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「何だよコイツは」のオグシュン、いったい何者なのか途中までよく判らない設定なのだが、果たして若き映画監督だったか。
何に焦点を当てているのか当てたいのか皆目判らないヒドイ映画だった。林業にフォーカスするでなし、映画作りの面白さを伝えているようにも到底思えない。興行収入一億って、あれでは子供騙しぢゃないか。
あんなことなら、出だしのシーンで伐倒作業の巧妙さや危険さ、そして技を習得する奥深さ面白さを伝えて地方で林業に従事する魅力を伝えた方がまだマシな映画になっていたろうに。また、田舎者と都会モンの対比で笑うというありがちな設定も大いに鼻についた。今日日の林業従事者には外の空気を吸ったUターン・Iターン・Jターン者が多くいて、地元しか知らないのは高齢者位なものだ。(役所広司はチェーンソーの「落とし掛け」も「受け口の前切り」もしていた。矢こそ打たなかったが。)
ただ、臼田あさ美にはハッとした。
先週には岐阜の監督作(篠田正浩)ということで上映された「はなれ瞽女おりん(1977)」を観た。水上勉原作で、音楽は武満徹、撮影に名匠宮川一夫と流石にこちらは見応えがあった。滅びの美、と申しましょうか。北陸の冬の景色が刺すように感じられた。私は日本海の風景に弱い。
原田芳雄が好演、樹木希林が登場するとパッと画面が明るく緩んだ気がした。西田敏行(一応「追悼」と入り口の張り紙にはあった)、殿山泰司、阿部徹、コイツらは許せん!
難を言えば、おりんを演じるには岩下志麻は些か華が有り過ぎた。それほどまでに、岩下志麻は美しい。菩薩だ、あれは。
尚、先年107歳にして亡くなった美術家の篠田桃紅は、篠田正浩の従姉である。
https://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-258176
映画を観に出た余波で、今日は土曜だったが来週からの伐採の下見に一人出た。間伐対象範囲の中に檜絡みの六尺台の杉の木が立っていた。週明けに、アレらを伐るのが今から楽しみである。大径木をヨキ(斧)と矢(クサビ)で伐り倒すのは、中々度胸が要るんですよ。
引いたシーンが斎藤真一の絵画そのものでちょっと笑えて
初潮のしるしが赤い椿で、おいおいつげ義春の「紅い花」そのままじゃないのと思いました。
久々の日本映画でした。
きっと水上勉の原作より優れているのだろうと思いました。
いい映画の紹介をありがとうござました。
斎藤真一やつげ義、どちらの引用が先なのか興味を引くところですね。水上勉原作映画にハズレ無し、が今のところ続いております。間違っても「キツツキ」だけは見ないでください。
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