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マダニに咬まれたヒトに感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルス。 このウィルスを持つ”感染マダニ”が、西日本だけでなく、実は関東、東北、北海道にも、生息していたことが、国立感染症研究所などの全国調査で確認されました。
山で人の血をたっぷり吸う奴といえば、ヒルとダニが双璧ですね。 でもこれからは、マダニについては、もし噛まれた場合には、全国どこの山であっても、感染に注意した独自の体調チェックが欠かせないようになってきます。
今回、問題のウイルスの抗体をもつ”感染マダニ”が新たに見つかったのは、次の県。
三重、滋賀、京都、和歌山、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、栃木、群馬、岩手、宮城県、北海道。
3県(福岡、熊本、福島県)は調査中で、ここにも感染マダニがいれば、調査した全県に感染が広がっていることになります。
なお、今回の調査で野生のシカや、そしてイヌからも、感染マダニが見つかっています。
発表文はこちら。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの国内分布調査結果(第二報)について(情報提供)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20140225-01.pdf
マダニが媒介するこのウィルスは、その病名「重症熱性血小板減少症候群」が示すように、発熱、下痢、リンパ節の腫れなどの症状を引き起こします。
山でマダニ(写真はその例)に咬まれたあとで、このような症状のうち幾つかが出た場合は、念のためまず皮膚科で診てもらうのが良いようです。
発症までの潜伏期間は、マダニに咬まれてから6日〜2週間程度。
何しろ去年、国内で初患者が出たウィルスです。対症療法以外に治療法はなく、予防ワクチンもなく、2013年には西日本で52人が感染し、21人が死亡しています。
去年、西日本でだけ、患者が出て、感染マダニが見つかったときは、温暖化との関連を想像し、東日本はまだ時間的余裕があるかも? と思ったりしてたのです。というのも、ウイルスではないけれど、毒蟻とか、毒蜘蛛の場合がそうだったので。
でも、調べてみたら、感染済みのマダニは、列島に広く分布していました。
そして、今回のマダニの感染調査から、すで列島全域がこのウィルスの感染エリアに入っていたことが確認されました。
しかし、死亡された方がすべて西日本というのは、変です。新しい感染症だけに、医師と保健機関の側の確認と報告が一歩遅れているだけなのか? それとも、感染したマダニのもつウィルスの広がりや毒性に差があるなど意外な理由から、感染しやすさの差が生まれ、西日本と東日本とで人への影響に差が出ているのか?
こういう差異は、韓国と中国と日本のウィルスの悪さの差異としても、確認されています。
マダニは、ダニはダニでも、人家に棲むダニとはまったく別のダニで、全体として大型。山のダニはでかいもんね。
一般的には、血を吸う前は、3〜8mm程度で、これでもでかい! しかし、血を吸うと10〜20mm程度にまで、丸々と太ります。表皮は固め。
そのうち4種類から、問題のウィルスが確認されました。このマダニは人家の周囲にも生息します。
国内にはほかに、47種ものマダニがいるそうです。
厚労省のサイトでは、マダニが媒介するこのウィルスの感染防止と対処について、一問一答の解説を掲示しています。
そのなかには、野外・山に入る人向けに、こんな注意事項も掲げています。
「草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。・・・屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。」
う〜ん、夏にスパッツを着けろってか・・・・。
もし、山で、自分の体に食い込んでいるマダニを見つけても、指でつまんで引きぬこうとするのは、ご法度。 食いついたままのダニの体に、力をかけることになり、人間の体内にたくさんウィルスが体液ごと入ったりします。ダニの頭部が患部に残って、困ることにもなる。
無理に引きぬこうとせずに、皮膚科の医師に早く手当てしてもらうようにと、このサイトでは呼びかけています。
従来からの山での対処法では、咬みついたままのマダニには、たばこの煙、蚊取線香の煙、お尻におき火ちょんちょん、なんかも有効でした。「煙い、熱い、こりゃ、たまらん」とマダニが自力で這い出すのを促す・・・。
SFTSウィルスについて、くわしくは、下記に。(上の写真も)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html
私が勝手に思うに、今までも感染していた人は他にも沢山いたのではないかと思います。ここに来て原因が判明したということのような気がします。日常的に山に入って作業している人がずっと昔からいる訳ですからね
この致死性ウィルスの来歴については、まだ謎がいっぱいですが、中国、韓国、日本で微妙に型や悪さの程度がことなっており、アラゲンさんの見方は、的を射ているのではないかと思います。
症例が積みあげられれば、もっとはっきりしてくるでしょう。
またウィルス自身が変化して、悪さの程度がすすんだ可能性も残します。
年配の感染・発症者の死亡率がとても高いことからも、今後、しっかりした解明が必要ですね。
事態が判明するまで、ダニには注意ですね。
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