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シオデとの初対面は20年余り前のことでした。奥多摩の沢のそばの杉林で、女の人が細い茎の長い植物を一束ほども摘み取っていました。聞くと、「ひでこ」という山菜で、茹でるとアスパラガスのようにうまいんだと。女の人は秋田から出稼ぎに来ているということで、下の車道まで下るとご主人が大型ダンプで待っていました。ダンプは仕事の糧で、月賦で買って都内に稼ぎに来ているんだそうです。
秋田の山菜を稼ぎ先の奥多摩で見つける。春の山に山菜を探しに来たご夫婦の気持ちを思ってみました。
シオデは、秋田方面では、ひでこ、そんでこ、しゅんでこ、そでっこ、などいろんな名前で呼ばれているそうです。それだけ、親しまれてきたことになる。
語源は、アイヌの方言「シュウオンテ」から来たという説もある。(「分類アイヌ語辞典 植物篇」知里眞志保、1953年)
ところが、そのシオデが、上越の巻機山一帯では知られてはいるけれど、あまり食べられていなかったそうです。
一方、同じ上越地方でも、5月の節句に子どもの耳をシオデの穂先で掻いて、「いい子になれ!」と言い聞かせるところもあった。
とにかく昔の人には、名づけも、遊びや風習から見ても、山菜はそのくらい身近な存在だった。
今回、信越の山麓で出会ったシオデは、いままで見たシオデのうちでも、最高レベルの太さのものが混じっていました。前日の沢で、太いものになかなか出合えなかったので、うれしさ格別。
朝の森で、太いものだけ選んで、塩を入れた鍋で40秒〜50秒ほど湯がいて、冷水にさらしたら、鮮やかな緑色に変わりました。口に入れると、淡い甘みのあるエキスが口に広がるところまで、アスパラガスそっくりでした。ゆで時間をあと少し短くしたら、もっと「味」が出たかも。
でかけてきた甲斐が、ここにもあった、ブナの山の春でした。
北国と奥多摩では樹林相が違うから、無いものは無いのだと思い込んでいましたが、探せばあるんですね。というか、見つける山菜視力があると見えないものが見えるというか。
今回はボルトさんとか黄緑さんとか「山菜視力」がある人の存在を知って、またひとつ人の持つ力の種類を知りましたよ。
よねやまさん、「山菜視力」は「食い気」というより「体験」とで育ってくるのかも知れませんね。
いろんな体験が重なるから、印象が強くなる。
姿やその変化にも、魅かれる。
香りや味が記憶に残るから、忘れられなくなる。
探索能力は、視力だけではないのかも知れません。
実際、そこだけスポットライトがあたったように、見えちゃうことが、きのこや山菜のときはあります。
実は、出合った場所の様子も、けっこう記憶に残ります。
800CCくらいいただいたあのワイン。炭酸割りでカミさんとおいしく飲んでます。
こんにちは!
私もシオデ大好きです!
どちらかというと人里離れた山奥ではなくて里に近いところに多いような気がしています。
コシアブラの林などでコシアブラは裸にされていても、細いシオデは誰も採らずに見逃されていたりします。
細くても十分美味しいですけど、太くて柔らかいヤツがあるとことにはあって思わずニンマリしますね〜
茹でても炒めても何しても美味しい
フランスあたりでは「アスパラソバージュ」と呼ばれる山菜があるそうです。
日本ではまだまだ流通量が少なくて高級品だということで、もしかしたらこれってシオデのこと?と思い調べてみました。
結果、見た目からしてまるで別物でしたが味は似ています。
この時期山には神様からの恵みがいっぱいで楽しいですね〜
来週はぶっといシオデとワラビ、コシアブラ、ネマガリ、うるい、ウド、オオナルコユリに会いに行く予定です
bunacoさんは雪国の沢に入るから、毎回、いろんな山菜に出合えますね。
アスパラソバージュ、私も調べてみます。
ナルコユリの仲間の、アマドコロは、こんな食べ方もしたことがあります。
http://trace.kinokoyama.net/sansai/amadokoro2000.htm
http://trace.kinokoyama.net/flower/1yuri-ka/amadokoro.htm
時々里山でも見かけますが雪国の方が多いんですか
塩ゆでした色が鮮やかで綺麗ですね。
私も朝食前に少しでも山菜探索したかったんですが、
チャーハン作りに忙しくて外に出られませんでした。。。
sakusakuさん、お世話になりました。いいところ、でした。
いっしょに動くと、それぞれのメンバーの人となりが感じられて面白いです。
車で高原をまわるのは、なにかと配慮がいるので、今度は近場をみんなでお散歩で回るのを中心にするのもいいですね。
私は山菜視力がゼロですが、山菜食欲はたくさんあります!
bmさん、人と知り合いになるのといっしょで、山菜の見かけの体つき顔つき、とともに、自分と相手との共通の体験(苦労、味、フィールドでの出合い)があれば、忘れ難くなりますね。
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