ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)のことを、北海道ではエゾカンゾウと呼びます。
ノカンゾウは、そのエゾカンゾウ(ニッコウキスゲ)にちょっぴり近縁な、野の花。花弁が1日で咲いて、しおれるのがニッコウキスゲですが、日持ちはもう少しいい。
細身の花弁の曲線が美しい花です。
関東南部では、実はノカンゾウは、次第に見かけるのがめずらしい花になってきています。というのも、花弁が縮れたヤブカンゾウという類種があり、ノカンゾウの生育地域は押され気味。そのうえ、川の土手や湧水の湿地など、生育地がどんどん失われているからです。
中央線沿線の土手にも、そのノカンゾウが観察できる場所が幾つかあったのですが、この十数年、年ごとに、観察地は減っています。
いま残っているのは、国分寺駅の前後の区間。数年前は合計で10株ほどが入れ替わりで開花していました。今年は、7株をやっと数えることができました。
と言っても、通勤快速電車が渋滞や、駅の手前で、たまたま減速する瞬間、たまたま生育地の区間でそのチャンスがあったときに、橙色の、すっきりした放射状の花の姿をとらえることができます。速度が速いときは、咲いているノカンゾウが「点」にしか見えない。
線路際の斜面の刈り払いにくわえて、ここ3年程のフェンス設置や、土手を掘っての配管作業などで、ノカンゾウは3カ所ほどにわずかな生育地を残すだけです。
でもいままで残ってきたのは、工事の方のなかに、刈り払いなどを避けてくれた人がいたからかもしれません。宿根性のノカンゾウがタフだったからかも。
今年は出会えてほっとしましたが、来年はどうかな?
こんばんは!
キスゲの花の命がそれほど短いとは初めて知りました!
沢を詰め上げた草原に一面にキスゲが揺れていたりします。
とっても心癒される風景で大好きです。
今まではノカンゾウ、ヤブカンゾウともに区別なしに頂いてました
区別があるのは知ってましたが見分け方がわかりません
今シーズンの大雪の後に中央線に揺られている時、車窓から相模原近くの土手に沢山カンゾウとノビルが出ているのを見つけました
これは身近な春のシーンですね!
日本って四季があっていいわぁ
bunacoさん、最初にニッコウキスゲの話になりますが、この名前を使わずに、本来のゼンテイカという名前にこだわっている花好きな人も、けっこういます。また、北海道のようにエゾカンゾウの名の方が、広く知られていて一般名称になっている地域もあります。
確かに、正式名でないのに、北海道で「日光キスゲが咲いています」というのは変ですね。
で、花の寿命で言えば、ニッコウキスゲの場合は、一つの花は一日の寿命しかなく、数輪の花を順に咲かせると、その株は花期が終わりになります。
これにたいして、ノカンゾウやヤブカンゾウは、1日で1輪が完全にしぼまず、2、3日は残っていて、そのために3、4輪の花をつけているものも見られますね。
野外では、ノカンゾウとヤブカンゾウの比率は、1対30くらいに感じます。
雑種もあるし、遺伝的(発現的に)にヤブカンゾウが優位なのかもしれません。
ノカンゾウを見たことがない方も、相当いるんじゃないかな。
通勤快速から花の数を勘定する視力は、山菜視力に通じますね。
通勤快速って、林道走行くらい速いのでしょ?
yoneyamaさん、中央線通勤快速は、とくに朝は「名ばかり快速」で、順調でも立川→新宿に30分もかかるんです。間に各駅停車を挟んで同じ線路を走るからですね。そのうえ渋滞はいつものこと。
自転車ぐらいのノロノロもしょっちゅうです。
対して、目当てのノカンゾウの花は、緑の土手に映えるので、山菜を見つけるよりはずっと見つけやすい感じです。
実は、15年ほど前までは、ノカンゾウだけでなく、コゴミも沿線の土手などで車窓からよく観察できました。やはり次第に生育地が減ったうえに、高架化工事もされて、いまでは私の通勤エリアでは皆無になってしまいました。
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