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アレルギー、喘息、肥満など、以前より急増した疾病の要因は、幼児のうちから共生すべき菌群を排除してしまった影響かもしれない。
ヒトは自分の細胞以外にその3倍以上の細菌と共生して生きていて、その組み合わせは指紋のように違い、3歳までに形作られる。それは先天、後天に次ぐ第三の免疫を担う。1943年開発された抗生物質が、幼児期に広く投与されるようになり、人類が数十万年共生してきた細菌叢が深刻なダメージを受けている、という内容です。
その一つ、長く人類が共生してきた、H.ピロリ菌という胃の中の細菌についての、自身の研究が紹介されています。科学者が謎解きを進めていく筆致も面白いです。19世紀まではほぼすべての人類の胃にあったピロリ菌は、胃潰瘍や胃がんの元として駆除される悪玉菌とされ21世紀の今消えつつありますが、ピロリ菌が各種アレルギーの免疫を担っているのではないかという研究結果を慎重に述べていきます。
戦後世界を変えた核爆弾開発と抗生物質開発は同じ1943年だったのが、なかなか示唆的です。1943(昭和18)年以前はペニシリンがなかったということは、大きな手術なんかとてもできないし、戦争で重傷を負ったら細菌感染で死ぬしかなかったわけです。つい最近に思えます。
畜産業界では、家畜に太らせ薬を与えていて、それを食べる人もまた太ると言われていましたが、それが抗生物質だったのか、と知りました。アマゾン奥地の隔絶地住民の糞からは北米人の持っていない数百種類以上の腸内細菌があったという話が凄かった。
川の(人との関わりも含めた)生態系の喪失を述べた
水と緑と土―伝統を捨てた社会の行方 (中公新書)
の読後感想と共通の受け止めをしました。
体内細菌とは違いますが、体表面にも細菌叢があります。身体が臭いと嫌われるからと無臭への努力が時代の趨勢です。しかし足や頭や脇や股間のちょっとクサい臭いはそれなりに意味があって共生細菌が発しているものですね。3歳以下の子供に除菌除菌と勤しむ事と、過敏症との関係が或いはあるのかもしれません。
私はもう何年も、風呂に入ってもシャンプ、石鹸を使いません。髪も体も手でゴシゴシこすって終わりです。クサいと言われないし、髪もサラサラ普通です。脂分が抜けすぎてやばい気がするんです。
食器洗いも毎日していますが、石鹸を使うのはギトギト魚焼きグリルを洗う時くらいで、あとはお湯とアクリル毛糸タワシだけでキュルキュルになります。
マーティン・J・ブレイザー
山本太郎訳
みすず書房 2015.7
yoneyama さま
先ず、、NO 00 時折使っておりますよ
で、、、
この年で近年はまっているミクロの世界の書籍。
「戦う植物」(稲垣栄洋著 ちくま新書)や「植物はすごい」(田中修著 中央新書)<他多数あり>などから、山を歩いていても、、、さまざま納得できるように。
なんで岩が無いのに、土が柔らかいのに根っこは横に広がっているの
サボテンの針って何の役に立ってるの
渋柿ってなんで熟すと甘いの
それこそ、、、、ミクロの世界、唸ることが満載ですなぁ~
私、呑んべなので風呂で石鹸など使わないと家族に言われます。。。
加●臭×3乗だから近寄るな
しかし、もう40年以上毎日消毒しているので身体は無菌状態
つまらん投稿すんまそん
推薦の植物本読んでみます。
飲んべとカレー臭て関係あるんですか?カレー臭と体表の菌類関係あるんですか?
もしや飲みながら書いてます?
ネットは飲みながら書くと危険ですよ。
こんばんは
ライチョウを卵から人工飼育しようとしたら、親鳥のフンから受け継ぐべき腸内細菌をもらえないために、早死にするヒナが続出したそうです。
子供が生まれると牛小屋に連れていくヨーロッパの習慣の話を思い出しました。
本によれば、帝王切開出産だと、出口が違うので、母親から受け継ぐ細菌がもらえなくなるそうです。一つ一つの手順が、見えない細菌を扱っていて、10万年の営みの重みがあるようです。この世に生まれて最初の親からのプレゼントは、代々受け継ぐ細菌なんですね。
牛と暮らす牛飼いには牛飼いの細菌プレゼントがあるんだなあ。
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