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しかも、サイトは満杯のために、登山道や小屋の前、そしてトイレに行くための小屋わきの歩道沿いにまで。100張を超えるかという数でした。
少なくとも3年前までは、これほどではなかった。この2年ほどのあいだに様変わりしてきたのが北アなどのテント・サイトの風景です。
そういう私も、山登りを始めたころは、1人でテン泊したり、無人小屋に泊まったりするのが新鮮で、好きで、いまも基本はテント泊。山を肌で感じるには、やはり地面に寝て、風を感じるのに限りますよね。
テントに泊まる登山者が増えてきたのには、共感できる気がします。
いまの盛況、流儀も新しく変りつつあります。
1〜2人用テントがとても多くて、1つのサイトに2つ、3つと並べて張る。大きなテントの脇や間のスペースを使って張る。
単独行というわけでなく2〜3人パーティでも、各自ソロ・テントにもぐりこむ。2人用なら2人で寝ればいいのに、不思議ですね。
私の年代では、若い頃はテントにみんなで泊まるのが楽しみだったのですけど。子育てしにくく少子時代のいまは、個室が慣れてるのですね。
通り道しかスペースがないところで、夕闇になってから、遠慮気味に張る登山者もいました。小屋や他の登山者への気配りですね。
いまのソロ・テントの売れ行きなどから見て、おそらく今度の海の日前後は、登山道や斜面にまで張られるテントが去年以上に増えるのは確実と思います。
そうなると、テン泊山行の勘所も、新しい問題が生まれてくるようです。
(1)早く到着がいよいよ大事に。
早発ち、早着きは、テン泊山行の鉄則でした。暗いうちに発ち、正午すぎには次のテン場に着く。
サイトに活気がもどったいま、この基本が大事になってきました。
遅れをとったら、平らなところにはまずテントを張れない。
まず整地・土木工事から始めることになる。
この海の日からお盆にかけては、各サイトで大きな問題になりそうです。
北アのキャンプ指定地のなかには、規定の張り数を超えてもなんとか周囲のガレ場などに拡張して張れるところと、全体のスペース自体が限られて、オーバーした分は設営困難な場所があります。
この問題は、当然のことですが管理する小屋の指示に従うことが前提です。多くのサイトは、拡張は困難。
状況によってはわずかなら拡張の条件がありうるサイトは、北アでは、剣沢、雷鳥沢、双六沼、涸沢など、かなり限られています。
サイトの容量をオーバーしたら小屋も混雑していることが想定されるので、計画的な行動が大事になってきます。
(2)早く着いても、設営場所の選定をまちがえると、夕方に困ることになります。新しい悩みです。
というのは、いまのソロ・テントというのは、予想外の空きスペースに、他のテントに近接して張れちゃうからです。
テントの間、戸外で食事をとろうと思っていたテラス、等々。軒がぶつかるように、近接して一夜をすごしかねない。
せっかく早くついて、いい場所を確保したと思っても、夕方には込み入った建売住宅のようになって、錯綜し足元を這う張り綱、大きないびき・・・。
いままでは一番平らな、周囲に少し空きスペースがある場所がねらい目でした。いまでは傾斜は二の次、すぐ脇にテントが張られることを考えて、サイトを選定する。
段差や自然の茂みなども間仕切りに生かして、お互いの本来の間隔がうまくとれる位置関係になる張り場所を選ぶのが、優先事項になっているように思います。
とくに海の日前後は、これもきびしそう。
(3)夏山でも稜線ではけっこうすごい強風が吹きます。ソロ・テントは、マチ幅が90センチ以下ですから、それだけ壁が垂直に近く立って、横からの風を流しにくい。つくりから見て、横風に弱そうなタイプを見かけます。
混んだサイトや鞍部脇のテン場では、テントの縦方向を風上に向ける張り方は難しく、しばしば横風をまともに受ける。
吹いたら1人で風にたちむかわねばならない。一晩中、テントを押さえて夜を明かすこともあります。稜線を抜ける強風は、雨が弱くとも、テントを倒したり、ポールを曲げたりすることが、ときどきあります。日中は吹かず、夕暮れから荒れることもある。
風の怖さは目に遭わないと想像が困難。
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1256
夏山の暴風は、当たり年があるようです。
みなさんの幸運を祈ります。
写真は、五竜山荘の、鞍部下のテン場と、2枚目は真砂沢出合のテン場。
ついでに、いままでにヤマレコ日記にアップした「山のキャンプ地」シリーズを、各サイトの使用雑感として、コメント欄に掲示しておきます。
(年月は、各日記をアップした時期。日記のナンバーが若いですね。)
2008年05月
温泉つきテント場)雷鳥沢キャンプ場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1164
2008年05月
消えた指定地)飯豊・石転ビ沢取り付きの天場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1170
2008年05月
消えた指定地 その2)トムラウシ北沼の天場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1173
2008年05月
温泉つきテント場 その2)国設羅臼野営場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1177
2008年06月
万年雪が近くにある天場)剣沢・三田平野営場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1187
2008年06月
施設皆無、ノンサポートな天場)裏旭キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1190
2008年06月
温泉つきテント場 その3)蓮華の森キャンプ場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1200
2008年06月
温泉つき天場 その4)吾妻連峰・滑川鉱山跡
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1207
2008年06月
温泉つき天場 その5)ニセコ野営場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1229
2008年06月
トイレが○○○な天場 その1)薬師峠キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1230
2008年06月
天空の絶景トイレ)針ノ木峠キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1233
2008年06月
トイレが地獄→天国)雲ノ平野営場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1240
2008年06月
未明に雑踏が押し寄せる天場)槍岳山荘前キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1249
2008年06月
風の谷から烈風が襲う)双六沼キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1256
2008年06月
温泉付き天場 その6)トムラウシ自然休養林野営場
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1271
2008年06月
静かな雪の谷と、うまい水) 真砂沢キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1275
2008年06月
小屋より絶景な天場 その1) 冷池キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1280
2008年06月
団地のような密集天場、水も高い) 南ア・三伏峠キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1283
2008年07月
消えた天場 その3) 朝日連峰・狐穴小屋のキャンプ地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1305
2008年07月
小屋より眺めがいい天場 その2)南ア・北岳山荘(運にもよる)
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1308
2008年07月
フルサポートが得られる天場)涸沢キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1309
2008年07月
イワナが乗り越す稜線上の、水っぽい天場)黒部乗越キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1311
2008年07月
飯豊随一の絶景天場。幕営禁止に? )御西岳キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1327
2008年07月
建売住宅のような天場。でも、快適) 種池キャンプ指定地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-1333
2011年06月
私は寝ぼけて大声を出し、走るそうです
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-21826
2011年07月
トイレが○○○な天場 その4) 五竜岳キャンプ地
http://www.yamareco.com/modules/diary/990-detail-22535
双六のテン場の強風は、今年も健在の様子です。
http://www.yamareco.com/modules/diary/13405-detail-37667
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