この芽は、長さ6〜7センチを超す大きなものもあります。柔らかい葉は放射状に展開し、次第に大きく広がっていきます。(写真2枚目)
山肌全体が若緑色に染まるころが、ホオノキの見せ場の第二ラウンド。今度は、大きな葉が八方に広がった、その真中に、淡い赤紫色の蕾が膨らみ(写真3枚目)、大輪の真っ白な花を咲かせます。
開花は山桜が散って、ミズキの花や、ヤマツツジが咲きだすころ。
ホオノキの花は直径15センチ前後。、日本の樹木の花のなかでも一、二を競う大きさ。高さ20mを超す大きな朴の木が、白い大きな花を20個ほども咲かせる様子は、遠目に眺めても見栄えがします。
開花直前の写真は、私のサイトに。
http://trace.kinokoyama.net/flower/3mokuren-ka/hoonoki.htm
ホオノキの葉といえば、飛騨の朴葉焼きですね。秋に沢沿いの山道を歩いているときに、あたりに朴の大きな枯れ葉がいっぱい落ちていることがあります。見上げると、朴の木の白い幹。こんなところに朴の木が、と気がつかされます。
これも岐阜県ですが、飛騨や恵那の地域では、朴の若い緑色の葉を使って、山菜をいっぱい混ぜ込んだ「朴葉寿司」をつくります。
朴葉寿司は、緑の葉でつくるから、朴の葉の香りがご飯に染みるのだそうです。私は、正真正銘の朴葉寿司は、食べたことがありません。
ホオノキが目立つ第三ラウンドは、実です。派手。
赤ワイン色の彩度を上げたような色の、槍先のような形の実を着けます。
長さ10センチ以上。
アイヌは、この実をつぶしたものや、枝をつぶしたものを煮立てて、お茶にして飲んだとのこと。朴の材は加工しやすいため、弓矢の矢筒や小刀の柄なども、作ってきました。
朴葉寿司は長野県の木曽の方にもありますが、
木曽には朴葉巻きという和菓子もあります。
私は食べたことがないんですが、
その季節になるとニュースでやっていますね。
面白いのは枝の先ごと切って、
それぞれの葉っぱに米の粉の皮と餡をくるんで蒸すので
房状になっている点です。
http://www.cnet-kiso.ne.jp/h/harahiro/kiso/aji.html
朴と栃はともに葉が大きくて一見似ています。両方並んでいれば分かるのですが、いつも考え込むのです。
一度樹木医と歩いたときに教わったのだけど、えええと、褐色の枝から葉の付け根までの長い茎の部分が緑なのと褐色なのとがどっちかだったのです。夏が終わるたび忘れてしまいます。
朴や栃の葉陰で光を逆行で見ると、まったく清々しい気持ちになりますね。
sakusakuさん、リンク先の「朴葉巻き」を見ました。
こんなお菓子があったんですね。5月中旬〜6月下旬
限定とありますから、やはり朴の緑色の若葉を使って、香りを引き出しているようです。
握り飯も、朴の葉で包んで携行したとのこと。
昔の人は、折々の季節の移ろいを、目でも、香りからも楽しみながら、暮らしていたことが感じられます。
yoneyamaさんらしいシーン ↓
>朴や栃の葉陰で光を逆行で見ると、まったく清々しい気持ちになりますね。
渓をすすむyoneyamaさんの姿が想像できます。
>褐色の枝から葉の付け根までの長い茎の部分が緑なのと褐色なのとがどっちかだったのです
トチも、ホオも、葉は大きくなりますが、
葉柄が長くて、その先に数枚の柄が短い小葉をつけ、葉の縁がギザギザなのがトチの木、(天狗の団扇型)
葉柄が1センチ余りしかなくて、葉の縁が波打ちながらまろやかなのが、ホオの木、
と私は区別しています。
それと、トチの芽は、赤くて、油ぎっています。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-110084.html
「葉柄」、ようへいでした。トチの葉柄が長くて緑なのでした。葉の縁もそうですね。違うはずですが、どうも並んでいないとまだ区別が怪しいです。いつもそこで立ち止まります。
yoneyamaさん、「葉柄」、私は門外漢だし、単純に訓読みして「は(の)え」と心の中!で読んできました。その方が即物的で覚えやすい。
音読みは、日本の言葉には、聞いても、読んでも、ぴんとこないですから。(笑)
医学用語もそうですし、植物の部位の用語も同じですが、どうしてこんなに日常の世界の言葉に、漢語を使うのかと思います。
明治期に医学、生物学、化学などを独語を和訳した人たちが、頭が「漢語」だったんですね、きっと。
いま和訳したら、こんな愚はおかしません。
トチの葉の特徴について、出てくる言葉でも、次のように「心の中」で訓読みして覚えています。
小葉(しょうよう)→(こば)
鋸歯(きょし)→ (のこぎりの歯)のようなギザギザ状。
訓読みは、日本語の日常語のイメージのままなので、覚えやすいです。
植物の種の名称は、漢語と、和風の日常語が入り混じっています。これも日常語の方がおもしろいし、名前を覚えやすいものが多いかな。
ホウノキはそこらに結構あって、大きな葉は
あれをふき取るのに、重宝します。
あとで、ホウバ味噌にそっくり!!だなんて思います。
kimidoriさん、何もなかった時代は、誰でもやることは同じで、アイヌの人たちは水芭蕉の葉を、現代の紙の代用にしたそうです。
朴葉は北海道にもありますが、資料は出て来ません。フキの葉だと細かい毛が裏面にあるし・・・。
朴の木は、いろいろな生活・狩りの道具に加工されてきたので、扱いが違ったのかもしれませんね。
私は野山、小川で暗くなるまで遊んで育った世代でした。現場では紙は持ち合わせていませんから、みんな、いろんな代用を探しました。
けっこう使ったのが、桑の葉でした。
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