以前なら、一字一句見逃すことなく読んだものだったが、ここ最近は登山に対する意欲の減退から、いやそうではない老眼が進んでズクが無くなったというのが正直なところである。
アダムオンドラが世界初の9c/5.15d初登!!!!!! う〜ん、理解不能。
「御前岩」が特集に挙がっているが、一部の”オールドスクール”出身者と、かの地の情報を得て知る人とにビンビン来る記事だったのか。
P.22の、30年を経ての同構図が凝っている。徳永さん、誠にご苦労様でした。
なお、プロジェクトは出版直後にアダオン共に設定していた安間佐千氏によって登られた模様で、国内最難である5.15a!とのこと。Maturity(2017/12/22)。
第二特集の「クライマーのためのメンタル特集」の筆頭が中嶋氏であることは極めて妥当に思う。欲を言えば、自己分析に長けた安間氏にも大枠インタビゥ願いたかった。
「それぞれのカラコラム」は素晴らしいレポートだった。
やはりシスパーレの平出=中島ペアの記録が質、内容共に優れていた。山頂への拘りを捨てなかった点が大いに評価されるべきだろう。山頂がなければピオレドールアジアの受賞も得られていなかったかもしれない。P.49は、額装して飾りたいような写真である。
【尚、第12回ピオレドールアジアに大西良治氏の偉業は選考に挙がらなかったようで極めて残念である。】
https://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-133663
「ベアトリス東壁」ビッグウォールフリーもずば抜けた記録だった。佐藤裕介氏の甲斐駒ケ岳Aフランケ“スーパー赤蜘蛛”フリーソロの経歴も大いに生きていることなのだろう。高所での、読み手の息も止まらんばかりのクラッククライミングのグレードは600m 5.13a!! ボルトの打ち足し無しか。こちらもわざわざアイゼン持ち上げ山頂へ。こちらの写真もまた素晴らしい。なお、P.54はじめ70,107,113,114のクラックもスバラスイ。
K7西峰に関わり続ける横山氏の拘りも良かった。
デナリ滑降の、加藤直之氏の手による記事は実に秀逸だった。
年末年始、テレビを持たない私が実家に帰ってホント偶々共に偶然目にした12/29深夜;NHK「デナリ大滑降(再放送)」、1/3早朝「デナリ大滑降 完全版」の当山行内実が、サポートとして入った加藤氏の目から語られるのだが、流石はアラスカ(滑降)に知悉した氏ならではの書き口切り口だった。これ位タイトな文章にお目にかかることは中々ない。随分な推敲が成されたことと思う。
それにしても主役佐々木大輔氏の胆力も(怪我をしない点も)流石であるが、早40か。1990年代当時としては(道内では)珍しく、若くしてアメリカを経験し高難度クラックも登れた方だったはずだ。
登場の新井場氏は、あの新谷暁生氏のアリューシャン遠征にも参加している。クーラカンリの三戸呂氏もスタッフの一人に名を連ねていた。
また、池田常道氏によるOn the scene フレッドベッキー氏への追悼文も背後のぶ厚い資料が透け見えて、中々書ける文にないことを感じた。
個人的に注目した記事としてはコリン・ヘイリー氏へのインタビゥで、2007年ウルタルサール南東ピラー挑戦の原初動機を是非聞いて欲しいところだった。上記佐藤氏に直接質問したことがあるが、明確な返答はなかった。
「・・・・・・ただ、その山で求められるすべてのことを正しくやりきることが難しかった。」
個人的に一番ウケたのは、倉上慶太氏一問一答中「メンタル強化の参考になった本等」の問いに「ブルース・リーの映画や格言」との答えだった。
ロクスノは今号も内容てんこ盛り。
これらを一冊に纏める編集部は大変な仕事を成していると感じた。ご馳走様でした。
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