小学校の娘らが持ち帰ってくる給食給仕のエプロンが週末に洗濯機に出され、土曜夕刻には洗濯が済んで乾いているのに、日曜になってもアイロンがけせず、登校日当日月曜朝になって慌ててアイロン掛けする家内のその行動様式に耐えられず業を煮やした私は、これを機にアイロン掛けを習得しようとやってみた。
思いがけず、その効用に感得した。
かつて一軒家で同居していた山岳部先輩の石橋さんや沢柿さんがワイシャツにアイロン掛けする姿を見て「この人たちは何故わざわざシャツにアイロンなぞを掛けるのか?」と全く理解できなかった。単なる育ちの違いか、私にはそういった習性は身に付いていなかった。
今日手にした内田樹著「もういちど村上春樹にご用心(文春文庫)」に、その私の心中を上手く表現した章が現れて、ハッとした(内田氏も離婚後、父子家庭で娘さんの育児経験があるという)。
それはP.263の「お掃除するキャッチャー」なのだが、
P.267『自分でお掃除や洗濯やアイロンかけをしたこともなく「そんなこと」をするのは知的労働者にとっては純粋に時間の無駄なんだから、金を払って「家事のアウトソーシング」をすればいいじゃないか・・・・というようなことを考えている「文学者」や「哲学者」たちは「お掃除するキャッチャー」の心に去来する涼しい使命感とはついに無縁である。』
「ライ麦畑で捕まえて」は未読なのでホールデン君の「キャッチャー」仕事は書かれている以上は理解できないけれど、感謝もされず対価も支払われない、けれど誰かが担わなくてはならない仕事というものが確かにあって、それによって実は人間秩序が保たれている、と。いや、それこそが大事なのだと。
掃除、選択、家事(育児!)、針仕事、雪かきに、、、、、アイロンがけ。
齢48にしてアイロンがけを知る。
内田の春樹論で読んだ読んだ、アイロンがけの話。
アイロンやぶさかでないんだけど、アイロンかけるシャツ今一枚も持ってないです。緊急正装用の一着以外は。未だに、アイロン無縁の人生です。
脱いだ衣類をきちんとたたんで枕元に置いて寝る男を見たのは、松っちゃんが初めてで、というかそれまで目に入っていなかったのか、僕も脱いだ服をきちんとたたむようになりましたワ。家族みんなの洗濯物もきちんとたたむようになったのはやはりここ十年ほどか。
yoneyamaさん
私もそうですよ、シャツなくアイロン無縁の人生は。
恥ずかしながら私は洗濯と干し、その取り込みで手一杯で家族みんなの洗濯物もきちんとたたむ域には達しておらず、今日から精進します。
こんばんは
ドイツ人は「食事作りなんて無駄なことせず、勉学に勤しんでいるからわが民族はノーベル賞も採れるし優秀なのだ」という文をどこかで見ました。
なのでドイツ人はパン、ソーセージ、酢キャベツの5分で出来る夕食を選んだそうです。(真偽はアヤシイですが)
そんなもんかと若い時は思いましたが、おばはんになった今、食事を作る、アイロンをかける(苦手ですが)、掃除をする
なんて地味な仕事が実はヒトを形作るには大切なんではと思っておりますよ。
アイロンがけひとつでも色々な「気づき」がありますね(*^。^*)
牙子様
やっと気付くことができて日本人でホント、ヨカッタと心底思った次第です。今後は佐川光晴氏のように、主夫目指して頑張ります。
岐阜から某氏を呼び込んで同行した山行記拝読しましたヨ。「近い近い!You,来たらいいんじゃない?」って、ジャニー喜多川氏?
メリー喜多川位と思ってくださいmaccchanさま
草むしり、アイロン、食事作り・・・
主夫のお仕事は「気づき」の連続ですよ。
youもホクリクに来たらいんじゃない?
あ、栂海新道リベンジあったねぇ。
メリー牙多川様
あ、いやその、私の辞書にリベンジという文字は無いのでありまして、、、。
youも既に来岐の資格があるんじゃな〜い?
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