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随分長い間気に掛けていた海外放浪本だった。
退職して、図書館好きの息子と平日日中に出掛けて借りた本だったが、その単行本はぶ厚く、寝床で読むには重かった。
同じバックパッカー仲間として著書を借りて済ますことにスマナイ気がし出して、対価を払おうと文庫本を探して購入した。これまでの私だと投票行為にならないアマゾン中古で1+257円で済ませていた。
あちこち見て廻ったが中々見つからない。三洋堂なぞにはなく、岐阜駅構内の三省堂でやっとこ見つけた。
中村安希;1979年生で(この生年と1976年には不思議と特徴的な人物が多い気がする)、日本一短い名の高校を出てアメリカの大学へ。三年間の社会人経験を経て2006年27歳にてユーラシア・アフリカ大陸の旅に出る。その期間、684日という。
中東までは私とルートが似ている。だが、アフリカを目的に旅するところが気構えが違う。○○スタンも通過している。
アフリカと南米は、アジアユーラシアを旅することからするとギアが二段は違う。それぞれ、一年は用意して出掛けるくらいの懐深さで、強い気構えを要求する。というのも、盗難強姦強盗等の危ない目はどうしても回避し難い。
加えて、女性である。実際、危ない目にも遭っていよう。
そもそも彼女は「国際貢献をしたという動かぬ証拠を獲得し、その実績や経験を何かこれからの将来に役立てたいと考えていた(P.54インド[生きる理由])」という。
語学力を駆使して、出会う旅行者や現地民とも積極的に交流を図り、旅そのものや生きることの意味、そして世界との関係を考える旅としている。
世界をザザッと観て廻れっとばかり、うわっつらの旅で済ませた私とは違う。
旅で重ねたその経験を、独特の言い回しで文章に転換した本作品にて第7回開高健ノンフィクション賞受賞とある。
なおこの開高健ノンフィクション賞、第6回が石川直樹氏で第8回が角幡氏、第3回は藤原章生先輩である(先週たまたま入手した)。
第13回は三浦英之氏で『五色の虹 〜満州建国大学卒業生たちの戦後〜』だ。こちらは未読だが昨年「南三陸日記」を病院で読んだ。
今もノンフィクション作家として活躍されているという。
単行本巻末のプロフィール写真はかなり良く撮られている。
文庫本巻頭のプロフィール写真が真の姿である。こちらはあの「アジアン・ジャパニーズ」の小林紀晴氏によるもの。
開高健賞受賞者には、なにかと縁のある人が多いというか、大和足袋いや、山と旅の人たちですからね。
五色の旗は読みました。やっておいてもらってよかった仕事だと思います。どこかに感想書いたな、、、おーこれこれ。
https://www.yamareco.com/modules/diary/826-detail-135551
五色の旗、つい先週に文庫本がこれまた集英社から出たばかりでないですか!また三洋堂、ではなく三省堂まで買いに行ってきます。三浦英之氏も確か朝日の新聞記者でした(藤原角幡両氏も記者元記者)。
我々が虹トロにああまで惹かれるのも、若き日のベースがあるからなんですね。
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