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アメダスのリアルタイムの雨量速報は、街でも山でも、その日の行動判断に役立ちます。これとは別に、入山前の過去数日間の降水量データも、いろいろと使いでがあります。
先日、岩菅山の登山の翌日(5日)にカヤノ平のブナ林にきのこ観察に立ち寄ったのですが、7月後半からまとまった雨がなくて、地面は乾き始めていました。みずみずしい育ちかけのきのこには、わずかしか出会えませんでした。
ブナの森なら少々の乾燥は大丈夫と思ったのですが、ちょっと見込みが違いました。
それでも、さすがカヤノ平の森は、溝状の水路や湿原も入り込んでいて、乾燥気味ながら森の楽しみは体験できました。もしも4、5日前にまとまった雨があれば、きのこはもっと生え出していたでしょう。
きのこの場合は、乾燥したあと、出かけた前日あたりに雨があっても、生え出すには3、4日余りはかかるので、タイミングが早いと空ぶりになりかねません。(きのこは、逆に雨が多すぎても、品質が良いものには出会いにくくなります。)
そこで、今年の関東甲信越のように真夏の降水量が少なめで推移したときに、使えるのが、気象統計情報の過去の降水量データです。
実例として、幾つかの地点の7月21日から8月7日までの降水量データを上げておきます。
地名は、アメダス観測機が置かれている場所です。
真夏の雨量は、雷雨によって局地的にもたらされることが多いのですが、アメダス・データはそれをピンポイントで把握できるので、入山場所の判断などに役立ちます。
◆志賀・笠岳中腹 標高1490m(カヤノ平から約10キロ)
7月 21日 6ミリ
29日 7.5ミリ
30日 4ミリ
8月 6日 8ミリ
7日 0.5ミリ
◆八ヶ岳 標高1830m(茅野市北山)
7月 1ヶ月を通してゼロ!
8月 7日までゼロ。
◆奥秩父・乙女湖 標高1465m(金峰山中腹)
7月 21日 9ミリ
22日 0.5ミリ
23日 1.5ミリ
24日 0.5ミリ
25日 0.5ミリ
27日 3.5ミリ
8月 6日 28ミリ
このように、7月下旬以後、雨量は全体にかなり少なめで、とくに八ヶ岳は8月7日現在、1カ月以上もカラカラ天気が続いてきたことがわかります。水場はかなり細くなっていると思います。
志賀・奥志賀もまだ少なめ。
奥秩父は、6日の雨で一息ついたものの、まだまだ少なめというところでしょうか。
今の時期、例年だと、富士山や八ヶ岳でショウゲンジという人気のきのこが盛期に入りますが、今年は雨待ちの状態です。とくに八ヶ岳は、かなりの不作と思います。タイミングの見極めが大事。
過去10日間の湿り気がわかるこのデータを使うと、きのこの生育予想だけでなく、山の湧き水が得られるかどうか、登山道のぬかるみ箇所はどの程度ひどいか、沢の水量はどうか、など、いろいろな判断の目安に使えます。
直近の降水量データは、以下のサイトで得られます。
気象統計情報>過去の気象データ検索
気温や雨などの観測データが検索できます
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
以下、次の順で進む。
都道府県の選択
地点の選択
年月日の選択
データの種類の選択
例えば「2012年8月の日ごとの値」を表示。
8月後半からは、今年のきのこシーズンが本格化します。
降りすぎても困りますが、もうちょっと湿り気がほしい今日この頃です。
(写真は、富士山のショウゲンジ。例年だとすでに盛期です。)
tanigawaさん、ご無沙汰しております。
先週末の八ヶ岳、暫く雨がなかったようでルート状況は良く、乙女の水も地表の雨水が入らないため冷たく美味しく、しかしキノコは極少でした。
水に苦労するエリアでは、こういう情報を予めキチンと掴んで山に入ることも必要ですね。
fireboltさんへ
簡単に得られて役立つデータだけど、利用するには山の遊び方、登り方がマニアックな要素があるので、あまり使われないデータでもあるかな、と思ってました。
同感していただけてうれしいです。
沢に入るとき、あるいは現場の水場を当てにするときなど、利用する価値がありますね。
きのこの作況を把握するとき、行き先の森を決めるときは、かなり基本的なデータになります。
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