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それらとは関係も無くこの冬、宮尾原作のテレビドラマ「藏(1995)」「櫂(1999)」を観る機会があった。
どれも、実に重〜い女性の人生を描いた作品だった。
「藏」「櫂」では主人公を共に松たか子が演じており、この歌手であり女優である松氏の初期作であり代表作とも言えそうだ。松たか子は「四月物語」だけではなかった(アナ雪での唄も、素晴らしく聴かせる)。
共通して、家督を継ぐべき男児が病を得て亡くなってしまうこと、旦那に妾、愛人がいて子を産むこともそれぞれが物語の一つの軸になっている。
まず、越後が舞台の「藏」だが、モロ家父長制の頂点にある酒蔵主・意造を鹿賀丈史が上手く演じている。この物語の立役者は、何といっても叔母役の檀ふみだろう。この叔母・佐穂あっての物語と言える。多くは口出ししない、ただそれでもここぞという際には主人公・烈の背中をド〜ンと押す。本来、人は斯くありたい。
次に土佐が舞台の、『櫂は三年櫓は三月』の「櫂」について。こちらの家長は仲村トオル。極道にして大正期らしさを纏った俗っぽな漢。
その極道モンに連れ添う松たかの耐え忍ぶ姿がもうタマラナイ。愛人に産ませた娘、綾子役の井上真央が、どうにも米山さんちの娘さんに見えて仕方がなかった。合格を祈ってマス。
共に壮絶な一女性の人生を描いた作品で、これを観知ったらグルメだエステだヴァカンスだなどと現を抜かす女の子は往復ビンタを喰ったような気持ちになるのではないかしらん? ラーメン屋の行列からも降りることだらう。
「藏」のカタルシスも他に得難いものがあるけれど、未来への希望という点で「櫂」に軍配を上げたい。共に深草アキの中国古楽器である秦琴(しんきん)の演奏が強く印象に残る。
宮尾登美子原作、松たか子主演による3部作として両作品の間を割って「春燈(1998)」があるそうだが、機会をみて是非観てみたい。何にしても、宮尾登美子原作ドラマの重厚なこと、若い方々に是非観てもらいたい。
水曜夜に観たドラマなのだが、物語のその烈(はげ)しさに酒が進んでススンで仕様がなかった。
2枚目:拙宅に唯一ある、松たか子CD。
1,3枚目:左から「藏」「春燈」「櫂」
鬼龍院花子も宮尾登美子じゃなかったかな? おんなの奥に潜んだ「情念」は凄い。
そう、肝心の映画を観ていません。女の情念、また自立に向かう女性たちへの眼差しにムネが熱くなります。
私も『蔵』が大好きです。宮尾登美子の著作は女性が強く生きていくところが好きです。『櫂』は、今BSで再放送中ですよね。松たか子と宮尾登美子作品、イメージ通りだと感じます。私も『蔵』の「佐保さ」と「意造」にどきどきしてテレビドラマを見ました。原作を読んでも、テレビドラマの配役の方々を想像します。
『櫂』『春燈』は自叙伝小説なので、ますます宮尾文学にどっぷりです。
琴のことが書かれていますが、『一弦の琴』は読まれましたか。これもNHKでドラマになっていたけれど、再放送に気付いたことはなく、また見たいなあと思い出しました。
宮尾登美子さんの世界の紹介、嬉しいです。素敵な話題提供、ありがとうございました。
コメントありがとうございます。「一弦の琴」は直木賞受賞作なので、これが本命かも知れませんね。「序の舞」も"重い"ので、機会がありましたら是非。
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