イ)まず付いている幼虫や汚れ落とし。
気温がまだ高めの時期は、傘や柄の内部にまで、幼虫が入り込んでいることが当たり前にあります。
写真1枚目は、ナラタケ、ウスヒラタケ、ヌメリスギタケモドキ、ブナハリタケなどを、塩水につけて、虫などを追い出しているところ。
幼虫は塩水は生死にかかわり、どんどん這い出してきます。
漬ける時間は、7、8分程度。きれいに見えても、これをやると、器の底にけっこう多くの虫がます。
右の器の白いサンゴハリタケは、繊細な味のため、軽く水洗いする程度にしておきます。
ロ)とりだしたキノコは、手に取り出して流水でゴミなどを洗い流し、カゴで水を切ります。
きれいなキノコは、これらの工程をカットすることもできます。
ハ)次の工程は、湯通し。ひと煮立ちさせて、ザルにとりだします。
これは、通常は、ごくきれいなキノコでは、省略します。
雑キノコで、えぐ味があるもの(イグチの大半、ナラタケなど)は、やっておくと澄んだキノコ本来の出汁が楽しめます。
出汁が抜けちゃうのででは? という心配もあります。が、キノコ汁は、キノコを相当にたくさん入れるため、雑味がある、ものだけでも、やっておくと、後にいい結果が出ます。
ニ)そして、いよいよキノコ汁。
ごく品質の良いキノコが十分に入手できたときは、ロ)の処理までしたキノコや、水洗いもせずに用意した上質のキノコを、ごっそりと鍋に移し、白菜などあっさりした野菜とお酒と醤油だけを入れて、そのまま水なしで鍋のふたをして、キノコ汁にします。
野生のキノコはみずみずしく、たっぷりの汁がキノコからしみだしてきます。キノコたっぷりの具だくさん。何種類ものキノコが醸し出す味と香りは、どの調味料よりも、上で、個性的。
味噌よりも、醤油の方が、そのキノコの味と出汁が生き、味と香りが記憶できます。出汁はキノコだけのおすまし風。写真2枚目。(チャナメツムタケ、キナメ、ブナシメジ、ムキタケ、ヌメリスギタケモドキのキノコ汁)
他におかずがあるときは、肉類も入れず、里芋、ネギなど野菜だけを加える。
多人数でメインとして鍋を囲む場合は、鶏肉、キリタンポなど、どんどんぶち込みます。
写真3枚目は、サンゴハリタケのコンソメスープ。シャキシャキのレタス入り。コンソメが負けてしまう、いい味が出て、コラボします。
あと10日で、フルシーズン入り。
tanigawaさん・こんにちは!相仲です。
きのこ汁の作り方、大変参考になりました。知識が無いので自分で採集することはありませんが、購入したり頂いたりしたときに作ってみたいと思います。市販のきのこは塩水につけたりする必要は無いのですね。酒と醤油の他、水やだし汁を入れないで、きのこだけから出る味わいが美味しいのですね。早速作ってみます。市販のきのこではどんな種類が良いのでしょうか。入れてはいけない品種などあるのでしょうか。ainaka ren
tanigawaさん、こんばんわ。
私もきのこは自分では採取できませんが、
きのこ探しに行くのは好きなので
名人さんに連れて行って欲しいなあと思っています。
山で採ってきたキノコ汁、美味しいですよね!
水無しで、お酒とお醤油だけ、というのは
驚きました。
今度そんな機会があったらやってみたいです。
ainakaren さんへ
>市販のきのこは塩水につけたりする必要は無いのですね。酒と醤油の他、水やだし汁を入れないで、きのこだけから出る味わいが美味しいのですね。
市販のものは、和洋を問わず、「水洗いをしてもいけない」という料理長、板長さんが普通ですね。
でも、野生のものは、晩秋にでもならないと、いろいろな異物、汚れ、幼虫にさらされています。
市販のきれいなキノコならば、水洗いも不要です。
日本酒は、キノコがヒタヒタまで浸からないくらいでいいのです。あとは醤油を出てくる水分の加減をみながら。
肉類は、とくに脂と香りが、キノコの持ち味を変えてしまいます。サトイモ、白菜またはネギ、人参あたりが合います。
>市販のきのこではどんな種類が良いのでしょうか。
なんでもいいですが、私ならば、次のものを。
市販のキノコで鍋をいっぱいにして加熱し始めるというのは、かなり豪勢になります。白菜、コンニャクなども補ってください。
山のキノコならば、鍋いっぱいもオーライなんですが。
すると、鍋の半分くらいもの出汁が出てきて、一回り小さくなったキノコがその出汁に浮かびます。
○ヒラタケ
大き目のものは「アワビタケ」などと称して売りにでています。小さいものは、「シメジ」。
深みがあるけれど、繊細さもある、良い出汁がでます。
○ハタケシメジ
私のサイトはここです。
http://trace.kinokoyama.net/fungi/fungi-zukan/hatakesimezi-fungi.htm
こちらも味、出汁の上品さ、濃厚さは一級品。
市販のものは、傘の食感が、自然のものよりしゃきしゃきしますが、味は良いです。
○ヤマブシタケか、サンゴハリタケ
3、4年前からスーパーでも見られるようになりました。
このキノコは、中華風、コンソメ風、などでも負けないコクがあります。できれば、他のキノコと混ぜずに、これだけを楽しんでください。
http://trace.kinokoyama.net/fungi/fungi-zukan/sango-haritake-fungi.htm
水分は多くは出てこないので、適度に水も加えてください。
sakusakuさんへ
>山で採ってきたキノコ汁、美味しいですよね!
水無しで、お酒とお醤油だけ、というのは
驚きました。
メインのメニューにキノコ鍋をするときは、もちろん、野菜や肉をどんと入れて、キノコも全部、放り込んで、灰汁をすくいながら、わいわいやります。
それもおいしいけれど、終わってみたら、「いったいなんていうキノコが、どういう味や香りだったのか?」、
記憶に残らない場合もある。
それから、繊細な味のキノコを、強い味のものと全部いっしょにすると、負けちゃいます。
でも、水をほとんど加えず、キノコと野菜だけで仕上げると、驚くほど出汁が出てきて、キノコの香りまで楽しめます。
先週は、ヒラタケと、ウスヒラタケの大きな群生に会い、カミさんと私の2人分だけこの2種類だけ入れた、汁にしました。
ヒラタケは、出汁がしっかり出ますが、この1種類だけでも深みがある味であることが、わかります。
その晩に食べきれる分だけ、種類も吟味して、冷蔵して持ち帰るのも、大事な点です。
冬場は、干して、味をよくすることもできますが。
そういえば、以前、赤城山に、XX山のナメコを担ぎあげて、J山の会の皆様と、山頂きのこ汁会をしたことがありましたね。
http://trace.kinokoyama.net/kanto/akagi-FYAMAP041107.htm
私がアップ気味で写っています。
tanigawaさん・丁寧なご教示有難う御座いました。早速きのこの買出しをして作ってみたいと思います。出し汁や肉、魚などが禁物であるとは知りませんでした。楽しみです。
sakusakuさん・先に作ったら出来栄え教えて下さいね。
ainaka ren
私、この時参加しそびれました
自分の食器を持って
きのこ鍋の出来上がりを待ちわびる山の会の面々。。。
tanigawaさん、こんばんは。
私はまだ初級段階なので、某所のツアーにここ数年参加して勉強中です。自宅に帰ってから処理するのですが、初めの頃は塩水に漬けすぎたり、湯通しが長すぎたり、やっと少し慣れてきました。
天然の舞茸やナメコは感動モノです。ヒラタケはまだ自信がないので一人では取れませんが。
プロフの写真はアカヤマドリの幼菌ですか?
fireboltさんへ
そうです。アカヤマドリの、傘のひび割れの特徴が出る前の、子どものキノコです。鳥海山のブナ林のものです。
今回の私の紹介は、こんな手もあるんだということで、みなさん、材料と好みに応じて自由にやっていくのがいいと思います。
ただ、1種ごとのキノコの香りや味や個性を、しっかり知ってほしいというのが、紹介した私の気持ちです。
味覚は、そのキノコを覚えるうえで、かなり大事ですよね。
sakusakuさん、赤城山は、幸運を逃しましたね。
みなさん、よい雰囲気の素敵な方々でした。
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