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その日は金曜平日とあって4名(と一匹)の登山者(と犬)に会ったのみだった。主要道を外れた場所でその4人目を遠くに見た際「こんな場所を歩く人が居るとは奇特な方やなぁ」と思って接近して面と向かったそのお顔に、私は口をあんぐりしてしまった。
「・・・日比野さん、ですよね？ 何でこんな所に？」
「おぉ、あんたは、、、、、、macchann90君やな。」
私の名前を覚えていることにも驚いたが、このタイミングでこんな人気の少ない場所での再会にまずは驚き、次に喜んだ。以前の面会は↓
https://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-109480
立ち話で30分以上も話してしまった。
聞けば、氏はかなり頻繁に岐阜周辺の山をお歩きの様子で、雨が降っても傘を差してでも山歩きを続けていると仰る。この人気無い道がお好きだと言う。
退職して12年（私と二周り離れた年男とのこと）、仕事を離れ沢登りからは離れたけれども専心するのは山で、登り続けているのだと。
「君みたいなのと、見知った山の話ができるのが何よりなコトや」と仰ってくれもした。
登山の意味はさておき大事なのは日比野、いや日々の継続なのだ、そう言われた気がして私の中のモヤモヤが少しだけ晴れた気がした。
あれこれと思いあぐねるのもいい。アヴァンギャルドもいい。
まずは登り続けること。いや、続けること。
拙宅の近所の裏山も歩いているそうなので、近日中にまた連絡することを約束して握手して手を振った。
見送るそのお姿は、行者のソレに見えた。
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