この記述が気になっていたのですが、先日、試してみることにしました。
この2種類を食べられると紹介しているのは、私は甘糟さんの本以外には見たことはありません。
このうち、アカメガシワ(写真の赤い若葉)については、甘糟さんは「山菜の味」(酒井佐和子、1961年)から引用しています。
それによると、アカメガシワの葉は、ご飯を包むのに使われ、とくに黄な粉をまぶしたご飯をこの葉で包むと、よい香りが楽しめる、とのこと。
これを引用している甘糟さんの本じたい、当時(70年代)としても、あまり山菜の本でも紹介されることのない野草が、続々と出てくる内容になっています。
気になっていたので、試してみました。
まず、ヤブガラシ(写真のツル性の芽)。
赤茶色のカマ首をもたげたような芽が、食欲を萎えさせます。
家の庭で、繁茂するとやっかいなので、いつも抜き取っていたヤツ。
4、5本を抜いて、芽先15センチくらいを素揚げし、塩をつけていただきました。
独特の香ばしさがあります。何にたとえればいいのか思い浮かばない、初めての香ばしさ。
甘糟さんのご主人が「けっこういける」と言ったのがわかります。
次は、青山椒を収穫したついでに、奥多摩で一つだけ摘んできた、アカメガシワです。
こっちは、若干の恐怖感がありました。
毒草が跋扈するトウダイグサ科。甘糟さんのご主人が、これもうまいと言ったにしても、にわかには乗れない。
味見なのでお浸しとも思いましたが、安全策をとってやはり素揚げに。
実は芽をもいだときに、その芽が木の芽にふさわしくなく、肉厚感があり、茎がもっちりしていたのに、違和感がありました。
で、素揚げを食べると、歯ごたえがよくない。弾力があり、繊維質の部分が口に残ります。味は、とくに表現するほどのものはなく、個性がない。
やはり、ご飯を包んで楽しむものなのでしょうか。
かくして、合格は、ヤブガラシでした。
こっちは、キャンプで黙って出して、名前を当てさせる出し物などに、使えそうです。
tanigawaさん、こんばんは。
ヤブガラシは名前を知らないまでも厄介な雑草としていつも目の敵にしていました。素揚げで頂けるなら多少見方が変わりますね。どこにでもいっぱいあるし・・・。
それにしても先人たちはいろいろなものに挑んでいるのだなと感心しきりです。その文献を発見するtanigawaさんの研究心にも敬服いたします。
ヤブガラシは若い頃よく食べました。ちょっといがらっぽさがあって喉に引っかかる感じがあり、あまり美味しいとは思いませんでしたが、それはお浸しだったからかもしれません。素揚げ,天ぷらなら行けるかも・・ですネ。
アカメガシワはいつでも食べられると思っていて結局未だ食していませんでした。私は佃煮風がいいのではないかと思っています。これを機に試してみましょうか・・。
fireboltさんへ。
ヤブガラシって、ブドウ科なんです。食べた味も、油脂かたんぱく質が含まれている、やや濃い味でした。
ですから、いつも腹を空かせていることが多かった昔の人は、季節の一品に取り入れていたのかなと、想像します。
文献、資料では、やはり昔のもの、また、アイヌや地域的なものが、古い知恵や経験が書き記されていて、おもしろいですね。
最近のものは、ビギナー向けを意識するあまり、見た目は派手でも、奥行きや味わいに欠けます。
長野県や北海道、福島の会津地方などは、地域の出版社が、こつこつと、良い資料になる本を出しています。
いま、値段が安価なものが市場に出るのを待っているものに、戦時中に出た次の本があります。
陸軍獣医学校研究部『食べられる野草』(1941年、昭和16年)
今回紹介した「山菜の味」(酒井佐和子、1961年)は、もう古書のネットでも1冊も出てきません。
ヤマレコ日記では、ブログ的に、これからもいろんな古い経験を書いていこうと思います。
nobouさんへ。
>ヤブガラシは若い頃よく食べました。
さすがに、地域の強みですね。思い出がよみがえったかもしれない話題になって、光栄です。
太い芽を天ぷらにすると、確かにいいかもしれません。
アカメガシワは、引用されていた酒井さんの本でも、そのものを食べるのか、香りに使うのか、まだ原典にあたらないと不明です。
甘糟さんのご主人がタフなだけかもしれない、ので、少量を味見する程度から、すすめられてください。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する