|
|
|
通常は20軒を切る過疎ですが、年に一度の祭りのために遠くの親戚が帰ってきて、複雑な踊りの神楽、1つあたり1時間前後の演目を20本ほど、20時間連続で舞い続けます。幼児の頃から稽古しているから、普通の兄ちゃん、普通のおっさんが、目を見張る動きで舞い続けます。とても格好いい。これにシビれて全国から奇祭好き、民俗好きの若いファンがたくさん熱心に見に来ます。この祭りに惚れて遠くから移住して来たり、お嫁に来たりしている美人がたくさんいます。
眠くて泣きながら舞う子もいる子供の舞もよいけど、普段は消防団か土建屋さんかといった雰囲気の青年がきりッと舞う姿、若手が子供に身振り手振りで教える姿など見るのが好きです。
会場は、近隣集落からの加勢もあって、茶化し、合の手のヤジがまた面白く、グイグイ引き込まれ、単調なテーホへテホヘ、テーホトへトホヘの旋律にかなりのグルーブ感。盛り上がって凄いライブ会場になります。寝不足もあって明け方はみなトランス状態です。鬼が出てきて、意味不明のキャラ面も多数。細かな意味は誰にもわからない。千年前から芯の部分は、わけも知らずに伝承している営みではないかな。
山奥だけど近年は高速インタからのアクセスは悪くないので、遠く九州、関西などからも来ている人がたくさんいました。まちなかの祭りと違って気楽に帰れないから、もうとことん最初から最後まで付き合います。村の人達が親切で、聞けばなんでも教えてくれます。立派なカメラでぱちぱち撮り続けるだけの訪問客はちょっと厄介だけど、一緒にテホへの声を上げれば、とても話が弾みます。
自治体が態勢を整備して市民総出でやるねぶた祭りのようなのもいいけれど、わずか数十人で人知れず延々と続けてきたこのハードな祭りは貴重です。世代を越えて、いつまでもいつまでも続いてくれると良いです。ピンときた方は、ぜひ訪問をおすすめします。
http://www.town.toei.aichi.jp/hana/top/top.html
近くに住んでいても機会が無く、まだ一度も行けていない「花祭」。そのうちに行ってみようと思っていますが、最近の祭に多い、大きなレンズをつけたカメラを持った、殺気立った人が嫌いで、敬遠気味であります。
高速道路が近くまでやってきて見物客が増えることは、地元にとって良いことである反面、地元の「祭」が台無しになる可能性を含んでいます。
かって、しっとり、静かに地元の人が楽しんでいた「おわら風の盆」が、都会の雑踏のような混雑と喧騒の中で行われるようになったことを経験しているだけに、「花祭」がそうならず、地元の人がいつまでも楽しめる祭りであることを願っています。そのために必要なのは訪問者としての「祭」への共感かと思っています。
おもわず写真を撮りたくなる名場面ばかりで、立派なカメラがなくても殆どの人がスマフォカメラを構えてしまってますね。殺気立ったアマカメラマンは、村の人がいいように押さえ込んでくれていましたよ。撮影ばかりでなく、祭りに参加して、どんどん周りの人と会話を持てば、もっと良い写真がとれるのにね、といつも思います。
花祭りがすれすれ観光名所になっていないのは、15箇所が別々にやってバラけていてあくまで小規模でやるところかな。
>>高速道路が近くまでやってきて見物客が増えることは、地元にとって良いことである反面
というマネーな面は、ここでは筋違いです。見物客が来てもお金を落とすところは無し、商売したいわけもなし、地元に特に良いことはありません。ただ、過疎なので、この祭りと土地の魅力を出身者が思い直して、一人でも帰ってきてくれることだけを願って、見物客を受け入れているだけでした。あくまで見物客は地元の好意で見物というか拝見させてもらっているものと思います。ここではマネーの雰囲気がないからこそ清々しくみられるのです。だから、それほど興味もないけど珍しいものを努力もなしに見たいだけの観光気分の人は来なくてもいいんじゃないかな。でも、三河住人なら、一晩おつきあいするのをお勧めします。一度来れば「訪問者としての「祭」への共感」はひしひしと湧いてくると思います。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する