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2015年05月23日 05:58やまれこ全体に公開

山行記録を書いて来たウラ面史

タニガワさんの古い記録の話を読んで、自分の山行記録の裏面史をまとめてみました。記録期間としてはもう筆記具よりキーボードの方が長くなっています。80年代までは誰でも手書きでした。しかしネットインフラが未整備だった90年代〜2010年頃まではデータ化してあった記録をどこにも出していない人は多いのではないかな、と思います。通信インフラの発展あっての今、それらをヤマレコに入れると、軌跡が俯瞰出来ると思います。
以下は僕の山行記録事情です。
《1977〜1983》中学高校時代かろうじて日付のみ。日記はあったが高3のとき幼稚な文章が恥ずかしくなり、家も出る事だし重要事項の日付のみ記録してかまどで焼きました。山行記録としては、のち1992年頃記憶を辿って書いておきました。この頃書いておいてよかった。今ではもう思い出せません。
《1984〜1989年》山行記録は大学の山岳部で、記録として書き始めたのが始めでした。簡潔で、天気、時間、メンバー、ルート状況、核心部の様子などだけ。実にシンプルです。実験メモみたいな素っ気なさでした。山中に野帳とチビた鉛筆を持って行きました。長い山行が多かったので、その日のうちに書き留めないと数日分の出来事の区別が難しくなるからです。海外などの長期山行や旅行などは、帳面を持って行って、万年筆で書いていました。地質測量バイトの山登りや、日帰り岩登りや、山小屋当番などは日付やルートさえ記録していません。山じゃない、と区別していました。冬は借り物のオリムパスOM10で写真を撮りました。夏の沢は水没しそうなので持って行きませんでした。
《1990年》就職して、ワープロを買いました。それでフロッピーに、山行ごとではなく、山ごとに記録をまとめていました。
ペテガリ岳・・・何年何月○○沢より、何年何月●●尾根より、・・というように。深田久弥の日本百名山のような、山ごとの頁の出来上がりをイメージしていた憶えがあります。だからその山に対する自分との関係のようなものを始めにひとこと書いていました。学生時代の山登りに区切りを付け、登った山々の個人的まとめ本のようなものを考えていたと思います。
記録は山を下りたらその日のうちに書いていました。今もです。
《1992年〜》アップルコンピューターIIciを買いました。本体60万圓、モニタ13万圓、フィルムスキャナ20万圓でした。バブル期ではありましたが、生涯最高額の買い物でした。始めてのカラーモニターです。自分の撮った写真がモニタ画面で電気で表示されているのが凄く新鮮で、憶えています。ワープロで清書していた1977年〜1992年分を、フロッピからマックに移せず、何十枚も印刷して、それをスキャンしてOCR(文字認識ソフト)で文字データにして取り込みました。写真はひと山行あたり2〜3枚を厳選して、ワープロソフト(マックライトやページメーカー)でレイアウトして一時は冊子にしたりしました。マックの美しいフォントが印象的でした。自家用で、配ったりはしませんでした。インターネット前時代の92年〜97年頃、パソコン通信のニフティーサーブというのがあり、「山のフォーラム」というところで電話回線代を気にしながら山行記録を読みあうサイト(当時はネットともサイトともいいませんでしたが)がありました。そこに文字だけ記録を「アップ」していました。写真機は、中古で買ったNIKON F3でした。
《1997年頃》Eメールのアドレスを持つようになり、遠くの人とファックスでのやり取りが少なくなりました。HPを作る人もちらほら。パソコン通信は突然滅びました。しかし自分でHPを作るという技量もズクも無く、記録だけはパソコンにワードで記録していました。このころからワープロソフトはマックでもワードになったかな。ソフトがどんどん廃れて互換性もなくなるので、データはテキスト形式にしていました。写真機は性能の良いコンパクトカメラになりました。このころには深田式、山名ごとの記録ではなく、山行ごとにまとめるようにレイアウト変更しました。学生時代の区切りにと一時は記録をまとめたけれど、山登りはその後も続き、記録ごとに編年で並べないと、たどり着けなくなったからです。
《2000年頃》日本山岳会青年部の出す「きりぎりす」という記録集冊子に何度か寄稿したり、岳人にも何度か山行記録を載せてもらう事もありました。基本的には山行記録は一緒に行った仲間や親しい山仲間にメールで送りました。中には充実の遡行図を入れた個人年報をびしっと作って通しナンバ入りの冊子を送ってくれる仲間もあり、感心して拝読しました。デジカメは持っていたのですが、山ではあまり使いませんでした。水で壊れそうな気がしたのかな。携帯電話機持ち歩く事になりました。
《2004年頃》技量あるメンバーのおかげで山岳部のHPが充実してきたので、主な記録をそこに載せたり山の本の書評を載せたりするようになりました。mixiというサイトに誘われ、日記を数日おきに書くという習慣がはじまりました。ブログということばもこの頃できました。防水デジカメは沢でも雪山でも便利で、撮影枚数も増えました。
活動は活発に続いていたのに17年間出ていなかった山岳部の部報編纂の担当になり、ネット駆使して原稿を集め校正編纂に努め、出版にこぎつけました。
《2007年》ヤマレコを知り、行き場の無かった山行記録と写真をまるごと投げ込みました。地図を記録に簡単に添えられるのでとても見やすくなりました。人生の時間のうちでどのくらい山に行っているのか計量されて、初めて知りました。だいたい8日に1日のペースでした。歩いた山の赤い軌跡を俯瞰して驚きました。ヤマレコで過去の山行の一つ一つにたどり着き易くなりました。山中メモはとりますが、山行記録は手元には残さず、ヤマレコに書き下ろしになりました。メールも Gメールになり、重要情報はクラウド化しました。いつか本当に雲のように消えたりして。
《2010年》日常日記を、手帳に書くようになりました。なるべくどうでもいい事を盛り込み、でも絞って。はじめボールペンでしたが、万年筆に。はじめ横書きでしたが今は縦書きに。字も比較的きれいになりました。いや、まだ全然。いつか山の記録を万年筆で清書する日がくるだろうか。
《2015年5月》とうとうスマフォを使う羽目になりました。でもこれで作文書くのは無理ですね。
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コメント

yoneyamaさん/RE: 山行記録を書いて来たウラ面史
これはyoneyamaさんひとりの山行記録の歴史というよりもデジタル社会の歴史ですね。きっと誰も同じように変わってきたのでしょう。
音楽を聴くという行為も私は最初はレコード、次はカセットテープ、さらにCDになり、今はデジタル信号をパソコンで聞いています。「音質」なんてこだわりはいまやなくなってしまいました。
いま主流は「ファイルをダウンロードして聞く」だと思っていましたが、今日の新聞によるとそれも古くなって、これからはクラウドでの「ストリーミング」だそうです。

私には「クラウド」は「雲を掴むような話」という意味に聞こえてなりません。
「いつか本当に雲のように消えたりして。」(^^)
2015/5/23 8:09
パソコさんRe: yoneyamaさん/RE: 山行記録を書いて来たウラ面史
CDへの移行はすぐにはせず、いつまでもレコード集めていました。今でもたくさん。ここ数年アンプやCDプレイヤーの調子がおかしくなっていますが、メイカーには既にもう治せませんと云われ、困っています。パソコンに取り込んで聞く事が多くなってしまいましたね。
ダウンロードはまだやっていません。世界の果てからでもCDで買って〼!
でも今週からスマホ持つ事になって、さっき音楽を移植してみた所です。同期っていうのかな。
2015/5/23 12:19
RE: 山行記録を書いて来たウラ面史
山行記録見せていただきました。すごいですね。よくぞこんなにもアップされましたという感じです。ヤマレコ登録山行記録数ではヨネヤマさんがトップですね。

私も通算では2000日程度は山に行っているはずですが、2000年以前は山の会に残っている紙の報告書ですので、とてもアップする気にはなれません。
2015/5/23 9:32
わかさんRE: 山行記録を書いて来たウラ面史
僕の場合は、既に本文と写真をデジタル化してあったからコピペして写真アップして、地図を書くだけだったので、サクサク行きました。でもぼくなんかよりたくさん登ってしかも価値ある記録を持っている人は凄く多いはずです。昔の記録だろうと、そういうのが凄く読みたいです。
以前、とある山岳会の先輩が持っていた古い記録集を結構アップした事がありますよ。
http://www.yamareco.com/modules/diary/826-detail-20546
紙があるならスキャンして、PDFにすると文字がコピペできることがあり〼。
まずは日付と日数から入力すると、全体像がわかって、面白いと思います。それはヤマレコの一番面白い所だとおもいます。
昔の記録の地図で赤線をつないでいると、こんな所にダム無かったよ!というのが結構あって困ります。
2015/5/23 12:28
ゲスト
RE: 山行記録を書いて来たウラ面史
こんにちは☆ ちょっと思ったのですが山行記録って誰の物なんでしょう?私は山岳会に属していますが、会には山行記録を出しますが、会に所属している人しか見れない仕組みです。そういう風にしておくのは、会にとっても他の人のとっても、あまり益の無いものと言う気がします。立派な会報があるのに、誰にも知られることがなく、したがって入会希望者がいたととしても会の内容を知ることができないという具合になっているのですが、昔からの会はそういう疎外的な形が良いと考えているような面もうかがえます。山岳会などの人はヤマレコは大抵嫌いです。が自分が行くときは山行記録を参考にするみたいです(笑)。
2015/5/26 18:02
キニさんRE: 山行記録を書いて来たウラ面史
いろんな山岳会があると思います。出すのがキライの理由もいろいろでしょうねえ。いろいろあるんですよ。会員にしか読めない仕組みのところは、多分それに以前は意味があったのでしょう。でも出し放題のところだってありましたよ。
記録はまずは自分のためです。僕が山岳部後にまとめたかったのは自分のためでした。同じくらいのレベルの人が、記録を読んで、自分の山行の時と比べて、共感したり感心したりするのが楽しみです。こんなルート誰も考えつかないだろうと思っていても、何十年も前の記録なんかを見つけると、凄く親近感を持ちます。未来のそういう同胞を驚かすためにも、書いておきたいです。
立派な会報あるなら見たいなあ!
ヤマレコがきらいなのかな、ネットがきらいなのかな。ヤマレコって、記録書くのにすごくよく出来ていると思います。ヘタなHPつくるより、ヤマレコで、読まれたくない部分を感想欄に、他者閲覧不可に設定すれば、とても便利にできるとおもうんだけどな。
2015/5/26 20:50
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