松本で小澤征爾が毎年総監督するサイトウ・キネン・フェスティバル改めセイジオザワ松本フェスティバルが始まって、小澤さんが囲みのインタビューで体調はどうですかと聞かれ、「気をつけて生きています」と答えていました。81歳。先日救急車で入院したうちのお父さん83歳のことを思い、その言葉の意味を知りました。
80歳を越えた人間が日常どんな危険と隣り合わせで生きているかを今週はずっと考えていました。なんでもない道を歩いても、家の中を歩いていても、10分動いては腰を下ろさざるを得ず、ちょっとした不注意で命取りになる日常は、さながら7000m越えの高度の細い稜線を、ノーザイル無酸素で朦朧と歩いている危険に匹敵するかもしれません。
高所登山の辛さを聞かれればいつも、インフルエンザで40度の熱があるのに雪山に登っているような、能力の足かせを付けての登山です、と答えています。老人の日常、まして老人の登山がどれだけグレードをあげているか。
小澤さんのベートーベン、レオノーレ序曲は最高でした。続くマーラーの歌曲集もドヴォルザークの七番も。
松本に帰ってきていろいろ間に合ってよかったです。
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