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昭和53年復刻版。巻末に森本氏を知る人達の追加記事あり。
欧米アルピニズムとは違う日本の樹林の深山幽谷の楽しさを世に問うたさきがけの書。奥美濃の揖斐川、板取川源流部の探査行にテラ・インコグニタを見いだす。
当時はこの山域に山地居住民がまだ暮らしを営んでいて、彼らとのやり取り、記述がとりわけ興味深い。
21世紀に徳山ダムができてこの奥地は完全に人の通えぬ秘境になった。だが人のいない奥美濃の秘境に何の意味があろうか。
文章は華麗だ。
川は地塊の血管である。川上は地塊の秘密である。
もう一度復刊してもらいたい。
戦前の京都といえば三高と京都帝大山岳部だが、著者は社会人山岳愛好家として、戦前期にすでに京都を代表する立場だった。当時1930年代、奥美濃の山に通うとき、日華事変が長引き、戦争のためにこの山の雑木はみんな伐られるのだ、という記述あり。はっとする。
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