人的な話になるが、私は学生時代に本読みをする習慣を殆ど持たなかった人種で、漱石や湯川秀樹、畑正憲なぞをチョチョッと読んだ位で大学に上がってきてしまった。
そんな中で高校生時分の数少ない読書歴に挙がるのが若宮啓文著「ルポ 現代の被差別部落 (朝日文庫)1988/12」だった。朝日新聞長野版での連載を元に出版された本の文庫化で、実名や地図が示されていたことも手伝ってこの本によって私にとっての長野県≒差別意識の強い県との歪んだ認識が植え付けられたほどであった。
尚、若宮啓文氏には2013年出版のちくまプリマー新書『新聞記者 現代史を記録する』もある。
丑松の苦悩する様が、実に生々しく描かれている。三國連太郎も告白するその強い意志を感じさせる好演だった。
教師の側にすら差別意識の強く残るこの時代に、出自を明らかにした猪子蓮太郎の決然とした様は見るものに促すもの多く、それに連なる困難が描かれている。それに伴って敬慕する丑松の苦悩も深まる。
藤村志保も存在感があった。デビウ作のこれにて各種新人賞を受賞したとのこと。なお、芸名は本作役名に因んでつけられた。
中村鴈治郎、杉村春子、長門裕之、岸田今日子と、印象に残る演技だった。浦辺粂子はこの時代からして最早こんなだったとは。
風間敬之進役の船越英二が他人事に思えない。
当監督は文学作品の映画化には定評あるとのことで、遠からず「野火」も観たい。
何故だかは私にも判らない。というのがいいね。
図書館に行けば邦画は名作ばかりをそれこそ見放題。ほとんど借りられていないけど。いつかカレンダーレッドマンになったら端から見たい・・・などと言いながら腰弁人生はあと7年続くのだろうか。
今の私は、2時間を映画鑑賞に捧げるという時期ではないようだ。何故だかは私にもまだ判らないけれども。
米山様
偶然にも長野県出身の、それも筑摩プリマーの方からコメント頂き嬉しく思います。
えっ、図書館に邦画DVDがあると! し、知らなかった。
私はこの歳になってやっと二時間を読書にも捧げられる齢になりました。しかし老眼進んで読み憎くもなりました。
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