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4/6発売なので何を今更、遅いと言われるかもしれないけれど、氏のブログ上でも紹介が無かったものだから(極夜行発売以降、更新が止まっている)その発売を知らず、とある出版関係者から知らされて購入した次第である。
いやはや「極夜行」以上に眉間にカツーンときた本かもしれない。これは冒険探検の観点から問題の書である。ある意味で「創造的な登山(パイオニアワーク)とは何か【本多勝一】」を越えている。それは、今の時代に冒険をどう行えばいいのかが明示してあるのだから(それが読み手にできるかどうかはさておき)。
帯に推薦文を寄せる高橋源一郎氏も、こんな手ヌルイ帯を書いている時ではないと思うのだが。
「読み終わったら、きっとあなたは冒険したくなる。ぼくはそうでした」って、ちゃんと読んだ?
本日金曜朝のラジオ番組のすっぴん!(金曜担当は高橋氏)で、もしや9時代すっぴんインタビゥゲストがその角幡氏ではと思いきや、そうではなかった。が、ブンショウ氏が出演した位だから角幡氏も近く現れるだろう、きっと。
何時になく折り目の多い読了本になった。
第二章ではジョーゼフ・キャンベル「千の顔をもつ英雄」を根拠立てて脱システムを論じているが、私の頭には些かキツイ章だった。同氏の「神話の力」か「神話のイメージ」を読んでいる家内に、明日の新幹線移動中に読んで解説してもらおう。
スマホやGPSを何の疑いも無く使用する現代登山者に対する物言いに留飲が下がる思いがしたが、これを読んだとしてもスマGを手放して登山を実践しようとする人は現れないのだろう。それが巻末に繰り返し書いてある。
惠谷治という懐かしい名前が登場したが、そんな脱システム探検をしていたとは初めて知った(三原山溶岩計画)。
かつて惠谷氏が日本における唯一の探検家として関野吉晴を挙げたのを記憶しているが、今は亡き氏がこの本を読んだら何と言うのかに興味がある。
また、度々俎上に載せられる本多勝一氏は高齢だが存命なのできっと感想を直接角幡氏に述べるだろうが、一体どんなだろう。
この本にあるような考えの元で意図的に「極夜行」を行ったとすると、これはちょっと凄いことに思える。その才能が。
角幡唯介氏は、間違いなく"残る"だらう。関野氏を越えて。
今晩は休肝日だったのに、思わず呑んでしまったではないか。
明日、家内は上京して早稲田に研修に行くそうだが、もしや早稲田界隈にはコレに感化された「脱システム・カレー」なるものが有ったりするのではと想像する。もし食べたなら、場所教えてな。
極夜行とセットで読んだらますます増幅の角幡節でした。
パイオニアワークとはなにかの本多以来ながく、解題したいテーマでした。たいへん面白く読みました。
焼き直し山行ばかりが横行する中で、ふと手にしたこの本を再読したら気持ちが少々晴れましたワ。
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