去年の5月、山梨県の小菅村の鶴峠→奈良倉山→大マテイ→小菅の湯→富士急バス→鶴峠、という周回ルートを計画し、大マテイから小菅温泉に下山しました。
そのとき、大マテイから小菅村への登山道の途中、かなり傾斜のあるトラバースの場所で、ワイヤーやロープが風化・破損していたり、足場の板や鉄板が脱落しかかっているのに気づきました。
そこで、当時のヤマレコ記録に、こう書きました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-863576.html
「大マテイから小菅の湯に下山する登山道は、上部で崩落地形に架かる丸木橋が、崩壊しかけているところあり。急斜面で、小石が落ちると100m余り下まで、バウンドしながら落下した。足元注意。」
今年2月、その現場で、12人パーティの登山者のうち、1人が滑落し、100m滑り落ちて亡くなる事故が起こりました。50歳の男性でした。
私が現場を通ったのは、去年5月のときが3回目でした。
しかし、通過中、足場となる板や杭、鉄の足場などに、ひどい傷みや、破損を感じたのは、このときが初めてでした。
足場の修復や管理には、なかなか手が回らない状況があったのかも知れません。または、前後150mほどに及ぶ現場での崩落が、以前よりも激しくなっていた状況だったのかも知れません。
私は、以前に通過したときの状況と比べて、ひどく破損が進んでいたため、不意打ちにあった感じでした。
おそらく、事故にいたってしまったパーティの場合も、大菩薩へのルートでなぜこんな区間が、という状況だったのかもしれません。
ただ、今度の場合が特別か、といえば、、この区間のような、荒廃、ないし劣化した状況が、すでに各地で広がり出す予測も、考えておかないといけないと思う。用意と心がけが求められます。
とりあえず、前回の記録に、次の内容を書き足しました。
地元の村も、一時の補修はできても、なにしろ地形が厳しいため、維持は大変とおもいます。
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注意追加)この記録から8ヶ月後、大マテイから小菅村への下降ルートで、問題の崩壊地帯で、滑落による死者が出ました。
丸木橋や踏み板そのものが、傷んだり、脱落している場所があり、非常に危険な状況です。
足元は落下すると、100m以上も止らない崖です。それが、繰り返し出てきます。
天候が悪い場合や、補助ロープなどによる上級者のサポートが得られない場合は、このルートからの下山はおすすめできません。
大マテイから少し鶴寝山方向に寄ったところに、より安全な登・下降ルートがあります。取り付きがわかりにくい。
25000地図で、稜線上に1326mの小ピークが表示されています。その西側で、登山道がX形に交わっているところが、下降点です。
この逃げ道は、斜度の緩い植林地帯を下降し、山沢川に下降。道は、そこから沢沿いに下り、幅1・5mの作業道ににつながって、小菅温泉に到達します。
この代替ルートは、崖がなく、冬期も、登り、下りに使えます。
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