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勇んで入店、1時間半粘り、一冊求めて帰る。
古い郷土本、古い探検記、古い山行記録集、古い新書、古いレコード。大体見たことあると思っていても、意外なものは必ずある。他では高価でもそこでは安いものもある。
松本は古書店が多い。古典的なタイプだけでも青翰堂、アガタ書房、松信堂、中村屋種苗店横、大橋たもとのあそこと今回のさつきの5軒。その他喫茶付きの古本カフェなど新刊古書ミックスの若手型古書店が本・中川、想雲堂、栞日、電線の鳥、恋する虜、他にも多々あり。これらは、目利き店主がこれを読み給へ、と無言でお勧めする本が新旧ジャンルを問わずある。大型書店や南米密林書店に対抗するには、店主の目利き力だろう。
店主方々に聞いてみると、新しい系のお店は松本の町並みに惹かれてよそから来た古民家ならぬ古商店改装の店も多い。人口20万人程度の県庁もない地方都市で、これだけ古書店がひしめく町は、これまでみかけ無かった。名古屋、札幌並み、いや。札幌も近年、老舗の閉店が続いている。松本の古書店隆盛の起源は、ちょうど100年前の旧制松本高校の開学で、全国から学生がたくさん来て町を歩くようになったせいだろう、と青翰堂のご主人はおっしゃる。今の信州大生を古書店で見かけることはほぼ無いが、大学生が町をブラブラしているだけでもありがたい。
勤め人後の独立第二人生の職業に古書店主は魅力的だ。しかし、既に自宅が古書店状態であり、これを人に売るというのがどうにも想像できない。売り物に執着していては商売にはならないだろう。また、古書店で私のようにネバっている客はついぞ見たことがない。どのように経営が成り立っているのかは、勤め人しかしたことのない私には想像も及ばない。
それは簡単です。
成り立っていません。
店主はきっと、お金持ちか夜中にこっそりバイトして暮らしを支えているのです。好みだけで利潤を追求しない仕事は潔くて気持ちの良いもんです。私もそういう生活に入りました。(^_^)v
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