「酒というものは飲んでいるときには常に飲み足りず、飲み終わったときにはすでに飲みすぎているものだ」とどこかで読みました。
このところ一月ほど、家に酒類を買って帰らず、かといって帰りに一杯飲むでもなく済ませている。酒を飲むとその晩は読書が全くできなくなるし、夜中に起きてしまったり、浅い眠りで延々夢を見たり、明け方、気持ちが悪かったりして、睡眠ペースが大きく乱れる。翌朝の毎度の悪い気分を忘れないようにして、飲みたい気分をぐっと抑え続けていたら、飲みたくならなくなった。体重も少し減り、金もかからない。
酒というものは晩酌を始めると、毎晩なんとも飲み始めたくなるもので、自分がどんなときにふっと酒を買いたくなってしまうか他者として観察してみる。やはりいい酒、きれいな瓶、腕のいい酒蔵、手間かけたぶどう畑、と素敵なイメージに固められている。格好いいもの、きれいなもの、おしゃれなもの、心地いいもの。広告のまんまだ。
穿った見方をすれば、半分近くの税金を払い、中毒になって苦しむ者もあるもので、うまく付き合うには結構なリスクが有る毒物に、覆いをかけて販売している戦略とも言える。
飲まないシフトにさえしてしまえば、まったくなくても済むものだ。昔タバコを吸っていたが今はかすかな煙の匂いさえ嫌だ。タバコを吸わなくなれたのも格好いい印象が、格好悪い印象に、心の中で変換されたおかげだと思う。
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長年の田舎暮らしで、毎晩飲んでいるうち量が増えて、気がついたら依存症になり、切らしたらバッド・トリップ、死にたくなって幻覚を見て騒ぎを起こし、いま禁酒入院している旧友をきのうお見舞いに行った。留置所みたいなのを想像していたが、小奇麗でクリーンな施設だった。この泥沼にハマったら、専門家に治してもらわなければ自力脱出は難しい。今後は一生一滴も飲まないか、またここに戻ってくるかの二択で、気分良く酒と付き合う人生に戻る可能性はないとのこと。
3ヶ月以上ここで訓練して娑婆にもどるとのこと。幸い彼は勉強家だ。この機会を利用して本を読み、外国語を習得し、食べ物にも気を払って暮らしている。酒やめただけで10キロ減ったとのこと。
退院したらまた山に登ろうよ。
むかしパキスタンのカラコルムで、男たちはムスリムだから酒を飲まなかったが、お茶を飲んで何時間でも語り合った。始めは酒もないのによくまあ、なんて思っていたけど、無ければ無いで、全然なくてもいい。
酒なんか飲まずに済めば、金もたまる。
yoneちゃん、きびし〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
でも、分かる〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜
え、なんか厳しいこと言った?
いやいや、当たり前のこと言ってるだけなんですが、私も、私にも当てはまるかなと、そんだけ〜〜〜〜〜
もしや、やめたいけどやめられないところですか。あの沼にハマるとおしゃれもカッコいいもないと言うことはよくわかりましたよ。
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