奥さん、孫、新しい家、そして船までも、津波でいっぺんに失ったおじさん。毎日、海岸で家族の捜索を続け、捜し出すことができず、途方に暮れる日々のなかで、ようやく私たちと連絡がとれました。
電話で話し合うくらいしかできない私たちと、その後、10日か2週間くらいの間隔で、連絡をとりあい、1度は田老の仮設住宅で再会しました。
生わかめ、鮭、山で拾った栗、生サンマなど、田老の幸は無尽蔵。東京からでは釣り合うお返しができず、いつも不等価交換になってしまいます。今度の生うにも、うますぎる。自分で取り、身をよりわけ、瓶に詰めて冷蔵発送してくれたものでした。こっちからのお返しは、今度は手作りジャムなので、引き合わないな。
そういえば、1人の仮設住宅で、朝も、夜も泣いているんだと、ときどき話していたおじさん。このごろは泣く話がでなくなりました。
豊かな海の回復は、漁師さんを支える陸の諸体制が整ってからですが、水産関係施設だけでなく、住むところさえ、まだ対策は途上です。
それにしても、オリンピックを機に東京の大改造が始まり出した一方で、日本の全人口に比べれば1000分の1の被災者、避難民の生活基盤を、いまだに復興・支援できていないこの国は、どうかしています。故郷が回復した姿を世界に見せてこその、五輪ですよね。
この夏は、久しぶりに岩手の山に行き、おじさんと再会してこようかなと、相談しています。(写真は、生ウニと、焼きうにです。色合いだけ、おすそわけ )
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