追悼トゥーツ・ヒバート covid19

19歳の時、貸しレコード屋で手に取った「ハーダー・ゼイ・カム」、レゲエ黎明期の定番映画のサウンドトラックとして有名なオムニバスレコードだったと後で知るのだが、なんとなく聞き始めた。ボブマーリーが世界を席巻する前の、荒削りでむさ苦しいサウンドなのだが、どれもジャマイカのヤングの熱線を放っていた。とりわけお気に入りだったのがトゥーツ＆メイタルズのPRESSURE DROP。太いノドと太い唇から発するあの時代のあの人たちの情熱が、直撃してきた。ああジャマイカ、キングストン行ってみたい、と心底思った。

https://www.youtube.com/watch?v=DKVB_CtU8XQ

オイ、ぼうず、ワルサばっかりしてるとバチ当たるぞ！バチ当たるぞ！ていう歌詞。

そのトゥーツ・ヒバートがこの9月11日、covid19で死んでしまっていた、77歳。土曜の朝のFMラジオ番組でピーターバラカンが100分全部追悼で曲をかけてくれた。バラカン氏の言葉だとトゥーツではなくトゥッツという風に呼んでいた。

ボブマーリーのレゲエより少し前の1960年代後半で、ウェットさが無くてひたすら明るくさわやかなんだけど、どこか悲しげなソウル風の声声。力一杯歌うトゥーツのノドは、どこかオーティス…レディングに似ていると思う。
今年まで生きていたのか。ありがとう、先輩。という気持ち。