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麓、堀金烏川の天明行者が開山し、有明講を作って国家神道の登録も受ける。本書の著者はその孫の代にあたる。時代が近いので天明行者の細かいいきさつなども伝え聞いて記述あり。
安曇野に傲然とそびえる有明山、何故近代になるまで開かれなかったのか。本書によれば8世紀、坂上田村麻呂に滅ぼされた八面大王の魂が龍王になって山にこもっていたため、とある。妙味滝の滝つぼにこもっていた龍と天明行者は一戦交え、不動明王の助けの法力でついに霊体を封じたとある。行者が突然亡くなるまでの7年間の数々の奇跡的な行いも証言者の実名とともに収録。という感じでかなりツッコミ所満載の独自な書物です!
丁度松本藩〜松本県にかけての壮絶な廃仏毀釈運動つまり国家神道の普及時代の時期に重なるのも何か意味があるのだろうなあ。神社の格を決める神社庁に、皇室由来の物証を求められるくだりなど、明治新政府当時の今とは違う常識を知る。安曇の湖と出雲から渡来した海洋系アズミ族の伝説、アマテラス事件でぶっ飛んできた天岩戸が有明山説、山麓のドルメン古墳が彼らの名残である説などあり。安曇野でヤマトに討たれた先住民王、八面大王伝説史跡はまだろくに回っていない。筑摩神社がなんと大王の首塚を祀ったお宮だったとは初めて知った。
いよいよ未踏の大物、有明山を、山麓史跡込みで表参道から登って見よう。ひっそりとした、良い季節になりました。
僕もようやく、有明山に魅力を感じられる域に達しました。
有明山史 倉田兼雄
信濃有明山天明講社 発行
写真・松本・松信堂古書店の倒れそうでひっかかりそうな摩天楼の店内
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