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トレイルラニングという新ジャンル、ここ数年で人気です。山は皆のもの、自分の体ひとつで挑むなら、どんな楽しみ方の人であっても寛容でありたい。けれども僕自身は、「競技であること」、「大勢で登る事」にあまり魅力を感じません。それでトレイルラニングはずっと人ごとだったのですが、職場の若いトレイルラナーの青年に一読を勧められ、またヤマケンが同時代同地域の山やさんなので読んでみました。少し前NHK-BSでやっていたレユニオン島のレースのドキュメンタリ番組も見ました。
やはり興味深いのは、人間の根源の力がその枷をかなぐり捨てて表出する可能性です。著者に寄れば、人に勝ちたい、順位を上げたい、という慾が消えた時、会心の走りが訪れ、更には、野生動物にかえった域を体感するといいます。24時間以上も山と空の境を走り続ければ、未知の境地もあろうと思います。このあたりの心境はたぶん、修験道者の体験した山岳修行や、「炎のランナー」(1981年)で、神に感謝するために走ったスコットランド人宣教師リデルの境地だろうか。ヤマケンさんは感謝の気持ちで笑顔になるといいます。
ヤマケンという人間が素直な性格で、周りの人たちにも恵まれ、当たり前の日常を丁寧に生きる事ができる人なんだと思います。あった事は無いですが。
楽しそうに走っている写真も良い本です。ヤマケンさんを慕って、良いカメラマンが撮っているのだと思います。
さて、私がトレランに馴染めなかった二点、
「競技であること」については、もはやヤマケンさんは競技を越えていました。
「大勢で登る事」については、「一人で走ってもつまらない」と書いています。声援送って、助け合って、喜び合う。もちろんそういう人たちが山を楽しむのに賛成です。山は皆のものだと思います。
モンブラン、富士山、ピレネー、アンドラ、レユニオン。ヤマケンさんの地元は、甲斐駒ケ岳の黒戸尾根、根っからの甲州人です。
おはようございます。
いつも大変有益な書評有難うございます。
3日前にトレイルランの大会に参加したばかりで、まだ足の筋肉痛が酷くて大変です。
私はトレイルランは競技では無いと思っているし、ヤマケンさんと違って一人で走る方が好きです。もともと山も単独で登る方が好きでした。
自分のトレイルランの楽しみは地図からルートを決め、そして実行することにあります。これは冬山、藪山のルートを地図から探したり、岩壁の写真からルートを探すのと通じるところがあると思っています。そして他人の力を当てにせず、独力で帰ってくること。時間も体力も技術も仲間もなくなった今、冬山のロングルートや困難な壁をやり遂げたのと同じ達成感をトレイルランに求めている感じです。
他人と競う、大勢で行うトレイルランは私は好みません。昨年初めて大会に参加して疑問を持ちました。なんでまた参加したのかは、地元の活性化になればと思ったからで、大会否定も強い信念ではないですね。
あんこたさんは走るのは好きだけど大勢はきらい派なんですね。いろいろ分類がありますね。大勢か一人かはたぶん趣味の違いでしょうねえ。僕も大勢わいわいはそれほど好きではないんだな。
「一人で走ってもつまらない」・・・
トレランはやりませんが、「走る」と「歩く」の違いでしょうか?一人で歩いていて、寂寥を感じたことはあってもつまらない、と思ったことはないですね。
大勢か一人か、なんですが、ヤマケンさんの100マイルクラスになると、一人じゃとても走っていられないかも。日帰りくらいの山ランとはきっと違うかも知れません。
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