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2014年11月26日 20:03読書 書評全体に公開

スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)

1972年3月の24人遭難死の事例紹介です。
積雪期に南岸低気圧などで大量の雨が降ると、積雪下層に氷水がたまり、そんなところを緊急下山しているうちに下半身が冷えきって急速に低体温症になり多くが疲労凍死しました。その雪崩も通常のとは全く違う、氷の土石流のようなものになると云います。40年前の大遭難の生存者や関係者に聞き取りをした論考です。
日本山岳会の年報は、図書館などにあると思いますので積雪期登山や富士山に関わる人には一読をお勧めします。無知のままではいつかまた同じ事故が起こるかもしれません。
先日富士山麓の畑に招かれた、山岳部のセンパイの論文です。

http://aach.ees.hokudai.ac.jp/xc/modules/AACHBlog/details.php?bid=706
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コメント

RE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)
 yoneyamaさん、このときの富士山大量遭難は、私が登山を初めて2年目(高校2年の3月)のときのことで、とても印象深く覚えています。
 雪崩の大規模な、多重発生とその到達距離の長さなどが注目されていたように記憶してきました。
 当時の映像もすごかったのを思い出します。労山にとっては、結成以来、最大規模の遭難事故でした。
 当時の報道では、この時期の富士山としては異様な降雨と、天候判断の誤りが問題にされていたように思います。

 リンク先の文章を読むと、多量の雨が独特のしくみの雪崩を引き起こしていたのですね。流れ落ちた雪は、行動をも阻む性状だった。
 また、「低体温症」→意識障害・行動不能については、当時の時点では「疲労凍死」一般の認識に医学もとどまっていましたらか、この角度の検証も、ずっと後年になって可能になってきたように思います。

 当時、この遭難にあった登山者は、全体に若くて、20代が大半だったように思います。体験者への聞き取りなどは、いまでもまだ可能と思われますが、探すのはたいへんですね。

 大事な教訓にしなければならない問題が、登山界ではそうならないケースがしばしばあります。
 トムラウシの低体温症による遭難事故でさえ、教訓・備えが行き渡らずに、白馬岳と、そして今年春の北アの多重遭難が繰り返されています。
 装備そのものは、1972年の富士山のときは、ナイロン・ツィルのヤッケとオーバーズボンが、標準装備の時期で、スパッツや山靴を含めて防水性は極めて弱かった。
 若い体力のある登山者らが、その装備で、シャーベットのような雪のなかで、埋まり、倒れて、亡くなりました。

 しかし、装備が格段に進んだ今でも、気象と行動の可否の判断を欠き、あるいは低体温症の独特の進展の怖さを知らない登山者らの、遭難は続いています。
 一点、最近の報道では、「疲労凍死」という誤った用語が消えて、「低体温症」と表現されるようになったことが、前進点でしょうか。
2014/11/26 21:22
たにがわさんRE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)
当時のことを憶えていますか。僕は小学二年だったので、浅間山荘とウルトラマンエースくらいしか憶えてないです。
論文に寄れば、当時の気象予報は今ほどの充実した具体性は無く、夜半急に天候悪化して雨が降るようなことも多分現地では予測が難しかったのではないかとありました。
宝永火口の上から太郎坊までなら、富士山経験があるリーダーならなおさら一、二時間で一気に下れると判断すると思います。
スラッシュ雪崩という「氷水土石流」現象は、最近の防災用無人カメラで初めて撮影されたとありました(2007年)。ほとんどの人が目で見た事の無い自然現象。でも、江戸時代から記録され、確実に起きる致命的な気象現象です。
2014/11/27 5:23
RE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)
1972年の富士山大遭難のことはよく記憶しています。その日私は北アルプスの槍平の避難小屋に泊まっていました。前日は稜線にいたのですが終日快晴でした。10日以上も山に入っていて毎日天気図は書いていましたが、もう明日は下山なので天気図を書かず、気圧配置はまったく知りませんでした。前日の夜からみずれ、やがて雨になり、一番中雪崩の音が聞こえました。富士山の遭難の日は雨の中を新穂高に下りましたが、いたるところデブリでした。下山後に富士山の遭難を知りました。
スラッシュ雪崩と言う言葉は比較的最近知りました。もう10年近く前ですが、富士宮5合目付近の雪崩を見ました。この時はじめてスラッシュ雪崩という言葉を知りました。須走口のクランドキャニオンもスラッシュ雪崩によって形成されたとか。その威力に驚きました。
2014/11/27 21:44
アオイヤマさんRE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)
アオイヤマさんも記憶にある世代ですか。
数年前、スラッシュ雪崩ではなかったと思いましたが槍平の小屋も雪崩でやられてしまいましたね。それもまさかという事故でした。新穂高までは、広い谷とはいえ、そんなデブリだらけの中下るのは恐ろしいですね。だからこそ下山後に知った富士山の事故を今も憶えているのでしょう。
山岳109添付の写真では、グランドキャニオンのようになっている様子もありました。
2014/11/28 5:31
RE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)
yoneyamaさん、こんにちは。

スラッシュ雪崩が気になって図書館で『山岳』探したんですが置いてないみたいでした;
残念に思っていましたが、偶然、今月発売された『ドキュメント御嶽山大噴火』に火山とスラッシュ雪崩との関連の記述があり、どうやらスラッシュ雪崩の起因は火山灰の堆積と関わりがあるようで雪崩は地形と気象条件に起因すると思ってましたが、スラッシュ雪崩については地質も絡んでくるようですね。(多孔質な地質であればもしかすると火山灰以外にもスラッシュ雪崩を起こしやすいものもあるのかも…)この記述にも安間さんのお名前が出ていましたよ。
2014/12/1 8:20
ミニスロさんRE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 2014)
ミニスロさん
図書館、いけませんね!ミニさんは名古屋近くでしたね。日本山岳会東海支部の事務所が上前津駅近くにありまして、お近くを通るなら見られます。会員でなくても、話せば読ませてくれると思いますよ。10分もあれば読める量です。本がたくさんあって居心地良いところです。
2004年までこの近くの栄国寺の北の町屋のような古い民家に住んでいました。
http://jactokai.sakura.ne.jp/shibuhp/modules/pico/index.php/content0004.html
このOMCビルの南側の非常階段のところに、地図を写真に切り替えてみると、人口壁作ってあるのが見えます。
もう御嶽山噴火ドキュメント出てるんですか。
2014/12/1 10:58
Re: ミニスロさんRE: スラッシュ雪崩 雪代災害(山岳109年 20...
上前津の日本山岳会東海支部の人口壁は有名だから私も知ってはいます…見に行ったことないですけど。栄方面に出た時に覗きに行けたらと思います。一応、他の近くの図書館に置いていないかカーリル↓で検索しましたがないみたいです^^;
http://calil.jp/
栄国寺…東別院の近くですね。最近は毎月28日に東別院てづくり朝市というのがあっていい雰囲気ですよ。一緒に覗けたらいいなぁと思います。
私は『御嶽山大噴火』11月29日(土)夜購入できたんですが、どうやらフライングだったみたいですね;
2014/12/1 22:49
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