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●ウクライナ本。東欧史と農業史専門の京大の先生二人のWEB講義と対談をまとめて5月に出版した本。簡潔最低限にまとめたウクライナ史は、そのまま憶えてしまいたくなる。肥沃な黒土チェルノーゼムの取り合いで、ナチとボリシェビキが争ったという視点が、なるほどと思った。
二人の研究者のまとめた声明は、真摯なことばが選ばれていて共感できた。また、日本はいよいよいったいどんな国になりたいのかを本当に考えませんか?ということばに、思いをいたす。核でも、軍事力でもなく自前の農業と木材を自立させ、エネルギーを自立させ、どこかの国だけに追従せず、近所の国と交流する。それは誰でも描こうと思えば描ける目標のはずだ。そういう話をもっと日常でした方が変わっていくと思う。
●ユリイカ2022.7・アレクシェーヴィッチ号
ウクライナ、ベラルーシを親に持つノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシェーヴィッチの「チェルノブイリの祈り」は良質なドキュメンタリー番組みたいだった。氏の作風は聞き書きノンフィクションでずっと続けていて、第二次大戦時のソヴィエト連邦軍に従軍した女性兵士500人の聞き書き「戦争は女の顔をしていない」はじめ、アフガン帰還兵への聞き書きなど多数。ペレストロイカになってやっと出版できて、その後はルカシェンコ政権下でまた制限されている。たった一人でよく抑圧に耐えて、これだけの人たちに話を聞いて、長年書けてまとめたものだと思う。
今号ユリイカは、彼女の作品を翻訳したり、ドキュメンタリ取材したりで関わった執筆者たちの寄稿集。これ読むより先に、もっと本人の本を先に読まなきゃ、と、買っておいた「女の顔」をようやく読み始めた。
●旧ドイツ領全史
旧ドイツ領ではないけどウクライナ西部のリヴィウはハプスブルクオーストリア領だったんだよね。ポーランド分割でプロイセン、オーストリア、ロシアが分けちゃった時の。ドイツ帝国が1871年に建国したとき、ポーランドは分けられちゃっていたのでほぼ全域ドイツ語地名があって、それが大戦間期にポーランドが復活してまたナチに塗りつぶされてウクライナまで飲み込まれて、また押し戻されて今度はドイツ系住民がソヴィエトによって強制移住、強制労働、集団虐殺にあった。その折々、広大な場所のそれぞれの経緯を完全にまとめた本。重すぎるので運べない、自宅で読むしかないし、寝転がると持つのが重いから、机において背を伸ばして読むしかないけど、すごくよくできた充実の本。どこを開いても没頭できるボリウム。
暑い名古屋の週末は、外出せず、直射日光を遮光カーテンで防いで薄暗くした冷房の部屋で家族思い思いに勉強活動です。妻はTVで世界陸上、娘は韓ドラの秀作を連続視聴。お勧めはミスターサンシャインと、スタートアップと、サイコだけど大丈夫と、愛の不時着と・・.これ全部見たんか。三食自炊。一人一食260円勘定。摂取、消費カロリーとも適性。土曜の朝は、ザックかついで公設市場に野菜を買いに。なすときうりは、今が旬。
病禍、熱波ではまだまだ。大地震、噴火、戦禍で、食うに困れば国の政治を我が物として考えるようになるだろうか。
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