単独北ア主脈全山+明神主稜

- GPS
- --:--
- 距離
- ---km
- 登り
- ---m
- 下り
- ---m
コースタイム
- 山行
- 4:45
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 5:25
- 山行
- 4:01
- 休憩
- 5:56
- 合計
- 9:57
- 山行
- 8:03
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 10:28
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 8:50
- 合計
- 13:40
- 山行
- 0:46
- 休憩
- 2:23
- 合計
- 3:09
- 山行
- 4:16
- 休憩
- 4:58
- 合計
- 9:14
- 山行
- 5:44
- 休憩
- 2:26
- 合計
- 8:10
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 2:51
- 合計
- 9:59
- 山行
- 7:54
- 休憩
- 3:23
- 合計
- 11:17
- 山行
- 10:07
- 休憩
- 3:29
- 合計
- 13:36
- 山行
- 9:45
- 休憩
- 3:48
- 合計
- 13:33
- 山行
- 7:25
- 休憩
- 3:18
- 合計
- 10:43
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 9:36
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 7:33
天候 | 8/23 快晴 8/24 快晴たまにガス 8/25 晴れガス 8/26 雨→ガス→晴れ→ガス→暴風雨 8/27 暴風雨 8/28 快晴 8/29 ガス爆風→快晴 8/30 快晴 8/31 快晴 9/1 快晴 9/2 快晴→ガス→雷を伴う暴風雨 9/3 暴風雨→晴れ→ガス 9/4 快晴 9/5 大雨→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2025年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
親不知からは糸魚川から新幹線 |
コース状況/ 危険箇所等 |
詳細に書けませんが、難所と言われているところは慣れていない人は軽量化に徹したほうが身のためかもしれない |
その他周辺情報 | 親不知交流センターまるたん坊で風呂に入った 店員の人柄もよかった |
写真
感想
親不知に着いたとき、やり切ったという達成感からだろうか、旅が終わってしまう喪失感からだろうか、またはそのどちらもだろうか、少し泣いてしまった。
去年、燕岳から蝶ヶ岳のパノラマ銀座を縦走し、大天井付近で日の出の際に見た美しい穂高の稜線に心を奪われた。
あれが大キレットかな?あれが槍ヶ岳?などと登山を始めたての自分は知っている単語を羅列して適当言っていたが、それから山にのめりこみ、調べているうちに上高地から稜線をつないで日本海まで抜けることができることを知る。
まさか本当に実行するのが一年後になるとは、単独だとは、その時は全く考えていなかった。
上高地への交通費が高いことが懸念点だったが、都合よく明神岳主稜に複数人で行く機会があり、この際繋げてそのまま単独で行ってしまおうと決めた。
予定では13泊14日のテント泊。
数回しか縦走の経験がなかったが、どうしてか必ず完走できる自信があった。
知り合いのガイドに軽量化なんてしないで生米を持って行けという根性論を教えられたため、今までにない超重量。
水分抜きで32kgほどのザックになった。
家を出る前、これからの長い縦走に不安感が募り、柄にもなくホームシックになったりした。
また、西穂〜奥穂へ抜ける際には目の前で死亡事故が発生してしまった。ご冥福をお祈りします。
今回の縦走は登山を始めて一年の集大成となる山行だっただろう。
下界を離れ、自分な好きなことの中で過ごす2週間は本当に楽しかった。
30kgを超えたマカルーは文字通り夢を積んでくれた。
体力的に明らかに実力が足りていない山行だったが、この縦走を完走できたのはまずは自分の山への情熱があるからだろうか。(大層なことを言ってすみません)
そしてなによりも、出会った人たちの優しさに助けられ続けたからだ。
応援の声をかけてくれた方々、食事を分けてくれたりした方々、本当にありがとうございました!!!!!
もしお話しした方で見てくださっている人がいたらコメントいただけると、縦走の楽しい記憶を思い出せるため嬉しいです!
【ウェア】
行動着 finetrackドライレイヤーベーシック、mont-bell スーパーメリノウールL.W. ラウンドネックTシャツ、ワークマンのパンツ が基本。着替えなし。
寝巻き smartwool オールシーズンメリノ ベースレイヤー1/4ジップ
レインウェア mont-bell レインダンサー
保温着 mont-bell exライトサーマラップジャケット
(最終日は気温を考慮して適当な半袖)
【食料】
生米5.0kg、アマノフーズ16食、雑炊のもと16食、パスタ6食分、カニパン大量(食器拭き+カロリー摂取)、魚肉ソーセージ40本、行動食のナッツ1.0kg、soyjoy40本など
基本は生米を毎晩メスティンラージで3合炊き。
夕飯はアマノフーズ一食で食べられるだけ掻き込む。
残りの半分をタッパーに梅干しと一緒に入れて弁当に。
朝食は冷えた残りの米を雑炊にし体を温めながら水分をとる。
魚肉ソーセージは気持ち程度のたんぱく質要員。
soyjoyは美味しい。
ここからの記録は毎日ノートに書いていた日記から抜粋。
8/23 土 快晴 上高地〜明神5峰
初の上高地に降り立つも、不安で全く景色を楽しめない。
明神5峰までの登りは単調な急登で本当にきつかった。
どんどんこれからの縦走を完走できるのか、そもそも目の前に広がる穂高の稜線を抜けることすら自分の実力で可能なの?
不安が増した。
早めに幕営地に到着し、みんなで楽しくご飯を食べて18時くらいに寝る。
8/24 日 快晴→ガス 明神5峰〜明神主峰〜前穂〜上高地
疲れで9時間寝れた。
主峰までの道もきつい、休憩のたびに同行者から表情が曇ってきたけど大丈夫?と何度も言われるがその通りだ。
不安で仕方ない。
主峰到着後、前穂、重太郎新道と行動。
自分の下りが圧倒的に遅く不安感が出まくっているが、同行者から励まされ最後まで歩き切ろうと決意。
これは人生の小さな分岐点な気がする。
山が本当に好きなのか?どうしてこんなことをしているのか?
この道にもっと賭けてみてもいいのか...
これからの2週間の根性に聞いてみることにしよう
みんなと別れて一人で小梨平でテント泊。
不安だ。
明日から頑張ろう
8/25 月 晴れ→ガス 上高地〜焼岳〜西穂山荘
不安だけど出発。登山口が遠い。あつい。
焼岳は近くで見ると意外と圧倒されるかっこいい山。
焼岳から西穂の道、奥多摩かよ...
テント場にいた親子とたくさん会話して寝る。
西穂山荘のもつ煮食べようかな...→結局食べなかった。
8/26 火 雨→ガス→快晴→ガス→暴風雨 西穂山荘〜西穂〜ジャン〜奥穂〜穂高岳山荘
天気が悪く出発が遅れた。今回の縦走の核心なのに最悪だ。
西穂へ向かうもコースタイムとザック重量を考慮した水6Lが重すぎて岩場ではペースを上げられない。→水ほぼ飲み切ったので正解だった。
山頂でもうむり。。
でも行く、ガスがだんだん出てくる。
西穂〜天狗の頭間で自分を抜いていった軽装の二人が落ちたのか?救助ヘリが自分の周りをずっと飛んでいた。(後日調べるとこれは死亡事故だったようです。ご冥福をお祈りします。)
濃いガスで印が見つからず、一般道の訳がない鎖なしのスラブを直登したり、トラバースをしたり、フェースを登ったりしてようやく30分ぶりに印を見つけるようなことが数回あった。
クライミングやっててよかった...
重荷で一つ一つのクライムダウンが厳しい
ジャン到着後大雨に、一応穂高岳山荘に到着時には日が暮れてしまいそう、もし4時間ほどたっても到着しない、連絡がないなどだったらやばいかもという旨の連絡。
雨で心理的につらかったが冷静に突破。馬の背?みたいなやつはなんでもなかった。
奥穂到着後、安全地帯についたと山荘に連絡しゆっくり向かう。
到着後テント泊の予定だったが、疲れと寒さから震えていることを考慮して小屋泊。
パスタ食べてビールを飲んで即寝た
8/27 水 暴風雨 穂高岳山荘→涸沢岳→北穂高小屋
朝からガスと風がひどい。止むことを期待してコーヒーを飲んでゆっくりするがだめだ。
近くに寝ていた人がアミノバイタルを数個くれた。あざす!
仕方なく出発。途中で国学院のワンゲルに会い同行した。優しい人たちだった。
重荷で追いつけずおいて行かれてしまったが、北穂手前でまた会い、互いの安全を願う。
北穂小屋について休憩していると面白そうなおじさんと兄ちゃんが話しているので話に混ざる。
4時間ほど酒を飲んでたくさん話した。楽しかった!!!
雨が止んでからテント場に向かう。急に晴れて景色やばい!
北穂いいところだな...働いてみたい
8/28 木 北穂→大キレット→槍ヶ岳
天気よすぎ、怖くない。あつい。ながい。槍ヶ岳観光地過ぎて興ざめ。
8/29 金 ガス暴風→快晴 槍→双六→三俣→三俣山荘
爆風でテントがひしゃげてあんまり寝られなかった。
眠さで出発する気が起きずに6時発。
西鎌を下る人はほぼいない。
つかれた。
昨日日焼け止め塗り忘れて全身やけどみたいになって最悪。
双六で弁当を食べていると剱方面から日本海に抜ける予定の方に会った。
三俣まで同行。めっちゃ楽しかった。ありがとう。
双六付近の縦走路やばい。こんな天国みたいなところあるんだ...
三俣山荘の夜喫茶で三人組の兄ちゃんたちと話す。
雰囲気いいところで居酒屋みたいなこと話した。楽しかったです。
8/30 土 快晴 三俣〜鷲羽〜水晶〜野口五郎〜烏帽子
風強い。水晶まで歩きやすかった。
水晶に行くか考えて30分くらいクネクネ
信州大山岳部と会う。この先行程同じじゃね...?
灼熱の稜線を抜け烏帽子へ。
烏帽子小屋にいた方々とたくさん話した。
テント場から水汲みに行くの遠いな。
うんこもれかけた。
8/31 日 快晴 烏帽子〜船窪
崩壊していて歩きにくい。
針ノ木までの予定だったが、暑さと疲れで船窪で力尽きる。
テント場にいた姉ちゃんたちとyamap交換
トレラン、ランニングを勧められた。
やるかーーーーー
9/1 月 快晴 船窪〜種池
歩きにくい道。暑すぎ。
針ノ木に草のんがいた!!たくさん話せて嬉しかった。
へロヘロになりながら種池で力尽きた。
限界は来ているが明日からようやく後立山だ!!!!!!!!
9/2 火 快晴→暴風雨 種池→爺ヶ岳→鹿島槍→五龍→唐松岳頂上山荘
五龍までは少なくとも行かないといけないため、1時に起きて出発。
鹿島槍までの登りで辟易する。
八峰キレット楽しすぎる!!!!!ペースを上げて唐松まで爆走。
暴風雨に打たれ、金と食料も尽き始めていたところ、支配人がとてもよくしてくれた。(ここには書けないほど)
支配人、唐松岳頂上山荘の従業員のみなさま、本当にありがとうございました。
来年必ず伺ってお話ししたいです。
9/3 水 暴風雨→晴れ→ガス 唐松〜不帰キレット〜白馬〜雪倉岳避難小屋
金銭、食料の問題から唐松→雪倉避難小屋→栂海新道→親不知と繋ぐしかない。
少し風が弱くなったタイミングで不帰へ。難しいところはないが、暴風雨で精神的にきつかった。
天狗山荘後ペースが安定し、雪倉に到達。
信州大がいた。
やはり行程が同じだったのだ。
話して寝た。
9/4 木 快晴 雪倉〜栂海山荘
信州大とともに行動。
標高落ちてきてマジで暑い。
栂海新道は生き物の楽園みたいなところがある。
日本海が近くなってきた。うれしい。
似たような道が多くて疲れた。
何とか山荘に到達後、山岳部とたくさん話して寝た。
9/5 金 雨→晴れ 栂海山荘→親不知海岸
最終日の予定。雨が降っていて最悪だ。日本海にダイブできないじゃん!!!!
結果的に標高を下げていく道を涼しく下れたから結果オーライだった。
里山みたいな道を永遠と行動し続ける。精神的にきつい。でもこれを頑張れば完走なんだ。
最後は飛ばして日本海に到達。丁度到着すると晴れ始めた。祝福されているようだった。
海にダイブした。最高の気分だ。
海岸で山岳部と数時間ダラダラして別れた。楽しかったです。数日間本当にありがとう。
帰りの新幹線で祝杯として新潟限定の風味爽快ニシテを4本飲んでいる。
こんな達成感は初めてだ。
やっぱり山が好きなのかもしれない。
【余談】
今回の縦走は本来はクライミング装備一式を背負って、ジャンダルム飛騨尾根、滝谷ドーム中央稜、槍ヶ岳西稜をソロ登攀しながら日本海に抜けたいなど計画したものだった。
しかし、天気予報が芳しくないこと、この不安感を背負ったまま本当にソロ登攀なんて可能なのか、装備40kg超えるけどそもそも歩けるの?などの懸念点が増えていき、明神下山後に友人にギア一式を持って帰ってもらった。
結果的に登攀したいルートを通る際には天気がずっと悪かったし、その重荷で歩けるわけないし、そもそも日程的に食料が足りなかっただろう。
事故っていた可能性のほうが高いし無謀な考えだった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する