単身赴任で松本→名古屋へ。
33年ぶりに戻った故郷も3年で追い出される。「近いからいいじゃないか」というが、家族共有の時間もあと数年という年頃の上に移動制限の高まる時期だ。胸の高まらない引っ越しである。組織上このあと重要なステップアップだスキルアップだという見込みも感じない。そんなふうに転勤つとめ人を30年も生きてきた報いでもあるかもしれない。最後まで人事異動には抗えない。
一人用とはいえ結構な量の本とレコードCDと調理道具を箱詰めして遅い梅雨明けとともに数百キロの荷出しを終えた。明日は木曽路を尾張に向かう。仮の宿りは何年になるか。
* *
本とCDレコード。これは生活の糧としてこれまで10回の転勤でその度梱包して運んできた。暮らしの中でどうしても必要なものだった。結構な量だ。本は今回半分置いていく。時代が固体媒体で無くなって久しいけれど、なぜこんなに重いものを持ち歩いているのか。わからない。すべての本を何度も読み返すわけではない。むしろ、ざっと読み、いつかじっくり読まなければ、と未消化なものほど持ち歩いている気がする。その証拠にフィクションは最後まで読んでしまうか読まないかだから、読み終わったものは手放していく。図書館本は期限があるから読み込んで返していく。捨てがたいのは再度入手困難な茶色の古書ばかりである。
春から高1の娘がアイフォンを使うようになり、あっという間に機能を幅広く使いこなし、もう何年も使っている親の守備範囲を超えていろいろ教えてくれるのには驚いている。これまでは自宅CDの中身を大量にコピーした音源を一緒に聞いていたので、若い割には渋い曲知っているという状態だったが、ついにきのう、別居記念にアップルミュージックを家族共有で始めることにした。つまり、CD、レコード、ステレオコンポとの決別の始まりなのである。梱包して発送したばかりなのだが。
映画も多分、すでにネット定額なのだろう。これはすでに円盤で持っても仕方ない。書籍はもう少し時間が必要だ。所詮すべてが電気信号と割り切るまで。
娘よ、もう勝手に音楽の海へ漕ぎ出していけ。バイト代ためてレコード買ったお父さんの高校時代とは違うのだ。イランでもブラジルでも、ウズベキスタンでも、自由だ。
午前5時。そろそろ家族最後の食卓、あさごはんの支度をするかな。お父さんの仕込むあさごはんはこれで当分おしまいだ。
yoneyamaさん。今日は。
記憶媒体の変遷にはとまどいます。人類の進歩でしょうか、旧人類は追いつけない。MDに記憶した音楽はMDプレイヤーが故障して聞くこともできず単なるゴミになった。写真はデジタル化でパソコン、スマホ等で見る時代、大量にスライドに撮った写真をデジタル化するのは手間がかかるからやはりゴミになる運命。本もデジタル化で、アマゾンのFireとキンドルを持っていますが、本の方が読みやすいのは当然。デジタル化すれば本はスペースを取らないが、本を決してゴミにしないで。人類は情報を全てデジタル化してオンラインで利用できるようになり、大量のデータを簡単に扱える。しかし、デジタル化したデータの扱いは注意しなければ、漏洩、消去、不法なコピー、使用、改変とかです。キーボードで字をコンピュータに入力するのに慣れて、もはや漢字の書き方も忘れてしまいました。習字でも習いにいきましょうか。
溜め込みデータの行末は不明ですが、漢字は忘れないよう毎日万年筆で手のひら大の手帳に半ページずつ書いています。これとて10年続いて10冊。読み返すこともあまりありません。手で書くのは身体トレーニングで欠かせませんね。
yoneyamaさん
>33年ぶりに戻った故郷も3年で追い出される。「近いからいいじゃないか」というが、家族共有の時間もあと数年という年頃の上に移動制限の高まる時期だ。
追い出されるんですか?会社という組織に属し、移動命令が出て、それを甘んじて受け入れる。という事でしょうか。
>胸の高まらない引っ越しである。
>組織上このあと重要なステップアップだスキルアップだという見込みも感じない。
望まない転勤、違う土地で生活してみること、組織上のスキルアップは本人次第、(ステップアップは運もある)。ものだと私は達観しています。
>そんなふうに転勤つとめ人を30年も生きてきた報いでもあるかもしれない。最後まで人事異動には抗えない。
人事異動には抗えないのですか。思い切って外に飛び出してみるとか。
閑職に追いやられる覚悟を持ってお断りするとか。馘首されるわけではなさそうだし。自分の中での優先順位が、残された家族との時間を重要であるとするなら、その覚悟を持つのも在りかと思います。
確かに、子供は知らぬ間に育ち、頼りないと思っていた世代から自分の羽を持って少しずつ遠くへ飛べる、考えて行動する。ようになりますね。
私も、30年以上仕事をしてきて、何が残せたのだろう。と思うことがあります。自分の前には確かに道はある、若い時に見えなかった無限の道ではないが、選ぶことのできる道がある。それでも、まだ自分の人生を語ることはできない。諦めないために、負けないために。頑張らないために。
自分の最終章が来るまで、きっと変わらないのだろうな。と思ったりします。
家族の人情が強かったので離れ際に多少おセンチになりましたが、慣れているのでご心配はいりません。自分で選択している気でいて、実は運であることも多いし、運のようでいて、自分の行いの結果付いたものであることもありますね。
私は一時はCD,ハイレゾを覗きましたが今はビニールが一番と思い浸っています。本も結局紙ですね。結局情報量は間違いなくアナログが多いと思います。
途中で会社が変わるかもしれませんが、あと10年ですね。yoneyamaさんの世代だと15年になっているかもしれませんね。
後輩は米国系の企業に入りロシアに単身赴任してもう10年。娘の結婚式にも帰国できませんでした。一時帰国して知床縦断をするはずでしたがクリミア問題でぽしゃりました。怠惰な生活を続ける今、彼が帰国できても、もう実行できないですね。
安吾曰「親があっても子は育つ」。
ハイレゾ、初めて調べて知りました。ビニールってレコードのことなんですか!
今後は「ヴァイナル」なんていいますよ。ヴァイナル本、懐かしいですね。
56なのであと四年です。
Yoneyamaさん、またまたの単身赴任、お疲れ様です。私も定年前までの4年間は、出向の身となり、単身赴任生活を送っていました。60才のときは再雇用を選ばす、さっさとリタイアして、今は自宅暮らしをしています。サラリーマンは異動が多いと辛いですよね。
記録媒体は、昭和生まれ昭和育ちの私なので、やはり物理媒体のほうが安心できます。読書はリアルの書籍、音楽はCDですね(さすがにレコードは捨てましたが)。書物も絶版となることが早くなり、アマゾンで探してもないこともありますし。
そういえば、MDやら、フロッピーディスクやら、MOやら、物理媒体でも絶滅したデジタル媒体は数え切れませんね。なんとなくデジタル媒体は信用おけない感じです。CDというメディアもいつまでの寿命やら?
定年前の単身赴任でしたか。今回、久しぶりに人の多い職場に移ったら、そんな境遇の人は珍しくもなく、いままで恵まれていたくらいでした。場所変わって見えるものも変わるってもんですね。
いやほんとCDも信用できません。プレイヤー、引っ越しでよく壊れますし。
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