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ちょうど稽古しているお能の謡テキストも「巴」になり。
●木曽義仲の隠れ城 1973 島田安太郎、舟木慎吾
隠れ城は、奈良井の平沢宿からすぐ東に楡沢を登った標高差800mの1740m楡沢山の稜線で、破格に広範囲。登山愛好家的にはほぼ縁のない山稜ですが、奈良井川と天竜水系の横川との分水嶺なので、分水嶺愛好家の通過記録がヤマレコにいくつか。
大多数の山城は戦国期16世紀のものでせいぜい標高差300m以内なのですが、この城は更に400年遡り1160年代のもの。父を殺した鎌倉勢からも、平家の中央政権からも隠遁し、かつ反政府ゲリラとしての軍事教練をするための場所なので、完全に通いにくいところにあります。その後の戦国期にも里から離れ過ぎなので再利用されることもなかったようです。戦国期の山城にはないくらい大規模で、石は使っていないけど広大な土塁堀切群が笹薮の中に眠っているとのこと。木曽と、信濃各地の支援者との連絡を取るうえでは、裏スジの山間ルートとしては悪くない場所ではある。藪漕ぎさえ強ければ。
ちょうど最近このあたりの山域での沢登りや山間集落峠越え山行を繰り返していたので、それもあって惹かれました。これは行ってみたい。現地にて「巴」を吟じてみたい。
●義仲と松本平 1989 飯沼伴雄
木曽義仲の松本盆地成長説についての本。木曽義仲は木曽の宮ノ越で27歳まで過ごし、宮ノ越で旗揚げして東信→北信→北陸経由で進撃して都を目指したのが通説ですが、木曽じゃなくて松本平の南の方の今井か、朝日村か洗馬のあたりじゃないか?という説が明治中期くらいから細々とあり、それに関する書を読みました。800年以上も前のことで、敗残方の歴史でもあり、追手を逃れて証拠も隠滅され、平家物語には創作や中傷も盛り込まれ、というわけで、謎であること自体が魅力の源平合戦期。
源氏の血筋の2歳の子供がイナカの信濃にやってきたっていうだけで反政府革命を夢見る当時の地方武士たちのマインドや、その子を延々虎の穴みたいな山中の軍事教練上で指揮官として育て上げ、信濃中の反政府勢力に連絡してカネや軍備や軍馬をザクザク集めた地方武士たちの手際とか、それを強く推した諏訪信仰の神々勢力とか、繋がらなかった話を繋げていく空想は面白い。
登山愛好家は、そうした本を読み、現地の藪の中に残る土塁や堀を愛でて、体を以て歴史の謎を味わい嗜めるのである。
※ ※ ※ ※
図書館で借りた本だけど、今後も読むだろうから松本市内の古書店で買い求めた。その古書店の中は、不用意に触れると倒壊する仕掛けが満載。「片付けたいんだけど、腰が痛くなっちゃってなぁ〜」というご主人は81歳。いつまで開いているかわからない愛おしい古書店だ。昔から世話になった店というのは主人が年上だから、当然、その最後を突然看取ることになる。これまでもたくさん看取ったもの。
あ、でも今アブキ橋が確か崩落したままかも。。。。
そこは30年前に、裾花川遡行して高妻山の時行きました。確かにデカいですが、あんなとこ通って行くかよ?と思いました。
高妻山(2353m)裾花川から - 1993年08月23日 [登山・山行記録] - ヤマレコ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-21141.html
木曽義仲生誕870年…という訳ではないでしょうけど
また何かで盛り上がっているのでしょうか?
千曲市の長野県立歴史館でも夏季特別展として
木曽義仲展を7月13日から開催いたします・・・。
只今、解説パネルせっせとデザイン中(汗)
改めて読んでいくと、ちょっと切ない人生だと感じました→義仲さん
あと仕事のお得意様の1人に埼玉の比企郡嵐山の方がおりまして
嵐山から離れた長野に仕事を発注して戴いたのは
義仲公のお導きか〜、なんて勝手に思ってます(笑)
それは楽しみです。挙兵ルートを歩いて更埴市までいきたいところですね。
義仲の人生は最高だと思いますよ。真っしぐらな目標に勝ち進んで、絶頂で果てる。周りから慕われ、いい仲間と女たちに囲まれて、死後も惜しまれて、悪くいうのはフェイク平家物語くらいですからね。頼朝なんてストレスフルな哀れな人生ですよ。
「図解 山城探訪 第二集 改訂 木曽資料編(非売品) 著・宮坂武男 長野日報社 H14年4月20日発行」を知っていますか?限定版。150冊なんで、もう在庫切れかもしれませんが・・・。木曽の山城は、ご存じのように大抵が義仲絡みなんで、現在の米山さんの関心に参考になるかもしれないと、コメントさせていただきました。贄川の舟木さんと、岡谷の宮坂さんは親交があったようで、この記事の冒頭の楡沢山城ヶ平の遺構も、この資料に詳述されていますよ〜。(手書きの)非売品ではありますが、当該新聞社に連絡したら、2500円で譲ってくれました。
わがブログ「薮山独自ルート floatcloudブログ」60cafab237.seesaa.netでも紹介してありますので、良かったらご覧ください。
宮坂武男氏の
信濃の山城と館全8巻の7 安曇・木曽編 夷光祥出版2013年刊というのを読んでおりますよ。宮坂氏、凄いですよね。オール手書きで。先日、地元の方とお話したら義仲の楡沢山城は舟木氏の頃かなり話題になったのですが、その後は場所が場所だけにほぼ宮坂氏くらいしかコメントできない、という謎状態。これはこれで素晴らしいです。
ブログを拝見しました。東濃の独自ルートの記録集、行動範囲を地域の山に絞っても、山登りは自分で宝の山を探すものなのだと納得いきます。ヤマレコへは当分お休みなのですね。確かに両方に出し続けるのはちょっと大変ですね。
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