柳家花緑のようでありまた、ピオレドールの平出和也氏にも似たキャラバン氏。
酒は飲まず、一回り以上も違う歳若い氏と、表現行為としての登山、作文の効用についてまたハルキムラカミの小品についても話した。
その間、姉が「愉快な」せん妄の親父を母の見舞いや自宅へと連れくれ看てくれた。
前夜またしても徘徊に遭って寝不足のその晩は、私が娘の寝かしつけに階上へ、変わって妻が父に付く。口内炎と口唇炎が痛む中だったが、お陰で私は熟睡した。
久方振りの日中の歩行が効いたのかその晩の父の徘徊は無く、ただムニャムニャフガフガと一晩中喋り続けていたようだったが、その雑音を上回る家内の「寝力」により、繊細な私とは違い翌朝妻は「熟睡した」と言い放った。流石は生来の「寝技」の厚みが違う。
「一本でも多く乱取りしたほうが勝つんで!」【七帝柔道記】
よく晴れた翌日曜、子供達を連れて家内は恵那のスケート場へ、その日は私が父を看る。
朝食時に親父が景気よくコップごとダァーッと牛乳溢して増えた洗濯物も、今日は実に良く乾く。
看るとはいえ、すっかりと衰弱した父は起き上がって徘徊する余力も無い模様で、フガフガと何かを語り続けるその様がつげ義春の『大場電気鍍金工業所』の導入部を思わす。
親父を陽当たりの良い明るい部屋に寝かしてちょくちょく看ながら、自転車操業でのこの冬分の檜薪割をバッカンバッカン片付けてゆく。ストーブの季節も残りひと月半のことだ。
●SHAKTI with JOHN McLAUGHLIN
を結構な音量で掛けて、聴きながら斧を振るうと仕事の捗ること捗ること。L.シャンカール(vln)がメンバーに居るが、ノラジョン父ラヴィ・シャンカール(インドのシタール奏者)とは別人。コレ、大いに盛り上がるライブ盤です。
お陰で、薪割りはものの半日で済んでしまい、庭がスッキリと片付いた。割りたて檜の香りも大変ヨロスイ。
午後は布団干し、洗濯物取込み、羅臼昆布で出汁までとって鳥鍋饂飩の用意、煙突掃除にストーブの炉内掃除も済ませて煤まるけの手洗いをしていると17時の時報が聞こえた。
ストーブに着火して、景気よく飲み出した。ビリー・ホリデイのVerve盤を聴いて。
昨日の、キャラバン氏との会話を反芻してみる。村上春樹雑文集P.228「ビリー・ホリデイの話」ジャズとは? 翻って登山とは?
家族の者が18時にワラワラと帰宅、寝たきりだった親父を起して食事を摂らせ、床に就く前にトイレに座った父の口から「で、出そうやぁ」以下、12/23の母同様。
https://www.yamareco.com/modules/diary/1946-detail-134334
2月11日以来かよ。これまた太くて水洗トイレ、詰まりそうだったぜ。
で、今日月曜は父の糖尿の定期検診を兼ねた、心のケア(精神科)外来の受診日である。今後の私の意向は今朝方家内に伝えた。
拙宅へ迎えたのが2月5日夜の事で以来、辛い思いを携えて家内は父に尽くしてくれた。
二週間で父に対する復調への期待があったものの結果、介抱の甲斐なく快方へは向かわなず無念である。
以前に鬱診断が下ったので介護ではなく医療行為の要看護ということで入院可能と説明された、ために私の気持ちは入院へと傾斜し、付き添いの家内にもその旨伝えていた。
けれど、入院すれば以降心身共に衰弱の一途を辿るだろうとの医師判断も手伝って今暫く家で看ようと決めたと今し方妻から電話が入った。
例えるなら家内に、身内に「跳びつき十字固め」を喰った塩梅だ。俺が喰ってどうするよ。
母と父、この両親は連動している。昨夏だったか、そんな山主さんがお見えだったのを思い出した。
看護の日々は、いよいよ続く。
いい音楽は心の清涼剤ですなあ。寝技の強い奥様に感謝ですね。
雑文集はまだ読んでなかったです。
金の信長のカラス、最高。
えっ、雑文集をお読みでない?
単行本でよかったら送ります。
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