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熊谷守一はまぁ、いい。高田渡と並んで岐阜の生んだ奇才とも言える熊谷守一は、日本画壇に於いても知られている方の有名人であると思う(ただ私見だが、ジャズ界のレッドガーランドのように些か過剰評価されていると思うのは私だけであろうか。特に後期の単純化された画風の高評価には首肯しかねるものがある。ただ、初期の油彩は素晴らしいと思っている)。
それよりも香月泰男の作品があるとなれば黙って前を通り過ぎるわけにもゆくまいて。
香月泰男;シベリヤ抑留経験ある画家で、作品の大半をその戦争体験に基づいて描き継いだ人と言える。山下菊二などよりかは名の知れた画家なので、各地の県立美術館の常設展でその暗い色調の作品を目にしたことがある方もおありのことと思う。
女性が迎えてくれたので「観せてもらいます」と声掛けして、額装された小品群を観ていった。小さな作品にもかなりの値付けがされており、思わず目を剥いた。オッと私の気を惹いた作品があったがコレには値段が付いていない。「これは?」と問えば「ソレは既に買い手が付いておりまして」とのこと。香月泰男、人気があるとのことだった。ホント??
他の作家作品について聞きたいことがあったので質問すると「詳しい者を呼んで参ります」と、マスク姿の男性店主が登場、率直に私の好む作家の作品の取り扱いがあるかを聞いてみた。
まずは香月に近い?松本俊介について。すると、低い棚から「こんなものなら」とスッとラフスケッチ、いや裸婦スケッチを出して見せてくれた。これで●十万!
「三岸好太郎の作品が出ることは無いですかね?」「昨年ウチで扱いましたが(女性像の油彩)、中々良いものは出てきませんね。もっと景気が悪くなると出ても来るのですが。」
三岸に並んで私が好きな「麻生三郎なんかは?」「麻生は随分以前に扱ったきりです。中々良いものでしたよ。」
もっともっと聞いてみたいところだったがここはグッと我慢して最後に新しい所で「鴨居玲は?」「鴨居は昨年、ズラずらッと出ましたよ〜。あの背景が赤い有名なのも。直ぐに買い手が付いてしまいましたが」とのことだった。
流石は画商、私の知らぬことは無いといった風であった。
「また、寄せてもらいます」とその場を辞した。
いやいやいや、金も無いのに楽しい時間を過ごした。思えば画廊に入るのは初めての事であった。
今度はちゃんとした靴履いて伺います。
ええ、地下足袋で?!
香月泰男、中学の美術の先生が見せてくれて、その後ずっと頭から離れなかった。
この、お皿をなめているのは、石崎君?
香月泰男作品を見せてくれるとは何とも見識高い先生で。
石崎の野郎は今頃、何処の空の下で皿を舐めていることやら。
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