http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
秋田市、新潟市、長野市、富山市、松江市の5つの街の降雪量について、観測データがある1961年以後について、推移を見ました。
寒気団の波状的な南下と日本海の海水温が高いことで、今季はけっこう降雪量があったのかな? と思っていました。でも、推移を見ると微妙。多くの地域で、夏の残雪量が確保できるところまでには、まだ間があるようです。
夏山の残雪量は、冬季後半のこれからの降雪量と、春以後の雨量に大きく左右されます。
まだ定まったことは言えませんが、松江市を除けば例年並みの降雪量にくらべ、まだ開きがあります。いまのままでは実績を下回るところも出そうですね。
それにしても60年代、70年代にくらべて降雪量には減少傾向が見られます。
自然の保全と登山の楽しみの面からは、いつもどうりの降雪量を期待したいですが、一方で、雪国では高齢化や自治体の除雪費の工面、人手不足などで、雪下ろしの事故をふくめ様ざまなご苦労が続いています。ドカ雪も程度を超すと、災害になってしまいます。山にだけ降ると八方まるく収まるのですが。
下記のデータですが、数字はcmです。
各都市とも2つの数値を掲げています。
1つめの数値は、累積降雪量です。その年に一回ごとに降った降雪量をすべて単純加算したものです。総降雪量、合計降雪量です。
2つめの数値は、その年の最深積雪量です。ほとんどの観測地点で、1月後半から2月半ばまでに最大値に到達し、以後は減少してゆきます。
テキストでの数表のアップが難しいため、表が不揃いの点はお許しください。
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*秋田市,, **新潟市,,
年, *累積降雪量,最深積雪量,**累積降雪量,最深積雪量,
60年代平均, *298 ,50 , **218 ,50 ,
70年代平均, *277 ,43 , **178 ,42 ,
80年代平均, *284 ,44 , **215 ,48 ,
90年代平均, *226 ,34 , **128 ,33 ,
2000, *311 ,65 , ** 76 ,16 ,
2001, *310 ,44 , **252 ,55 ,
2002, *198 ,36 , **104 ,27 ,
2003, *276 ,25 , **129 ,27 ,
2004, *155 ,28 , **114 ,22 ,
2005, *288 ,40 , **134 ,24 ,
2006, *447 ,74 , **157 ,24 ,
2007, *125 ,10 , ** 16 ,6 ,
2008, *329 ,25 , ** 76 ,10 ,
2009, *211 ,32 , **105 ,21 ,
2000年代平均,*265 ,38 , **116 ,23 ,
2010, *316 ,34 , **253 ,81 ,
2011途中, *192 ,30 , **106 ,35,
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*長野市,, **富山市,,
年, *累積降雪量,最深積雪量,**累積降雪量,最深積雪量,
1960年代平均,*188,33, **479,87
1970年代平均,*160,28, **340,62
1980年代平均,*154,24, **416,78
1990年代平均,*163,30, **227,47
2000, * 95,14, **339,47
2001, *184,32, **328,55
2002, *206,48, **230,35
2003, *196,42, **305,55
2004, *181,38, **330,70
2005, *237,47, **384,69
2006, *253,49, **504,79
2007, * 84,22, **101,20
2008, *190,26, **178,36
2009, * 47,15, **126,27
2000年代平均,*158,32, **249,45
2010, *169,28, **383,63
2011途中, * 74,35, **183,39
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*松江市,,
年, *累積降雪量,最深積雪量,
60年代平均, *137 ,29 ,
70年代平均, *120 ,34 ,
80年代平均, *104 ,25 ,
90年代平均, * 51 ,15 ,
2000, *134 ,25 ,
2001, * 73 ,29 ,
2002, * 28 ,7 ,
2003, * 39 ,15 ,
2004, * 82 ,22 ,
2005, * 66 ,32 ,
2006, *127 ,21,
2007, * 21 ,9 ,
2008, * 56 ,20,
2009, * 72 ,21 ,
2000年代平均,* 70 ,20,
2010, * 24 ,11,
2011途中, *103 ,56,
tanigawaさん・こんにちは。
とても興味深い資料です。有難う御座います。積雪は次第に少なくなりつつ、その変動は大きくなってきているということですね。やはり、炭酸ガス・北極振動・ラリーニャ・エルニーニョ・サイクルですかね。雪崩についてURL追記させて頂きました。相仲
*雪崩の季節 http://www.yamareco.com/modules/diary/8042-detail-26862
tanigawaさん こんにちは。この冬は今のところ
寒くて雪が多いのですが
安心はできないですね。
近年2月になれば急激に
暖かくなるパターンが多いように思います。そうなれは相手は雪なので一気に融ける可能性がありますね。中国地方は豪雪で騒いでるのでわからないのですが
他の地方の積雪量はやはり多いんですか?
ainakarenさんへ
>積雪は次第に少なくなりつつ、その変動は大きくなってきているということですね。
単年度ではばらつくので、10年ごとの変動を見てみました。
累積降雪量では、60年代と2000年代では、
秋田 3メートル水準を持続
新潟 半減
長野 微減
富山 半減
松江 半減
という状況ですね。富山のデータは山岳地帯の変動を特徴的に現しているのかな。残雪の減少は実感に近いです。その分、単年度だけ多い年があると、印象が強まりますね。
ainakarenさんは、以前の積雪のスケールをご存知ですから、実感の差異も感じておられると思います。
私の体験は札幌の今昔です。
以前は正月明けで帰ると、肩ぐらいまで積雪がありました。雪かきのため、軒まで雪が積みあがっていました。
最近は雪だるまを作るのも苦労する正月が多く、雪まつりはほぼ毎年、雪不足です。
より山に接する都市のデータは、60年代、70年代がなくて、比較できず残念です。
miccyanさんへ
>中国地方は豪雪で騒いでるのでわからないのですが
他の地方の積雪量はやはり多いんですか?
2011年の到達データと、過去のものを出しています。このままでは、残雪量はよくて平年並みですね。少なめのところが広がる可能性があります。
中国地方、大山は残雪量は期待できますが、水分を大量に含んだ重たい雪が、船体について漁船を沈め、電線を切り、林をなぎ倒したニュースを見て、驚きました。
現地に行って被害を調べてきた方の話では、現地では、「ゲリラ豪雨」ならぬ「ゲリラ豪雪」というネーミングが生まれたそうですね。
夏も、冬も、意外なことが起こってくる時代になりました。
追加です。
>近年2月になれば急激に
暖かくなるパターンが多いように思います。そうなれは相手は雪なので一気に融ける可能性がありますね。
年末に大雪があった欧州では、その後気温が上がって、ドイツなど8メートルも川の水位が一気に上がって、洪水になっています。
来月以降、春の大山は、気をつけられてください。
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